積　　乱　　雲

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• 19歳

  じゃじゃーん！19日に19歳になりました。今日は私の誕生日です。みんなのおかげで誕生日を家族と一緒に祝うことができたよ。今年初めてセンターにも行くことができたし、とってもめでたい1日でした。というわけで、今日の活動は書。書初めです。師匠とめでたい字を書きました。今年もめでたいことがたくさんある1年にしたいなあ！とヤルキが出てきた。東京のぱふぃんさんや、ぶちこさんやたちから贈り物をもらって、超感激。弟からは初めてお小遣いでプレゼントをもらった。折り紙で、きれいなｶｰﾄﾞを作ってくれました。誕生日にはいつも1年を振り返るけど、ほんと、この1年は充実していたな。これからの1年は最後の十代だから、めざす大人の姿を探しながら過ごしたいです。

  2008.01.19

• メリークリスマス

  みんなに幸せがくるようにやさしいきもちになっているわたし今日はバッハを聞いて静かに過ごしますみんなもよい一日を！メリークリスマス

  2007.12.25

• 祝日

  台湾から日本にきている留学生リンリンさんから思いがけない贈り物が届いた。なんと、台湾のスケジュール帳だ。台湾語で書かれている。台湾は中国語か？りんりんさんは台湾に福祉の制度を作ろうと夢をもってがんばっているのだそうだ。私はまだ会ったことがないのだけれど、うんと、応援している。スケジュール帳にはいろいろ祝日がついている。もちろん日本とは違う。元旦はいっしょだ。そのほかはいろいろと変わっていて珍しい。母の日はあるようだ。というのは、ことばがわからないから、予想するから。で、なぜか父の日はないみたいだ。おとうさんちょっとかわいそうだね。りんりんさんにいつか聞いてみたい。世界中の人が元旦を祝うだろう。２００８年はもうすぐ。私は来年、このスケジュール帳を作品帳にしようと思う。

  2007.12.21

• 祝！社協

  うちの地区の社会福祉協議会が取り組む災害弱者の支援が全国で表彰されたことが記事になりました。めでたい東北ただひとつというのでまためでたい自分のことのようにうれしい。って、自分のことか。近所の人が助け合う仕組みつくりのことである。障害があって家にいることが多いと、ほんと、イザっていうときに困るのだ。普段の生活もけっこうぎりぎりだから、イザにいつなるかとひやひやしながら暮らしている。もちろん、健康な人だってイザというときは焦るに違いないし、昼間、元気な人たちは仕事や学校に行っているから家にはいない。うちも、父と弟はいないわけで、そんなときに地震が来たら、マジで怖い。病院に近くに引っ越してきたし、いつでも診てもらえるように、時々顔を出して覚えてもらっておくが、そこまで行けるかがポイントだ。病院では、とにかく病院においで、といってくれるから這ってでもいくつもりだ。そうはいっても、自分では這えないから、そのときの方法を考えておくのはすごく安心できる。あちこちの地区で、この方法をモデルにしているという。社協って、なにするところ？とか、地区のお年寄りのための会かと思っていたけど、障害者にも目をむけてくれたところがうんとうれしいことだ。地区の障害者４人も登録したそうだ。もちろんそのうち１人はわたしだ。朝刊から、めでたい、めでたい。今日はなんか嬉しい一日になりそうだ

  2007.11.09

• サービス料

  自閉症の友達が床屋さんにいったところ、動いてしまったことに対して、割増料金をとられたという。なんか、へんじゃない？障害の特性で動いてしまうのだからわざとではない。多くの人はじっとして髪を切ることができるだろうけど、動いてしまうお客さんでもささっとできる、というのがプロではないの？わたしは椅子にまっすぐ座れないし、動いてしまうし、でマーガレットさんがベッド上でささっとカットしてくれます。自由に動いていいよ、と言ってくれて、おまけにボランティアでしてくれる。お小遣いで払える材料費しか払っていない。プロとボランティアの違いということもあるが、いつもハッピーになる。障害があると大変な分、割増料金なんだろうか。その大変さはどうやって量るのだろう。飛行機にストレッチャーで乗ったときは、ストレッチャー代が一人ぶんよりは多くかかった。でも座席をたくさんつぶしたから、その値段でも安いくらいなのだろう。料金のちょうどよさ、というのは決める人の感情がすごく含まれている。もうけようと思うと、ズルをしても高く売ろうとするし。お客さんを思って、大変でも安く商売する人もいる。ボランティアもお金を受け取れない、という人から、有料ならやりますと言う人もいるし、料金に関係なくても仕事に対する責任度はかなり個人差がある。障害者がきらいな人は障害者割り増し料金をとって、嫌いなのにやってあげている、という気持に折り合いをつけるのだろうか。サービスを売っているのではないのかね？高いお金を払って、嫌な気分になって、だったらもうその店には絶対行かないね。友達はカットしてすっきりいい気持も買うはずだったのに、台無しだったことだろう。マーガレットさんみたいな人にどんどん仕事をしてほしいとまた思った。なにしろ、安いのに人を幸せにするからだ。

  2007.11.07

• やっとお風呂だ！

  このところとても元気なおかげで、いろいろなことができている。遠くの病院まで受診した次の日でも、ちゃっかりパソコンもできたし、夕方初めて外出もしてみた。それでも元気である。いろんなことを組み立てるとき、つい入浴が犠牲になる。今週も1回だ。清拭もカットされたりすると、週１回ではちょっと気持悪い。とはいえ、清拭も入浴も二人いないとできないので、毎日シャワーをしていた夏は、母がギブアップしてしまった。どれをとって、どれをあきらめるか、選ぶのに苦労する。全部というのは無理だとわかっているのだけれど、自分が元気なだけに、体力がなくてできなかった時代より、ストレス度が高いと感じている。人間は欲深い生き物だなーと思う。

  2007.09.20

• １００年のエキス

  母が高校同窓会１００周年の行事にでかけた。１００年である。一口に１００年という時間の長さはちょっと想像できない。私は高校を卒業して１年目だ。９０歳近い卒業生も元気に参加していたというのだから、私はあと７０年は生きなくてはならん。ハッキリいって無理であろう。学生の時にすごくいい思い出ができて、心に残る出会いがあった人は幸せだ。人生にはいろんなことが起きるし、いいことよりも、大変なことの方が多いだろう。それでもふりかえったときに一番力がわくのは人とのつながりだと思う。わたしは学生の時にそんな先生との出会いがあった。織姫さんやぽっぽさんとの出会いはわたしの人生を変えた。わたしの出現が母の人生を変えたかもしれないが、高校を卒業して２７年もたてば、それぞれの人生が人の数だけあるわけで、同窓会はその長い時間のエキスを集めたいのちのもとみたいなものかもしれない。ちりぢりになって変化しているそれぞれの時間も、たまにエキスを集めて濃度の高いいのちを感じれば、パアーアップしてまたそれぞれの時間のエネルギーとなる。たぶん、会場の近辺は１００年分のエネルギーの束に包まれていた！？考えるとちょっと怖いけどね～。長い人生を振り返られるのも、生きていればこそである。生きていられるだけでえらいし、すごい。私はまだ１８年だけど、かなり一生懸命生きてきたつもりだ。どこらへんで力尽きるか、予想もつかん。とりあえずやってみるけど。わたしがおばあさんになって、超おばあさんの先生たちを囲む時がくるという保障はない。でも、おばさんになって超おばさんの先生たちを囲む位はできるといいですね。

