大切な日
人生には何回か大切な日があると思うけど、たぶん明日は私にとってその日のひとつになるでしょう。結婚式とか、就職の日とか、がみんなにとってはそういう日なのだろうか。大切な日の前は緊張するものなのかもしれないが、私はその数日前の方が緊張する。その緊張感は手術とすごくよく似ている。案外前日は静まってくるものだ。で、当日はじゃあね、っていう感じで手術室に入る。当日まではやるだけのことをやろうと思う。完璧はないけど、そのときまで一生懸命やったことのひとつひとつに、今の実力ならこれでよし、と許可を与える感じだ。失敗できないと思うと失敗する。というわけで、手術の大失敗で死んでしまうことを思ったら、大抵のことはオッケーだ。案外手術で助からなくてもしょうがないかな、とも思っていたりする自分もいる。コンサートと手術は大分違うようで、やっぱり同じだ。今日までがんばって生きてきたのは同じだ。大切な日には、「それまで」と「それから」がどっちもある。それからのことは明日考えることにして、今日はそれまでの時間をしみじみと振り返る日にしようと思う。