フランス最後の日とスウェーデンの忍者達
コートダジュール、地中海沿岸に青い海をのぞむ魅力的な町が点在する。今日はエズ、アンティーブをブラブラ歩いた。何故ヨーロッパはどんな街に行ってもこんなに魅力的で絵になる風景が広がっているのか、現代の日本にいる僕はこれらが同じ人間がやっていることとは思えない。日本の街は。ゴジラがやってきてめちゃめちゃにし、その後ゴジラのように大きな赤ちゃんが自分の思うままに、まるでピースのまったくあっていないパズルのような、ごちゃごちゃな街を作りだしていったとしか思えないような街並みどこの街に行っても、日本中行っても判を押したように同じようなもの、それがあたかも一番良い案のように錯覚して同じようなものをどこに行っても作っていく。見栄や周りのことを特に気にする日本人なのにどうして、一番形に残ってしまう街並みや風景を重要視していないのか不思議でしょうがない。日本は日本の独自の風景や街並みがありそれは世界中に誇れるものだと思うのだが、それとはま逆なことをし続けている。エズの丘の上を登り、地中海と街を見下ろす。きっと中世の時とあまり変わらない風景なのだろう。ついつい見とれてしまう。エズもアンティーブも小さな町ですぐに周れてしまった。時間があまってしまったので再びニースに行き、海で泳ごうと思ったが、なんと、普通に鉄道駅から近い一番大きな海岸で、マントンのビーチと変わらないのだがトップレスビーチだった。「じゃあ、俺もトップレスで」と思ったが男は常にトップレスだった。いやいや、すまないすまないと思いながらニースな遊泳を楽しみ、マントンに帰った。昨日の夕食で涎が出てくるのを飲みこみながら、横目で楽しくおいしそうな晩さんを眺めていた僕は、今日は奮発してユースで夕食を頼むことにした。久しぶりに暖かい食事にありつけた僕は(カルパッチョはつめたかった)それだけで嬉しかった。今日のメニューは南仏名物ラタトゥ―ユ当たり前だが缶詰よりもはるかにうまく温かい、しかも食べたい放題。同じテーブルで食べている人たちはみんなフランス人だと思い英語がはせないのだろうと思っていたら実は違い、スウェーデンやドイツ人の観光客だった。大学生のスウェーデン人の3人組と話をし、いきなり「宮崎駿と忍者は知ってるか?」と聞かれた。宮崎駿の作品研究会のメンバーとそれとは別に忍術も習っているらしい。今ではいろいろなオタクと言われる欧米人が増えてきているが、その時はほとんど聞いたことがなかったのでビックリした。久しぶりの満腹な夕食を終え部屋に戻ると、オーストリアから来たインターナショナルスクールの同級生6人がいて、同じ年ということもありすぐに仲良くなった。ちょっと前まで日本人が一人同じ仲間で、10年以上もつきあいがあったのに、日本に帰国してしまったらしい。彼を思いだしたのかすごくフレンドリーで親切にしてくれ、「今からビリヤードやりにいくから行かないか?行こうよー!」と言われ遊びに行き、ワイン飲め、ピザ食べろとどんどんおごってくれて「唯は俺たちの仲間だからな、忘れるなよー、オーストリアにも遊びに来てくれよ」とフランス最後の夜は急に熱くなった。明日は遂にこの旅最終目的地のイタリア。フランスでは現在自分の人生のスパイスとしている酒と初めて出会い、飲めるようになった。さらにいろいろな出会いがあり、出発前に空港で親が言っていた「旅は一人では決して終わらないからな」という謎めいた言葉の意味がわかったような気がする。すべての道はローマに通じる。最終目的地ローマはもうすぐだ。 明日はカズがプレイしていたイタリアの港街ジェノアに向かう。