  2007.09.10

• ボリビアの空

  ボリビアさんとついに会えた。あと３日で旅たつという。ボリビアさんがやってくる前に、速攻で勉強した。ボリビアの場所、経済、気候、文化、歴史などなど。ひゃー、ということばっかりだ。目の前に現れたボリビアさんは、やさしい声とやわらかい手のひらの持ち主だった。世界中を旅した人、なんていうから、ゴワッ！とワイルドに現れるかと思っていたら、そっとベッドの側に現れた。世界の風を運んできたようだった。アンデス山脈の近くにあるボリビアが、とっても高い土地にある国で、空気が薄いと頭痛がして走れないとか、夜は氷点下になるとか、普段はスペイン語で他にも言葉があるとか、美人の奥さんのこととか、全部おもしろかった。耳ダンボであった。世界の貧しい国の大変状況や、途上国の人たちの暮らしや仕事のこと、打たれて死ぬかと思ったこと、宗教の話。地球のコンサートで聞いた紛争地域の厳しさや、アジアのタイやマレーシアの生活とを思い出しながら、いろんな人間がいろんな価値の中で幸せになることを考えたよ。ビデオで聞いたスペイン語が新鮮。ぺらぺら聞こえた。ちゃ、ちゃ、という言葉もあった。そして、スライドでボリビアの空を見た。雲が人間のオシリくらいにすぐ映っている。土地が高いから雲が低いのだ。夕日が半分赤くて、上の方がまだ昼のように明るい。いろんな種類の雲が上にも下にも重なって、すきまから差し込む光が、また、雲の穴を通って湖をてらす。超きれいだ！チチカカ湖だそうだ。でも、ここはもうとっても高い場所で、ボリビアさんは頭痛がしたんだって。アンデス地方の人形をもらった。伝統的な服装をするチョリータという女の人の粘土人形だ。黒い髪を三つ編みにしてボワンとスカートをはいている。インディオという人たちだそうである。きれいな刺しゅうやショールが有名だそうだ。母喜ぶ。ボリビアさんは土地の人たちの世界の架け橋になりたいと話していた。わたしもボリビアの人と友達になってみたい。詩を訳してもらって、絵とコラボ！とか。フォルクローレ調の歌ができたりして。おおっ！国際国流である。たった一度会ったボリビアさんと、もうメル友の約束をした。ものすごく集中して楽しい時間だった。元気で暮らしてください。アディオス！

  2007.08.27

• ボリビア

  ボリビアという国にいく人の話を聞いた。父の古い友人のこと。ボリビアという国はもちろん初めて聞いた。どこにあるかも知らない。遠い国だ。南アメリカの、世界で一番高い首都がある国だそうだ。世界中を回った後、もうすぐボリビアに永住するそうである。いつも世界の話を聞くと思うことは、どんな国も同じ空でつながっているということだ。日本の、しかも限られた場所しか移動したことのない私も、長い間世界中を歩いたボリビアさんも、いつも同じ空の下だった。まったく違うわたしたちの人生だけど、そのときそのとき一生懸命生きてきたのだ。世の中にはいろんな人がいることを見聞きするけど、ホンモノの重みにふれた人はパワーがある。体験できるということは、ものすごく貴重なことだ。たぶんわたしは、体験というそのものに、もうすでにあこがれているのだ。いろんな国のいろんな人生を実際に見た人がいったいどんなことを考えてきたのか、知りたいなあ。わたしは身体はともかく、考えることは自由で、きっとそれは一緒なのだろう。でも、空でつながったどこかの国で、うんと貧しかったり、戦争をしていたり、悩んだりしている人に｢直接｣会って｢自分で｣体験したことをほんのちょっとでも聞いてみたい。どんなに状況が異なっていても、人間が今そこに生きている、ということはそんなに違わないのではないかなあ、と予想している。同じ空の空気を吸った人が身体を通ってまた吐き出す空気は、ちゃんとそこに｢ある｣現実なのだ。今度ボリビアさんがわたしに会いにきてくれることになった。超楽しみ。

  2007.08.24

• 

  紫があらわすもの

                                   弟が塗り絵をした。私がシャワーの間のことだ。なんと、全部紫一色で全部ぬりつぶした。紫って不安の色だというではないか。いつも待たされているからなのかなあ、とか、いろいろ考えてしまったよ。あさって弟は、外来の簡単な手術を控えている。簡単でも手術は手術だ。それが気になっているのか？とか。ぬっている姿がちょっと一心不乱すぎて、母も心配した。大丈夫？なんて言っているから、マジ心配になった。だけど、紫は赤の元気と青の沈静のバランスをとろうとする色でもあるという。私も、体調によっては、着たい服の色が変わるから、色とは不思議なパワーがあって、体が自然に選ぶのだ。なので、弟はなぜ紫だったか、とつい心配になったけど、紫をぬりまくってほっとするならいいのかも、だ。                                   あるがままに。いい、と思う色でいいことにする。で、今日の私は白である。なんか、すっきりと白紙の気分だ。あー、喧嘩した後だからだな。

  2007.08.21

• 哲学さん

  哲学が大好きな哲学さんが訪問してくれました。哲学が大好きなんていうとどんなにいつも難しいことを考えているのだろう？と思う人が多いでしょう。でも哲学というからそう思うだけで、実は、実におもしろいことなのだと私は思っているのです。ぐるぐる考えることは、なかなか面白い。体力も集中力もいるけど、疲れたら、また別のときに続きを考えればいいと思うし。だから、私もかなり好きな分野です。考えることを目的に考える、というのもいいんじゃない？と思うのだ。答えが出なくても、考えているうちに自分が本当はどう思っているかがだんだんわかったりするし。もう一人の自分と話をしてみるのもいいし。というわけで、今日は、ガイドも留守なので、まったりと考え事をしようと思う。テーマは芸術の続き。

  2007.07.31

• 墓参り

  おじさんおばさんが集まって、恩師の墓参りにいった。おばさん、とは母のことです。恩師はもうなくなって１０年経つという。初めてお参りするというのだ。そんなんでいいのか？と思う。恩師なのに。だけど、教え子がみんなで先生と同じくらいの年になってきて、みんなで行く、というのはいいなあと思った。たぶん、そういう年になったのだ。子どもの年齢とともに、自分が同じ頃にどんな気持でいたかを思い出しながら、また子育てをするというのがよくある。親になってみて、親の気持がわかるとか、その年や立場になってやっとわかることがあるのだ。お墓の前で、｢流れ星｣をうたってきたという。ちょっとだけ私も参加したわけで、なんか、とても嬉しい気持だ。そして、そこから、また何かをやらなければ、という気持になったというから、なかなかいいねえ。私もそうだし、みんなの子どもたちや、また友達とか、先生に関係ある人たちがどんどん集まって、また音楽をするのだ。先生の肉体はなくなっても、その教えが生徒の中に継承されていくのだ。たぶんそうやってずっとずっといろいろなことがつながってきている。わたしの詩はその音楽の川に落ちるしずくみたいなものだけど、ちゃんと参加しているところが嬉しい。また次へ、と進んでいきたくなる。川の流れはゆったりしているときも荒れるときもあるだろうが、前に行けばよいのだ。おじさん、おばさん、が父や母や社会人やいろんな立場を平らにしてただの、おじさんおばさんになっているところがいいなあ、と思っている。そんな気持に感心している間に、わたしもだんだんおばさんっぽくなりはしないか心配だ。ちょっとそれだけはまだ避けたい。

  2007.07.30

• 自分のために知る

  めでたく弟は自力で気持を切り替えることに成功。ただ、昨日は１時間もかかってしまった。最近にはちょっとめずらしく長引いた。家の中で大騒ぎの人がいるのに、知らんふりしながら、自分の仕事をするというのは、なかなか集中力がいるよ。聞こえているミミは音だけ聞いて、脳でそっちに自動思考が反応しないようにしながら、同時にこっちの仕事を考えるのだ。同時に、というところがミソだ。たぶん弟は同時に、が難しくて、時間の流れが一本道なんだろうね。分かれ道のことを考えながら今の仕事をできれば、そんなに泣かなくていいのだ。私はけっこう脳の中身を意識するようになった。感情の道もこのごろ別ルートになってきている。心を殺して行動する、とか、相手に合わせながら、全然違うことを考えていたりする。たくさん道ができてきたと思う。行き先が見えない道でも、続いている感じに安心できるようになったし。｢先の見えないことの不安｣が脅威だと、道があることに気がついているのに意識がいかない。周りの人たちは、みんなで道のことを確認させようとする。見ていても感じられなくてわからなかった。みんなと私の見え方の違いなんて、もっとわからないし。弟はさんざん泣いて、自分で復活してきた。やるじゃん！自分でも、この行動はヘンだなあ、とわかっていたそうである。わかりながら、ヘンな行動をしてしまうのだから、それに打ち勝つ自分を奮い立たせるのはけっこう大変だ。なんだか、私の嘔吐とそっくりである。障害の手ごわさである。打ち勝つ自分にカツをいれるきっかけは人によるだろう。脳の中で道がこんがらがっていると進むよりはもどりたくなる。あえて、立ち止まってしまうという手もある。自分ができないことを人のせいにするとけっこう楽だ。障害のせいにする手もある。そんなときライオン母は｢脳性まひみたいだ｣という。脳性まひなんだからあったりまえじゃん、とムカつく。たぶん、できることはしなさい、という意味なんだろうけど。障害を克服しなさいと言われるようで超ムカつく。弟はまだ前から呼んでもらわないと立ち上がれない。でも、呼んでもらえば立ち上がれるともいえる。最近は前からだけではなくて、隣の道からちょっと声をかけるだけでよいときも増えた。道の前をまず見ないと。だから、脳性まひみたいという｢みたい｣の中には、脳性まひのまんまでも、道の先を見よという意味があるのだろう。しかし、ひょっとすると、母は、これほど深く考えていない可能性もある。要注意である。弟はもう自分の障害に少し気がついているはずだ。いつ、本人に教えるかは、タイミングもことばも難しいだろう。でも、自分のことは自分でも本当のことを知りたいはずだ。私もそうだった。そろそろ弟にも理解できると私は密かに思っている。そして、道が絶対続いている安心感を教えたいよ。

