天
「天」 1999 速水史朗作 仙台市葛岡墓地公園内天 墓地の入り口正面に彫刻をみつけた雲一つない秋晴れの日まるで天から降りるあなたが目印にしたくなるような かさかさ走る枯葉のとおる道のわきで天の中央の円が作る影を見つめてただ降り注ぐ太陽の光に包まれていた 円の中央からはるか太白山の頂上を結ぶ風が一瞬そよいだ きみと、あなたと、みえない手をつないだ さらさら話す木立の紅葉ももうじき山を離れる用意をしている 私ももう35歳になったよここが天への入り口ならなんだかとても安心するような気がした 秋晴れの日、墓参りに出かけたもう、何度も来ているのに「今頃?」というくらいのタイミングで素敵な彫刻を発見した山一帯が墓地になっている市の墓地公園は敷地もとても広く我が家の墓参りを終えて散策している間に見つけたスポットだ天 の彫刻は仙台市彫刻のあるまちづくり による作品だが街中にある名作あれこれに続きとても美しいたたずまいだった作品依頼を受けた作者はきっといろいろな願いや意味を込めて製作に当たることだろう周囲の眺望や自然の一部に人口のものを置くのだからそれはそれは腕がなる仕事である現にこうして25年もたってから存在を知り、ずっとそこにいてくれた時間や意味を今受け取る私のような人がいるのだから私にとっては「今」がタイミングだったのだろう穏やかな日にのんびり過ごした数時間はとってもいい命の洗濯になった体力の変化や世界のいろいろから少し離れていろいろあるけどまた毎日過ごしていこうと思った一歩前へ明日は続く天のむこうに太白山