神頼み
いよいよ弟の高等部受験の日が近づいた。みんなで励ましたり、励まさなかったり、盛り上げたり、なぐさめたり、と家族も雰囲気が伝染して超疲れる。ともだちから、合格祈願のお守りとはちまきをもらった。ちょっとぽかんとして、始めはピンとこなかった弟だが、単純に喜ぶのもつかの間、急にふさぎこんだ。パニックが起こりそうな地雷くんの表情である。情緒不安定、思考停止、座り込み、後ろ向き、頑固、わがままくんである。あーあ。こうならないように、みんな家族は弟の気持がゆれないように気を使ってきたのに、やっぱりだ。どうらや、いきなり不安が押し寄せたらしい。初めて学校を休みたいといった。ちょっとびっくり。いろいろ理由をつけて、何とか明日休もうとする。ま、心配事から逃げたいという気持はわかるよ。でも、受験を逃げたら、あんなに楽しみにしていた高校生はなくなるのだ。なんちゃって、私だって人のことは今だから言える。何をかくそう、私は受験前日に緊張と不安のあまり、埋め込み点滴チューブを引っこ抜いて、急きょ入院になった前科がある。病院で入試をしてもらったり、手術を遅らせてもらったり、そりゃそりゃみんなに迷惑をかけた。入試の不安というのは、独特だ。なんか、いやーな緊張だ。自信がある人でも、その日に最高でなければ意味なしだ。その一発勝負がいやーな緊張になる。私も、はっきりいって、マジで入試には落ちたと思って諦めていた。だから合格の電話はものすごく嬉しかった。弟はお守りをもらって、事の重大さにいきなり気がついたのではないかな。そして、急に焦ったのだ。そして、時間をかけてお守りパワーを教えられて、それを持って寝ることにして落ち着いた。ついでにおまじないの薬も飲んだ。(ビタミン剤)みんなが一度は通る道だ。みんなが乗り越えていくのだ。今朝はお守りをズボンにくっつけて登校した。みんなの励ましが重たいときもあるだろうけど、やっぱり自分を信じてがんばるしかないのだ。こうなったら神頼みでも何でもいいさ。神様のお守りでいつもの実力をだしてほしい。神様は自分の中にいつもいるのだ。あー、疲れた!見守るのって、めちゃめちゃ疲れる!