琵琶湖
出張の行き先は琵琶湖。滋賀県。事務員は40年ぶりのことである。琵琶湖は日本で一番大きな湖だ。まるで海のようだ。地元の人は本当に「うみ」と読んでいるそうである。私が生まれたときに抱っこしてもらったおばさんたちや、親戚人たちも集合して私の作品誕生の秘話や事務員の苦労をたくさん報告し、御礼ができたようである。10年も前にお世話になったヘルパーさんとも再会した。私の詩を書にしたおみやげをいただいた。ものすごくうれしい!集合した人々の写真を見た。みんなちょっずつ血のつながりがあって、「一族」という人々の生命のあたたかさを感じた。私はそこから、またちょっと血のつながりをもって今いるのだ。書や、音楽や、短歌や、美しいものや、そういうものをみんなが好きで、方法は違うけど自分の時間をずっと送ってきて、子どもから大人まで命がとぎれることなく続いている。一つのいのちからどんどんわかれて、どこかがおしまいになっても、どこかはおわらない。流れの支流だけにいると源は見えないが、そこまでさかのぼると、みんな一緒なのだ。事務員は親になった頃、育児を決意することになった「逃避の旅」以来の、「人生折り返し」の旅になったようである。なくしたものも、うまれたものもある。人生の意味をかみ締めてほしいと思う。私と父と祖父母が留守番していたおかげである。感謝するように。私へのおみやげは、刻印だ。もう職人がいないので、作れないそうである。その中から私の字を見つけてきた。これを看板に押して仕上げることにしよう。成人のおみやげにしては渋いね。派遣(弟)も初めて飛行機に乗る、という大きな体験をした。相当ビビッたそうである。何事も練習と修行だ。いい旅だったようである。めでたし、めでたし。