  2007.07.26

• 施設実習の２

  実習２日目の弟。やけにはりきって、朝早くからカバンをしょって玄関前で立っている。楽しみに出かける準備オッケーなんだけど、楽しみすぎて、待ちきれないっていう感じである。へー！あんなにプレッシャーだったのに、よかった、よかった。一応わたしも、一日どうだったのかなあ、と心配していたのだ。だいたい、やればできる、って励まされるとすぐ自信回復する弟だ。それでも、先生とか、親とか、ヘルパーさんとかは全体的にやさしいですからねえ。もちろん施設のスタッフの人もやさしいだろうけど、なんたって仕事である。２時間も集中して、しかも、午後もあるっていうから、改めて仕事の厳しさを想像していたのだ。ひとりひとり体力もできることも違う。私は週に１回の福祉センターで、しかも午後はゆったりすごしているにもかかわらず、けっこう疲れる。毎日９時から４時半まで働く人たちはかなりすごいし、がんばっているに違いないよね。健康な大人は８時半から５時まで働くし、夜まで残業する人もいる。仕事の内容もきつさもストレスも様々で、おまけに競争しなくてはならなかったりして、なんとご苦労なことかと思う。また仕事論だけど、やりがいと好きなことと、賃金と、自分の生活と健康がぴったり条件をすべてベストにクリアできている人は本当は少ないのではないかと思う。私はたぶん、職業人としては一番短くて、一番少ない分量でしか働けないから社会参加することの意味や質から考えなければならない場所にいる。能力がある人が能力を生かして、社会に貢献していくのが仕事の意味でそこのところにやりがいを感じることができればけっこう充実感ももてるね。能力の定義から必要な場合もあるけど、ただ生きているだけでも生きているという能力があると認められる人にはいろんな可能性が生まれるのだ。弟は、カレーのたまねぎをむいたそうだ。家で自分が食べる調理の仕事とは違う。誰かがそのたまねぎカレーを食べるわけだ。食べた人のためになっている。仕事が色々な行程を通って必ずその先に誰かがいる。行程が見えないことは弟には抽象的でわかりにくいかもしれないが、その誰かが、「おいしい」と思ってくれることが実は仕事の意味なんだとちょっとわかるといいなあ、と思った。私はもっと感覚的だったり抽象的な感情や考えていることみたいに、すぐには目に見えにくいことを相手にしようとしている。たまねぎをむく作業ができなくても、詩や書を書くことで誰か知らない人が喜んでくれるとこがわかってとてもうれしい。仕事と社会参加と生きがいとかはばらばらに存在しているようで、実は、「自分」という価値のもとではまるごとひとつなんだとやっと知らされたような気持になった。そしたら、どんな人でも、どんなに条件が悪いとしても、「自分」の価値を誇れる仕事と思うかどうかは本人しだいなのだと思うようになった。弟はどんな仕事を選ぶのだろうか。というより、どんな仕事が弟を選んでくれるだろう。どんな仕事の中にも自分の価値を見つけられる、そんな人になるといいなあ、と応援するつもりなんだ。

  2007.07.05

• 施設実習

  昨日今日と、弟が施設実習にでかけている。中学３年だ。初めての成人施設だ。仕事にいく、という話をずっとまえから聞いていた弟は、ものすごく緊張して、持ち物や、時間や、誰と行くかとか、その間学校はどうなる、とか、いっぺんに様々な心配事を抱えていた。行き先が変わる、ということは、弟にとってはプレッシャーとみえる。しかもみんな大人と聞いたもんだから、何をするのか不安が不安を呼んで緊張のピークには全身じんましんを起こしたほどだ。思いだせば、私だって、初めて実習に行くときはおなじくらい心配で緊張したよ。ただ、私は医療行為が常時必要なので、先生も親も付き添ってくれたし、時間もたったの半日とか１日だった。実習というよりは見学という感じだったから、弟の緊張とは比較にならないかもね。見学と実習は全然違うと思うよ。結局私は、実習らしい実習はしないで福祉センターに進路を決めたわけで、弟みたいに、何をどのようにできる人かをお互いに体験するのはやっぱり心配ごとに包まれてしまうだろう。１日体験してきた弟は、すごく充実の顔だった。かなり疲れているはずなのに、日誌も書いて、さらに昼寝もしないで、別の作業を始めた。仕事モードである。やればできることを自分も少し自信にできたんならよかったことだ。おかげで、私はたくさん注意されてしまった！そんなオテンバだったら仕事はできないよ、とか、何回もいわれたらだめですよ、とか！自分の心をきりかえなさい、だって・・。それって、全部自分がいわれていることじゃないの。・・・・まあ、いつもならかなりムカつくけど、今日くらいはいいか。今日も最後の実習、がんばってきてくれー！

  2007.07.04

• 悩みと偏見

  あっというまに７７７７７は過ぎてしまったみたいですねえ～。残念。何でラッキーセブンって言うんでしょうね。なんでもそろうとうれしいんでしょうかねえ。それはさておき。母の友人がやってきた。おばさん二人はしゃべるしゃべるしゃべる。次から次へとよくまあ小さいときも幼稚園の先生としゃべりだすとなかなか終わらなくてあ～あ、と思っていましたが。あ～あ、面白かった。同じあ～あ、でもだいだいぶ意味が変わった。障害がある子どものお母さんどうしだと、子どもの話で実に盛り上がる。障害は違うけど子どもの障害を受け入れてその気持を乗り越えるまでには人それぞれにいろいろな思いがあるものだ。昨日のお母さんは悩みをお父さんととことん話して、すっと立ち直ったという。１年くらいだったという。１年が早いのか遅いのかわからない。障害の種類や重さによっても違うだろうし、どんな風に生活しているかによっても異なるでしょう。母の場合は私の姉が死産だったから、超小さかった未熟児のわたしの脳の写真を見て、これならなんかあっても不思議はない、なんてことを言っていた。まったく。人の脳なのに。生きているだけ、まし、だったってことか。生まれる前から障害がある場合や、お産が障害の原因になる場合や、あとから障害がわかってくる場合や、元気だったけど事故で障害がのこる場合や、もう数えたら原因はものすごくたくさんある。でも、どの原因にしても、子どもの人格を尊重できるかどうかはあんまり病気には関係ないことなのではないだろうか。すると、原因なんてあんまり関係ないってことにもなるんですけど。健康な子なら好きになって、障害がある子は好きになれない、というのはその子どもをとりまく人たちの価値観にすでに左右される。とりまく人たちがどのように考えて、育ってきたかによって１８０度違うことになるだろう。すると、そのとりまく人たちを育てた親がどんな価値観で生きているかがこれまた影響しますね。その価値観の中に、障害者はきらい、という個別のものがあるかどうかよりも前に、人間の人格をどのように認めるかという、大きな価値があるわけで、そこが愛情や自信に満ちていれば、別に病気や障害なんて小さいことになるのではないかと想像するわけ。もうとっくに死んでしまった親の親の親の親なんて、どういう歴史だったかわからないし、その時代のこともわからないけれど、時代の常識とかみんなの普通の考え方はどうでも、目の前の子どもの人格を認めるかどうかは親になる人の責任なんじゃないの？と思う。二人の親はかなり価値が似ていて盛り上がっていたけど、障害も病気も程度も生活も違う。でも、なんかみている方向が似ているような感想をもちながら聞いていた。おなじ病気の家族でもまったく違う価値観の人たちも知っている。私自身、ゆるりと、障害別に家族のまとまりや価値観ができていくことを思っていた。同じ障害だと共感する部分は多くてもそれだけでもない。だから肢体不自由と知的障害は違う、なんて簡単にいってはいけないなあ、と反省したよ。それって、みんなが理解してくれないと悩んだふりして、偏見をもっているのは自分ってことになりますよねえ・・・。 

