二葉百合子さんの「岸壁の母」を聴き、一つの物事について突き詰めて考えるきっかけが出来ました。
興味・関心を示された方はあまりおりませんでしたが「ゆきゆきて神軍」という映画については、以前お話させて頂きました。その映画の劇中、出演される元兵士のお母さんが、二葉百合子さんという歌手の「岸壁の母」という歌をアカペラで歌われる場面があります。結構古い曲なので、知らない方が多いかと思われますが(昭和30年代以前に生まれた方はご存知なのではないでしょうか)、私は、昔から「21世紀に残したい曲」とか「懐かしのメロディ」といった類の番組をよく観ておりましたので、この曲自体は知っておりました。当時大ヒットした曲である、という事も。私が、曲の感じを思い出そうと、「♪は~あぁはぁ~は~ きましぃ~~た きょおぉも~きぃ~たぁ~」(母は来ました、今日も来た)と、会社のマダムに歌ってみせましたら「あなたは一体いくつなの?」と聞かれました。このような事を言われる事はしょっちゅうなので、もう慣れました。見た目は若いはずです。私が歌い終わった後、マダムに「私の方が上手いわ」と言われ、「じゃあ歌って下さい」と言い、実際に歌って頂きました。実際、とても上手かったです。負けました。マダムは、こんなに歌の上手い方だったんだ、と気付くきっかけとなりました。そしてまた、別のマダムに、同じように、「♪は~あぁはぁ~は~ きましぃ~~た きょおぉも~きぃ~たぁ~」と歌ってあげましたら、「…その曲は、ニューギニアに戦争に行ったわが子の帰りを まだかまだかと待つ母が、終戦後に、港に入る船を岸壁に立って見ながら、 息子が乗っているのは、この船か、この船かと、 帰りを待つ母親の心情を歌った歌なのだよ」と教えてくれました。その話を聞いて、泣きそうになりました。「私が、ただ何となくバカ面下げて歌っていたこの曲には、 こんな深いエピソードがあったのか…!!」と。今まで漫然とこの曲を聴いていた自分を、バカ面下げて歌っていた自分を、だいぶ恥ずかしく思いました。結論は、一つの事柄に付いて突き詰めていくと、こんな深いエピソードに出会えるのだ、という事です。突き詰めたといっても、二人のマダムの前で、バカ面下げて歌っただけですが。しかし、この「岸壁の母」の曲の中に込められた、悲しくも感動的なエピソードを知ると共に、マダムの歌の上手さに気づいた事は、私にとって大きな収穫と言えるでしょう。自分の歌の下手さを露呈してまでも、歌った甲斐がありました。これからも人の前で、恥ずかしげもなく歌を歌っていきたいと思います。私は、下手な癖に、歌を歌うのが大好きです。そんな私が最近口ずさんでしまう曲は、大塚愛さんの「さくらんぼ」です。【送料無料】特選・歌カラベスト3 岸壁の母/関東一本〆/雑草のうた [ 二葉百合子 ]駿河屋なら各種キャンペーンにエントリーするとポイント10倍以上!【中古】邦楽CD 大塚愛 / さくらんぼ -Encore Press-(限定盤)fs3gm【05P22Nov13】【画】