  2007.06.22

• 成長の階段

  コンサートで受付をした弟がものすんごく自信をつけた。はりきっているし、なかなかよい。いっつも私ばっかりつい注目されていたから、弟にも出番を作ってあげられてよかった。家族の一人としてすごく協力してくれたし、コンサートの看板は弟の書だ。郵便をたくさん投函してくれたのも弟だし、荷物運びや力仕事もたくさん頼んだ。放送や新聞に自分も登場してうれしかったみたい。自信をつけて成長の階段を一歩上った感じだ。・・・・やりすぎ注意！これだけが心配だけどね。頼りになってきた弟である。

  2007.06.17

• おとしまえ

  運動会の代休の一日。朝から弟がなにやら青くなっている。学校からかりてきたものが見当たらないのだ。当然よく探しなさいとか、片付けないから、とかしかられている。・・・・と、普段はそのうちひょこっと見つかって終わるのだが、昨日はどこを探してもない！あ～あ。せっかくの休みが・・・・・。すると弟はなんと、「誰かが捨てた」と言った！人のせいにしたのである。初めての抵抗か！→母噴火！迫力満点でしかられた。そりゃー、しょうがいないか。弟はなるほど、成長したなあ、と感心したけど、やっぱり人にせいはよくない。自分が悪いとことから逃げてはいけない。ちゃんと自分でゴメンナサイがいえないとね。自分がしたことには自分で落とし前をつけなさい、というわけである。自分の行動に責任を持たせようと母はがんばっているけど、責任とは？というのがなかなか難しいテーマである。それで、落とし前だって！自分で決着をつけなさい、という意味だろうけど、なんか恐ろしげだ。ひゃー。自分で先生に言うのがイヤで泣き出した弟は、お母さんが代わりにあやまってあげるのはチビッコだけだ、と聞いてちょっと解ったかも。そして、二度目はない、とも言われていた。人に迷惑をかけるという実感は相手の気持がわからないと理解できないだろう。みんなの大切なものを見失って具体的に焦ったわけだ。自分のものをなくするのとはわけが違う。何とか明日学校でちゃんと言える、と励まされて、一件落着。・・・・かのように見えたら、なんと、父が黙って違うところにしまっていたのだ！今日のエネルギーはいったいなんだったのだ～、と母。でも、まあ、弟はものすんごくほっとして喜んだし、人のせいにしない決着という大切なことを学んだし、よかったんじゃないの、と私は思う。だけどさ、「誰かが捨てた」っていうの、けっこう本当だったわけだ。誤解とは恐ろしいものである。 

  2007.06.05

• さんざしの花

  サンザシのピンクの花が咲いた！卒業記念植樹の花だ。初花である。うっひょー！うれしい。植物が一斉に花を咲かせるこの季節がすごく好きになった。エネルギーバクハツって感じだ。私自身がその勢いにのっていけそうな実感がある。以前は自分のエネルギーが底辺すれすれな感じで、外の勢いにとってもついていけなかった。自然のパワーがすごいことはよくわかっていても、それを受け入れるだけの準備が必要なのだね。身体も心も。夏の勢いにはちょっとまだまだだけど、春の力には手を差し伸べてみたい感じがする。若葉の柔らかさとか、ときどき冷たい風が混ざる温かい空気のやさしさがちょうどいいのかもしれない。サンザシはまだ小さい木だけど、それといっしょに私もぐんぐんパワフルになっていけたらいいなあ、と思う。ちなみに、あんまり元気になると手に負えない、と母はいう。

  2007.05.25

• 見えないいのちの仕事

  とってもうれしいことがあった。１０年以上も前に、たった一度だけ会った人が、たずねてきてくれたのです。１０年以上私のことを忘れないでいてくれて、そして、こんなに時間がたったのにまた会うことができた。私もなんとなく覚えていたたった一度の出来事が、こうしてまためぐり合えるという不思議に感動する。ずっとお互いに忘れない時間は１０年をいっぺんにひとっとびする。だから、久しぶりの感じがしない。でも、当時の話はもちろん昔のことだ。思い出話は物理的に時間をさかのぼったものだ。記憶や、思いや、精神的なものは、時間や身体を(確実にお互い育って歳もとっているから)ものともしないのだと、また不思議になる。肉体は時間である。時間は距離も老いも空間もある。一方で精神的な世界にはあんまりそんなものが関係なく存在していて、瞬間的に心が通じたりする。いのちは時間だ。時間がくれば必ず誰でも死を迎える。でも、もうひとつ、時間と関係ないいのちがちゃんとあって、そっちはなくならない。思いは永遠にある。生きるということを、つい、目に見える時間の方で考えることが多いけれど、精神的ないのちを、こんな不思議な出来事のなかでぽっ、と実感するたび、いのちは長さや中身や、運や、困難の量の違いがそれぞれあったとしても、だれでも見えないほうのいのちは等しく生きるチャンスを与えられているのだと思う。おまけ・・・・おみやげに葵の花をいただいた。私の双子の姉が葵という名前だということを知っていたのかとびっくりした。偶然だったけど、これもぽっ、と感じるみえないいのちの仕事かな、と思った。そうなると、偶然とはいえないね。もう死んでしまって肉体のない葵が、なんか仕向けたような気がしてくる。

  2007.05.18

• 母の日

  もうすぐ母の日で、世の中母の日シリーズで盛り上がっている。母は自分の母にもうさっそく贈り物をして、ついでに私たち子どもに「もうすぐ母の日だからね！」とかなりしつこく何度もアピールしてきた。けっしてその先は言わない。しかし、いいたいことはミエミエである。普段苦労をかけているのでお返しを要求しているのである。ギブ＆テイクである。お互い様だから、まあ、何か弟と考えたい。だけど、母の通訳がないと弟とは相談できないわけで・・・悩む。ところで、いつも思うんだけど、母の日母の日と、世間が騒ぐほど、母について悲しい思い出がある人はいちいちつらいのではないだろうか、と思う。なんでもそうだけど、ひとつのことを大勢がひとつの方向だけでうれしがるとき、そうしたくてもできない人のことを考える。私自身が少数派の一人だからかな。だからといって、少数派のために、大勢の人が母の日を喜ばないようにする必要もない。でも、どんなことにも必ずちょっと悲しい思いをしている人がいることのことを思い出す。なぜか。あたりまえのようにおめでたかったり、うれしかったり、というムードが苦しい時がある。あたりまえ、というところに過敏になっているのかも。私があたりまえにできないことが多いからかな。そんなことをちょっと思い出して、でも、母の日をみんなと一緒に喜べることはうれしい。母に感謝したい気持はどんな人にもあるのだろうから、ありがとうといえるときにいえることはやっぱりうれしいことなのだと思う。で、まあ、若作りに貢献するものを考え中。社会貢献活動である。

  2007.05.11

• 新車椅子

  ラベンダー号が到着しました。うれしすぎ！早めにPTさんとリハビリしながらスタンバイしていたけど、やっぱり到着がうれしくって力が入ってしまった。うすむらさきのラベンダー号はもうイメージぴったり。すてき。かわいいー。新車はうれしいー。さらに家で座る座位保持椅子もできあがり。これで家族の食事にまざることができる。うれしいー。マクトスを積んで外出もできるし、とにかくみんなと立ってまっすぐ会えるのが超うれしい。７年ぶり。やっぱり目線が合うのは超うれしいー。そしてラベンダー色のワンピースを着て出かけるのだ。うひひ。考えただけでうれしくなって力が入る。とほほ。ぽっぽさんにきいた平常心を思い出すことにする。うう・・・やっぱりうれしすぎる。ジョキーン！

  2007.04.21

• オレンジまじりのビオラ

  まっしーにもらったバラが育ってきた。酸素やさんのまっしーは仕事場がかわってもうなかなか会えないだろう。でもオレンジのバラがさくたんびに思い出すでしょう。まっしーバラのとなりにオレンジまじりのビオラを植えた。一応周りから応援しているつもりである。花のことを考えたら少し元気が出てきた。

  2007.04.18

• 知らない人が知っている

  長崎の市長さんの事件はとてもお気の毒だしびっくりした。ショックだ。自分は知らなくてもみんなは自分を知っていることが大きくなるとこんな危険と隣りあわせだ。市長のように重要な仕事であるほど、危険から命を守ることもひとつの仕事になる。知らない人から身を守るということを考えるとき、なんか相手をどんどん信用しなくなるようで悲しくなる。でも、やっぱり知らない人と友達になることの楽しさや、誰かの役にたつことの価値の方がずっと大きいと思っているんだけど。現実は厳しい。

  2007.04.18

• 月曜の雨

  月曜の朝に雨だと仕事に行く人は大変だなあと思う。のさＰさんはちゃんと傘さしてるかな。なんて思う。家族が学校や仕事に出かけるとやっと静かに休めたりする。雨の音と栄養チューブのモーターの音に耳をすます。気持がやっと静まってきたらうんと休みたくなってきた。雨の音は静かで、聞こえないのに聞こえる。いろんなことを考えさせる。

  2007.04.16

• 中休み

  昨日の夜は家族一斉に中休みとなった。父は職場の歓迎会もないし、弟はお風呂に入る力もないし、母は倒れこみで８時消灯。こうなると私はやることがないから、頭の中で文章の構成を始める。明日のブログだったり、必要なお礼状だったり。病院の消灯時刻は８時でそのときは苦にならないが、家の時間に慣れてくると普段は居間の消灯が１０時過ぎだから「早っ！」と感じる８時である。みんなに同じように時間が流れている。でも内容は違う。春はみんなが忙しくてばったばったしている。私は相変わらずベッドにじっと寝ている。誰かの忙しさを少し分けてもらって助けられたらいいのに、と思う。でもできなくてじっとしているのはけっこうつらい。かわってあげられないというのはつらいもんだ。介護する人は病気の人とかわってあげられないつらさをよく言う。病人も同じである。けっこうお互いさまだ。お互いにかわってあげられないけれど、大変だねえ、と理解するだけで気が済むことも多い。私は実際の仕事はできないけど、なるべく正確に理解することをしていこうと思う。それが中休みにできることだ。

  2007.04.13

• 花・花・花

  ぱっとあったかくなって、庭の花が一斉に咲いた。ぱたぱたと母が写メールをとってきては見せてくれる。もちろんにおいつき。一番うれしいのは、卒業記念植樹のサンザシに小さい芽が出てきたことだ。たった一つの希望の花言葉が、じわじわ育ってきている。って、まだスタートのスの字もまだくらいなんだけど、うれしいねえ。弟はよほど学校でがんばっているらしく家では思考停止状態である。よく地雷をふんでいる。母は戦闘を避けて草取りを始める。気持を整理するらしい。子育ては本当に大変な仕事だ。そんなとき私は静かにしている。なるべく仕事を増やさないようにして一応協力しているつもりである。大変なときも花をみるとなぐさめられる。花ってえらい！

  2007.04.12

• スタートの日

  弟の学校が始まった。弟の、と書くのもなんか新鮮だ。何しろ私は学校がないのだ。それでも家族に学生がいると、新学期が始まると同時になんだか生活も始まる感じがする。母は早く学校が始まってくれ～とぼやいていたので、喜んでいる。お母さんヘルパーさんもそうだそうだ！とうなずく。新しい先生が誰かという最大の関心事を受け止めていよいよ始まる。弟は春休み中新しい先生が誰になるかと楽しみにしていた。思い通りだったらしくて涙ぐんで喜んでいたよ。一年がんばれそうだ。私は看護や生活の面では今までとかわらないけれど、今までは一週間ごとに考えた予定を１ヶ月予定で組み立てるようになった。待っていれば訪問してくれる授業がなくなってみると、自分で予定を立てる時間が増えたわけだ。楽しいし大変でもある。で、私はさっそく東京から来たお客さんといろんな話をした。今年の目標としてはいろんな人に会っていろんな話を聞きたいと思っている。

  2007.04.10

• ラベンダー号

  新車車椅子の仮りあわせをした。上品で活動的な例のラベンダー号ですよ。うっふっふ！私の曲がりくねった側湾をいったいどうするのかと案じておりましたがさすがプロの仕事です。すばらしい。芸術です。身体にそった形の椅子にすっぽりおさまると、ほーんと楽。体重で腰が痛くなったのがうそのようです。社長さんとと弟子さんの仕事ぶりは経験と技術に支えられている。スポンジをくるんと立体にカットして形をなおしていく。聞くと彫刻の仕事の人が一番初めに作り出した仕事の分野だというではないか。納得！私たちにとって椅子はものすごく大切なものだ。椅子のおかげで生活が変わる。２週間したら仕上げをして我が家にとどくよ。仕事をしたり、庭を見たり、外出したり、何しようかと考えると超わくわくする－。椅子の形をなおすのはなんか料理みたいでもある。工房の人たちは料理もうまいにちがいない。仕事の根っこには芸術の河が流れているのだ。そしてみんなつながっているのだと思う。

  2007.04.07

• キリンのリッキー

  動物園のキリンのリッキーが亡くなった。足の病気だったという。大きな身体を支えるのに足にかかる力はすごかっただろう。私も立つ練習をしていた頃、細い足に体重がかかると泣くほど痛かった。なんか思い出しちゃった。リッキーが亡くなったことを弟はすごく気にしている。なにしろ、昨日動物園に行ったのにきりんを見られなかったからだ。お葬式はするのか、お坊さんはくるのか、動物園のおじさんはお掃除するのか、次々に質問である。そういえば動物園の動物が亡くなったらどんな風に送るのだろう。小さい動物なら人間のように火葬にするのだろうか。きりんだったら本当にどうするんだろう？誰かしってる人いる？リッキーは生まれた次の年に動物園にきたそうだ。ずっとここの空を見ていた。人間よりずっと高いところからゆうゆうと空を見ていた。何を考えていたのだろう。みんなの人気者で楽しかっただろうか。病気になったらすぐ治療してもらえるのは幸せだったのだろう。人間にも色々な環境でいろいろな生き方があるように動物も自分に用意された時間といのちを大切にできたらいいと思う。

  2007.04.06

• フランスの味

  センプローニョさんが家族みんなでフランスをもってきてくれました。ホワイトデイのチョコレートです。なんとフランスで修行したシェフ特製のチョコレートクリームである！介護食の中でも一番とろとろの固さで、ちゃんと私にも食べられるように作ってくれたというから感激でしょ。しかも家族みんなで味わえるようにというコンセプトなんだって。ステキだ。さっそく食す。トロリのチョコレートはほどよい固さで下の上をすべる。味わう余裕のある速度だ。ふんわりと香る空気はコクがあってまろやか、なんかお酒が入っているか？いいかおりがプーンとする。甘ったるくないけど、ちょっと苦くて大人の味。チョコケーキのクリームみたいにべたべたしないのがいい。ベッドに寝ながらでも十分食べられました。私のために、私が食べられるように、プロの味を届けてくれたことに感激したよ。味もいいけど気持を食べるのがうれしくて力になるような感じがするのだ。蔵王のシェフありがとう！(アトリエデリス/シェフ佐々木の蔵王食工房)ちなみに、父と弟が半分ずつというのに争っていた。おいしいものはおいしいのだ。大人も子どもも食べたい気持はおんなじだね。 フランスのまだ見ぬ風と交じり合う蔵王の風が甘くとけゆく

  2007.03.18

• ころころネット

  私たちの生活は色んな人に支えられている。もはや支えられないと生活できない感じです。いろんな人といっても、これまたいろんな人がいて、仕事でかかわる人からボランティアとか友達とか、ただ知っているとか、本当にいろいろな人がいます。で、その中でもボランティアという人たちはものすごく大切で、私はみんなと会うのが大好きです。みんな得意なことがいろいろあるし、その部分を聞いたりいっしょにやってみるのはすごく楽しい。問題は、その人たちと、どうやって出会うかってこと、だな。大抵はイベントがあって、そのイベントに参加することで出会いがある。それはそのとき、かかわって、また別れていくことが多い。ところが、その出会いが実は密かにつながっていて、時間がたって後からまた出会うこともある。そんなときはトリハダものでうれしいし、なおさら人と人の願いの不思議を感じたりするんだよねえ。今日はお知らせです。宮城県社会福祉協議会の中に、いろんなボランティアを紹介するところがあるんだけど、それをネットでも立ち上げたわけ。そのネット名を私が考えて応募したら採用になったのだ！「心と心をつなぐころころネット」かわいいでしょ。一応女子高校生らしく考えてみました。心と心が一緒になるところころ転がって大きくなるし、いろんな人を巻き込んでみんなでうれしくなっていく、そんな感じ出てるかな？私がボランティアに感じていることはそういうことなの。誰でも利用できて、誰かと誰かが出会って、ころころ幸せになるっていいと思わない？ばんばん利用してください。(頼まれてないんだけど、一応宣伝係)うんとかわいいマークもできましたよ。よろしくね！http://www.miyagi-sfk.net/   宮城県社会福祉協議会  

  2007.03.10

• お雛様

  今年も早々弟がお雛様を飾った。おばあちゃんが母に作ってくれたお雛様だ。今年で40回目くらいになる。お雛様を飾るときすごくうれしい。何しろすんごくきれいだし、華やかになる。女の子が幸せになるお祭りなんだからそりゃあ力が入る。女の子といったら、世の中の女の人は全員女の子だったのだから子どもだけでなくて、みんなお祝いするのがよいね。なので子どもが男の子ばっかりでも、お母さんは自分のためにお雛様をかざりましょう。一人暮らしのおばあちゃんもかざりましょう。ちっちゃくても折り紙でも何でもいいからお祝いしましょう。女に生まれたことは、なーんかうれしい。うちのお雛様は、今年ちょっと怪我をした。毎年ガラガラ出たり入ったりしているのだから無理もない。で、接着剤をつけて包帯をまいて手術した。めでたく退院して職場復帰したのである。隣のお内裏さまはちょっと心配そうに並んでいる。40年も一緒だからね。社会人になったらおばあちゃんにお雛様をプレゼントしようかな。

  2007.02.18

• 節分

  節分というと毎年豆まきをする。うちでもずっとやっている。弟がいるおかげ、っていうか、素直にはりきっているから今年も今夜だ。心のオニを退治するとはいっても、私はずっと「病気鬼」だったわけで、なかなか追い出せない。追い出すというより最近はもう一緒に付き合う相手だから、パートナーみたいなものだ。病気が安定していると、そんなに悪いことも考えない。別の心のオニはいないかなあ？？？あんまり思いあたらない。自分の欠点とかなおしたいところはちょとはあるけど、まあ、それも裏を返せばいい面でもある。弟に「オテンバ鬼」をいわれた。ふん。オテンバなくらい元気なんだからいいのだ。ひとつの今の状況も、いいと思って見るといいし、ダメと思って見ると欠点だ。欠点をそれでいいのだ！と開きなおるのはよくないけど、それをいい面で出していけるようになりたいものだな。なので今夜の豆まきは「福はうちー」専門でやろうと思う。ちょっとずうずうしいけど、これでいいのだ。

  2007.02.03

• カニ婚式

  二月二日は両親が初めて会った日だということを聞いた。初耳！それからいったい、何年になるのか数えていた。結婚式も二月だというので今年は何婚になるのかとさらに考えている。そしたらなんと２０年目だというではないか。ほおー。２０年もよく持ったものだ。私も１８歳になったから、１８年も介護をがんばってきたというわけか。うーん。２０年は長いな。結婚記念日は毎年いろんなお祝いのやりかたがあるらしい。紙とか、木とか、石とか。で、２０年はいったいナンだ？と思ったら磁器だという。食い気の父はそれより何か食べたいと言う。で、カニである。どうも年末からカニにこだわる父である。年越しの時はほかのご馳走を食べ過ぎて、最後にカニまで食べられなかった。北海道のあきちゃんからCDと交換でもらったカニだって味わったはずなのだ。なので、どうやら今年はカニ婚式ということになりそうだ。２０年だからカニのはさみで２０ってことでちょうどいい。私たちはしっかり留守番をしてあげるから腹いっぱい食べてくればいい。１５年以上は５年ごと祝うらしい。次は２５年でなんと有名な銀婚式だ。子どもがいる場合はこどもたちがお祝いしてあげるらしい。ということで、よろしく！とアピールする母である。５年たったら私も２３歳で弟も１９歳だ。まかしといてくれ！コツは小さいときから毎年結婚記念日を子どもに教えて刷り込むことらしい。みなさんもためしてみて。

  2007.02.02

• 自分が自分になるのは超苦しい道だ

  脳性まひの障害が重いけれど、わかっていることがたくさんあって、それをなんとか伝えようとしている中学生がやってきた。少しずつ字を書くことにチャレンジしているという２年生の女の子だ。私も中学１年のときに気管切開をして声のかわりに字を書く練習をした。それまではホントに手段がなくて、笑っても動いてもかろうじて｢イエス｣しかなかった。それが文字となって、なんでも自由になったのだ。この喜びは今でも思い出してもとり肌モノだ。ただし、話せるようになれることがわかってから、なれるまでの道のりが苦しくて長かった。麻痺の身体は本当に手ごわい。うまくコントロールできないのが脳性まひなんだから。自分の障害そのものに立ち向かうことそのものの深みにはまって、練習すればするほどできなくて超くるしい。おまけに中学２年生というと思春期の入り口で、なにもかもむかついた。とくに母親はいつもべったり近くにいるから、女どうしだし、ホントに苦しかった。まあ、私の話はいいんだけど、だから彼女も練習あるのみ。だけど、これから苦しいかもしれない。だけどすごくいいことは、すでに、もっと話したいと信じてくれる人が近くにいることだ。親以外にそういう人がいることはものすごく力になると思う。私は始めは親だけだったからなかなか客観性がなかった。１００枚カードがあっても１０１枚目のことを言いたいかもしれないと母が話していた。そう。ほとんどが１０１枚目なんだよ。だんだんそのことに慣れて、あきらめていく。あー、吐きたくなってきた。このトラウマは消えないのではないかと思うよ。がんばって字を書いてほしい。がんばっているのに悪いけど、これだけは、がんばった方がいい。自分が自分になれるかどうかの瀬戸際だよ。

  2007.01.29

• イカの教え

  置き引きという言葉を始めて知った。というのは、置き引きにあったからである。弟と母がスーパーに買い物に行った。レジを通って荷物を詰めて、一度店の外に出た。弟がイカのお刺身を忘れたことに気がついて戻る。もうない。ほんの１分の出来事だ。問い合わせてもお店には届いていなかった。荷物からはなれた方も悪い。でも持っていった誰かはもっと悪い。ここからが本番。弟にこのことの意味を教えなければならない。あっという間になくなった。そのことの意味だ。自分の財産を守るということの意味だ。うっかりしていると大切な財産を失うかもしれないのだ。知的障害がある人が、そうとわかったとたんに狙われることもある。世の中いい人ばかりではないのだ。なんていうか、人を信じて生きている弟みたいな人に、わざわざ、そんなことを教えなければならないというのが、はあ・・・・、悲しい感じだ。犯罪から身を守るのも個人の責任か。そうしたら、十分できない知的障害がある人たちのことは周りが守ってあげなければならないんだなあ。私だって自分のお年玉を貯金するのは人に頼まないとできない。よほど信用できる人しか頼めない。弟のできる範囲で自分を守ることは必要だ。今回は大切な勉強だったねえ、と言って話しているのが聞こえた。最後まで確認しなかった自分もドジだった、と母はあやまった。もうドジはしないといいね。イカのお刺身４００円。｢イカで勉強してイカったね～｣。イカの大切な教えであった。

  2007.01.21

• １８歳

  １８歳になった。もう児童ではなくなった。子どもと大人の違いとは？について考えている。大人に求められるのは責任。それについても考え中だ。大人の障害者として自覚をもって生活してください。と母に言われた。大人の自覚に、障害者の自覚がくっつくとけっこう複雑だ。支援をうけて生きていくのも、自分で考えるということだ。自分がやりたいことと、必要な支援を決めなくてはならない。というか、決めていいのだ。大変だけどおもしろくなってきた。ずーっと、大人になりたかった。だからめちゃめちゃうれしい！ちなみに姉さんは、今日が命日だ。命日件誕生日のイベントも計画中。もちろん私が代表あいさつだ。がんばる。

  2007.01.19

• 性格の遺伝

  親子は何かとよく似ている部分がある。顔とか体格とかは納得するんだけど、性格となるとどうなんだろう？予想としては、親から受け継いだものに経験したことが影響して性格が決まると思うんだけど、親からなにを受け継いでいるか？というとあやしいと思う。母はいいところは自分で悪いところは父、と都合のいいことを言っている。私は性格に関しては環境の影響の方が多いのではないかと思っている。小さいときの育てられ方なんかはやっぱり大きそうだ。とういうことは親の性格の影響をモロに受けるわけだ。子どもにしてみたら、あっちの親のほうがいいなあ、と思うこともある。選べないから。でも、しかしだ。やだなあ、と思う親だったら、自分が大人になったときそうしないようにすることもできる。悪い例として参考にできる。母の細かいところはマネしたくない。めんどくさい。兄弟が何人いるとか、何番目かとか、男か女かとかこれも影響している。社会が男と女に与える価値もあるし、期待も違う。時代も変われば中身も変わる。そういうのって面白いと思う。障害がある人に期待される社会的な環境もある。守られて、大切にされる社会もあれば、お荷物でやっかいものの場合もある。同じ人間だとモノを言うことも、そもそも同じ人間だと認められないと言えない。がんばってモノを言ってきた障害のある人たちはある意味「生意気」だったから言えたのかもしれない。それも、ものすごく生意気になれるエネルギーのある人たちだったのだ。本当は生意気でなくても必要なことを普通に言えるようになりたい。そのようになるには、障害があってもまあ、そんなもの、と思える性格とか、強さとかがいるのか？障害という環境が強くさせる部分はかなり大きい。だけど、もともと楽天的な性格の親の元で、楽天的に育てられれば、楽天的な障害児が生まれるだろう。そうするとやっぱり、性格の大元は遺伝かなあ？こんがらかってきた。

  2007.01.14

• 地球のステージ

  ドクトルKの「地球のステージ」に行った。ステージ４の初演だ。地球の色々な災害地域で医療活動をしながら子どもたちの支援をしている。その様子とそこから生まれた音楽のステージだ。昨日から全国的に天候が悪く、ちょっと心配したけれど、会場の前まで父に送迎してもらって、看護師さんも一緒に決行した。もちろん白のおしゃれはばっちりである。事務局の人は親切。お客さんの入場の前に車椅子をいれてくれた。ドクトルKも好きなところで聴いていいといってくれたそうだ。前の通路でステージがよく見えるいいところを見つけた。スライドもなかなかいい感じに見えた。もちろん歌と語りもばっちりである。ドクトルKが私を紹介してくれてちょっとびっくりした。お互いに見ているところは同じような気がするんだ。困難を乗り越えるとき、自分に自信を持つことが大切で、どんな状況でも人間は強いことを伝えるメッセージにすごく共感している。あまりにも困難だと思えるときに、自分がたった一人だと思うほど自分で自分に壁を作るし、どんどん孤独になる。そのとき、どんなに支援の手があっても壁がある自分には受け入れられない。でも、壁を破るきっかけが必ずあって、自分ひとりの力で無理でも、どこかに必ず応援している人がいることを知ると人は強い。世界は広い。日本は広い。ちょっと移動するのも大変な私には隣町だって遠い。でも、思いとか想像力は自由でつながっている。共感の力とか、つながることの意味とか、そんなことを思うと、今できることがちっこくてもがっかりすることはない。私はまさかガザ地区には実際には行けない。スライドを見て、話を聴いて、そこの誰かではなくて名前のある子どもの顔を見れば、今を生きているのは一緒だと思う。私の困難は病気と障害だけど、人間が強いことは同じように示すことができる。示さなくても自分の力を信じることはできる。ステージを見た人はみんな自分の中にある力を見つけたと思う。私は冬でもコンサートに行けちゃって、途中休憩したけれど、最後まで聞くことができたのが今回発見した「力」だ。いつかドクトルKと話してみたいとまた思った。 おまけ・・・今回冬の外出だったので、母は迷って一度断った。しかし、私の気持を聞いてなかったと後から確認してくれた。私自身も「やっぱり冬だし、しょうがないな」と一度は納得したけれど、聞きなおしてくれたからには「やっぱり行きたい」と思わず答えた！そのために体調を整えてじっと聴いているのをがんばったよ。しかし！喜びの方が大きくて、イナバウアーで車椅子のひじ当てを壊してしまった。また伝説を作ってしまった。とほほ。

  2007.01.08

• 鍋にキャベツ

  名古屋のおじさん夫婦がやってきて、家族大宴会となった。仕事はじめの父は速攻で帰ってきて、乾杯にめでたく間に合うし、九州博多おとりよせのとり鍋で盛り上がった。私ももちろん白の女優で参加。濃厚なスープも味見できて、縁起のよい初宴会だ。九州の鳥なべは、キャベツを入れる。白菜ではない。なんでだ？キャベツの産地？鳥の味を薄めないとか、キャベツの甘みとか、いろんな意見が出た。西のほうではカニが安いとか。何でだ？日本海のカニなら輸送が安いとか。そうか。なかなかおもしろい。モーツァルトのお酒が出てきた。日本酒である。実はすごくいいお酒らしいのに、あんまり日本酒は飲まない親は料理に使っていたのだ。しかも肉じゃが。モーツァルトの肉じゃがだと、芋が軽くはねそうだ。原料の米は半分まで精米して使ったというから高級だ。しかも、もしかしたら、稲を育てるときモーツァルトを聞かせたかもしれないんだって。音楽を聞かせると稲はよく育つらしい。というわけで、モーツァルトの曲を歌いながら飲む大人たちであった。いろんな食べ物、いろんな話、私もコンサートを報告して、弟は腹踊りも発表した。あーおもしろかった！

  2007.01.05

• みみをすます　

  思いっきりまったりのお正月だ。はっきりいって何にもしないことを貫いた。頭も身体もマジメに休ませた。一生懸命寝た。休もうと思って休むというのもなかなかよい。ヘルパーさんも看護師さんも学校の授業もお休み。朝から寝るまで予定を入れない。そろそろ飽きてきた？と親に聞かれても、まったり中と答えるわけ。始めのうちはどろどろ疲れが出て、昼寝をしたくても神経が起きている。弟が初売りに出かけてくれたおかげで静かだ。だんだん頭が休みモードに入っていく。ぐっすり半日寝た。頭がよく休んだら、身体も続いてやわらかくなった。肩甲骨が動くと腕がゆるゆるだ。ゆるゆるの気持ちよさをゆっくり味わった。別の人の身体みたいだ。だんだんヤルキが出てきた。今年はすでにいろいろ計画もあるし、体調の配分をしっかりやりたい。休みたいときに休むと決めたい。いつも自分の体調をよくしておくのは技である。身体を支配するのは心だが、心を守るのも身体なんだよね。身体も心も健康でいたい。まあ、そうでないときはそれなりに。ゆっくり充電するのも意志を持って、である。自分自身によーくみみをすまそう。さて、そろそろ書初めの言葉を考えようっと。

  2007.01.03

• 光のページェント

  髪の毛にかかわらず、被介護者の気持というのはついガマンすることが多いです。普通の人が他人に迷惑をかけない範囲で自分の好みを優先させるのはかなり自由でいられると思うけど、まあ、服装とか、髪型とかは、所属する社会のきまりにあわせることを要求されるね。社会の決まりという点では、髪が長くても短くても、その社会で一番優先される仕事がちゃんと行われていればある程度は許されることになるのかな。看護師さんも髪を染めたりしているけれど、仕事の時は束ねている。じゃあ、私の仕事はなんだ？というと、今のところは寝ることだったりして。介護を受けることも仕事のように感じるときもある。介護を受けることが最優先仕事だから髪が長いともめるのだ。すると、生きていくことを優先させるのはわかるけど、そのことの重さのためにおしゃれにこだわるなんて軽いことみたいになる。そんな軽いことにこだわるのはわがままになる。仕事の優先価値と、その基準の決め方は人によっても仕事によっても違う。それを察してあわせていくのもけっこうエネルギーを使う。介護をうけるとき、お互いが気持よく仕事ができるように協力する気持はある。もちろんプロ介護者は仕事でしてくれるのだから、ボラさんとか家族とか友達とかの介護とは内容も気持も違う。私はその辺は相手の立場によって異なる介護の中身に合わせて切り替えるのが｢介護をうける仕事｣だ。で、問題はその立場の違いのときに、お互いが対等になれるかどうかである。やっぱり上から見る人の時は飲み込むことが多いし、そうでない人のときは意見をいうことができる。それが話しあいになるかわがままになるかは実にお互いの関係しだいなんだよー。まじで、お世話をうけるものは立場が弱い。相手を怒らせるとやってもらえなくなる。そんなはらはらどきどきの毎日だった。でも、まあ、親と喧嘩できるようになったおかげでけっこうストレスは発散できるようになった。おまけに喧嘩の様子を｢書いてやる！｣ということもできるしね。ふっふっふっ。で、今回の件については、真ん中の意見におちつき、洗いやすく、束ねやすく、ちょっと女優にもなれる長さに量をへらすことになった。話し合えることはありがたい。病院でばっさり切られたときは立ち直れなくて泣いたもんだ。前置きが長くなったけど、今日のメインはお出かけである。光のページェントを見に行ったのだよ～ん。点灯にあわせてスタンバイしてババッと一斉に光るところをこの目で見た。初めて見た。のけぞって上からも見た。超きれいだった～。新しい色とりどりの木は視野の反対側で見えなくて残念。でも、ホンモノを自分の目で見ていろんなことを思い出しては喜んだ。寒い冬の夜に外出なんかができるようになったのだ。来年はもし元気だったら外を歩いてみようかな・・・。まあ、これはまだ思いつきです。

  2006.12.31

• たらばがに！

  なあんと、本当にアキちゃんさんからカニが届いた！ビックリして感動した。究極のCDが究極のカニになった。足１本が１曲分くらいか？価値を比べるのは難しいけど、カニの価値はかなりうれしい。私はカニエキスの出たスープを注入するよ。風邪ひかなさそうだ！ありがとううううう。おまけ・・・・CDをあげたみなさん、けして物々交換条件ではないですけど、感想を教えてね。聴く人それぞれでまた違う感想を聞くのがおもしろいです。ひつじは初めてできた曲で、けっこう人気あるのがうれしいです。

  2006.12.28

• よいお年を

  今年最後の通院日、主治医のちよこ先生にＣＤをプレゼントすることができました。いちばんはじめの「ひつじ」は入院中の病室で生まれた。それが少しずつ少しずつ形になって、たくさんのひとが関わって、とうとう「流れ星」にまでなった。音楽がひとつずつまとまるのは、元気になるまでの心の注射だった。今の自分が身体も気力も充実していて、しかもＣＤもできた。思い返すと感無量である。ロビーで診察を待っている間、懐かしい看護助手さんや久しぶりの友達に声をかけられた。すてきな詩なんだってね！とほめてもらった。看護助手さんには小学校卒業のとき、手作りコサージュを教えてもらったな。呼吸器をつけていたので着替えができなくて、身体にワンピースをかけて、コサージュもつけたなあ。ついこの前のことみたいだ。ＣＤは病棟のみんなで聞いてくれるそうだ。山ほどお世話になって、少しだけ恩返しができた。入院中の大晦日、付き添いの父に母が年越しそばを配達して、準夜勤の看護師さんにも差し入れたっけねえ。今年もまた大晦日がやってくる。年越しそばの思い出話を看護師さんとして、よいお年を！と別れた。今年初めて言った「よいお年を」。今年は本当によいお年であった。来年もよいお年でありたい。(ちょっと早すぎるけど、もう何週間もまとめモードのわたしなもんで、みんなもつきあってね。) おまけ・・・やっぱり家族は胃腸炎の風邪だった。現在進行中は弟だ。とうとう着替えがなくなって私のオムツをかしている。夜中に何度もトイレにいって、今日の校外学習も欠席だ。フライドチキンは流れ去った。ちょっとかわいそうだけど、案外本人は一日病人がうれしそうだ。わたしみたいに看病されるのも悪くないと楽しんでいる。まあ、そのうち飽きると思うけどね！

  2006.12.05

• 職人の仕事

  寒くなってきた。弟の部屋に二重窓をつけた。古い家の我が家は窓が少し動きにくいところがある。弟の部屋はとくにである。二枚の窓は超あったかい。静か。つまりよく眠れる。私のいる居間は、家の中で一番初めに環境を整えてもらった。ビップ待遇である。今年はやっと弟の番だ。自分の部屋がよくなるのはうれしいらしくて、スキップしている。工事の職人さんの仕事をずーーーーっと見ていた。手が冷たくなっても何時間もだ。微妙な幅をすごい技で仕上げたという話をきいて、すごいものだと感心している。職人さんになるのも大変だろうけれど、なってからが修行だと思う。習って覚えるものより、たくさん経験して身体が覚えるのが多いと思う。ひとつのことを続けていくのは大変なときもあるだろう。でも、プロはそうやってできるのだ。ピカピカの窓がきれいすぎて、洗濯物を干しに行った母はバコンと激突した。ドジだ。暖かくなってぐっすり眠った弟は寝坊した。おまけに布団をはいでなんか風邪気味。こっちもドジだ。職人の仕事が我が家のあちこちに影響を与えた。

  2006.11.17

• 積乱雲

  積乱雲が原因でたつまき事故が起こりましたね。ニュースで何度もセキランウンと言うから、なんか責任感じてしまった。というか、積乱雲が竜巻の原因になるってことを始めて知ったよ。確かに、ぐんぐんのびる、ぐんぐん育つ雲だからなあ。だけど、夏でなくてもできるときがあるというのも勉強になった。それにしても、事故にあった人たちは大変だった。自然の力はスゴイとまた思う。

  2006.11.08

• 親友っている？

  いじめの話で盛り上がっている最近だ。友達とか親友とかいないのかな。なんで一人でどんどん抱え込むのかなあとちょっと思う。だけど、誰にも思いが通じない気持は私もわかるから、だんだん自分がいてもいなくてもどっちでもいい、とマジで自分で思い込んでいく悪循環の恐怖もわかる。健康なみんなは友達をつくることもできる。友達がいても自殺してしまう人のことを聞くととても残念だ。みんなで助けようとよくいうけれど、それが本当にはできないから悩むわけだ。親やみんなに心配かけたくないから死んでしまうというのは正反対だ。やっぱり生きていた方がいい。越えられない苦しみはそんなにないと思う。わたしはすでにみんなに心配かけまくりで、世話もされまくりだ。それでも文句も言ったりして、けんかもできるようになって、けっこう開き直って生きているかも知れない。遠慮して自分はだめだと思ううちはどんどん自分が小さくなった。それを助けてくれたのは、自信を持たせてくれたまわりの人だったと思う。しかし、なんだかんだ言っても、最後は自分だ。どんな自分でもいいのだと思えるかどうかだ。家族はもちろんだけど、そうでない誰かがわたしには大きかった。学校に行けないから同年齢の友達はなかなかできなくて、いつも大人とばかり関わることに引け目も感じた。お世話される者はなかなか対等になれなかった。でも、ボラさんとなかよくなってだんだん信頼関係ができると、あんまりトシは関係なくなる。もう今ではボラでなくて友達、親友になったと思う。わたしは思っていても相手はどうかは未確認だ。でも、たぶん大切な友達どうしなことはかわりないと思う。みんな親友っていないのかな？親友は困ったときに助けないのかな？困ったことを相談しないのかな？自分自身の心の壁もあるかもしれない。信じきれない自信のなさだ。大人の人にも親友はいるだろうか？どんな人が親友といえるのだろうか？ちょっとブログにやってくるみなさんの経験を聞いてみたい。書き込み待ってるね。

  2006.11.07

• いつきの里だより

  愛媛県松山市にいつきの里があります。知人の紹介でお便りに原稿を書きました愛媛県って四国だ。すごく遠い。修学旅行の大阪より遠い。どんなところなんだろう？暖かいだろう。みかんで有名だ。愛媛に住んでいる障害がある人も今日は連休だ。生協で頼んだみかんがもうすぐ届く。愛媛の香りを運んでくることだろう。楽しみだ。よかったら「いつきの里だより１１月号」読んでね。↓http://www.hukuzumikai.com/fails/000020000700012.pdf

  2006.11.05

• 社長

  弟の部屋に窓をつけることになって、業者さんが計測にやってきた。古くてちょっと傾いている窓を作るのはうんと苦労しそうだ。社長と仕事の人がいろいろ打ち合わせながら考えていた。社長さんがすごく頼りにされてかっこよかった。世の中には山ほど仕事があって、山ほど会社があって、山ほど社長がいる。大きな会社の社長も小さな会社の社長も、社長である限り大きな責任があるにちがいない。社長は社員に助けられてみんなで一緒に仕事をするが、社員の命や生活も守っていく。その責任がホントに大きい。その大きさだけを見つめると、自分の小ささや限界にも気がついて、とてもじゃないけどそんな責任を負えなくなることもあるかもしれない。でも仲間との信頼関係があるからまた頑張れるだろう。仕事はみんなで協力してやるものだからね。責任には一人分の責任と、みんなで一緒に背負う責任とがある。一人の責任は良心だとか道徳心とか、自分の心の姿に支えられる。それが集まって集団の責任になったとして、一人一人の考え方がそれぞれだったら全体の責任を負う人はまとめる仕事もしなければならない。いやあ、なんと大変なことだろう。だけど、みんなで責任を分け合おうとすると、つい一人分が少なくなって、気持も軽くなってしまう。自分ひとりくらい、っていう気持は全体の責任の大きさがよく見えなければたいしたことなく感じるだろう。人は、見ていないものをすぐ忘れてしまう。気がつかないわけではなくても、日常に追われていると大切なことを忘れてしまうのだ。まあ、忘れようとわざと捨てる場合もあるけど。かといって、大切なことばっかり考えていても疲れる。ほどほどがいい。というわけで、社長だ。社長に本当の責任感がある会社はいい仕事をするのだろう。何が大切か価値を決めるのは難しい。それでもやりたい仕事を見つけてその仕事で得る喜びがあるから責任を果たしていけるのだろう。責任をちゃんとはたしている社会人ってカッコイイ。

  2006.11.04

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