気概のない品格は造花に過ぎぬ
日本のメディアは、脅しとお金に弱い。すぐに原理、原則を捨てる。アメリカと日本とは軍事力が違うから無理もない。空気と闘えない事情もあろう(「空気」については館長ブログで)。 では、Bend your principle without breaking it. という柔軟路線も使えるはずなのに、それもできない。日本は「品格」だけではない、「気概」までも失ってしまったのだ。TIME(March 19, 2008)は、NYフィルを歓迎してくれた北朝鮮の諸悪をこのように暴く。It exports narcotics, has been accused of counterfeiting $100bills, hasn't come clean about the Japanese citizens it kidnapped――kidnapped!――over the decades, and still isn't living up to all the terms of last February's nuclear deal.(p26)誘拐(kidnap)という言葉を二回も使っている――しかも続けて。拉致(abduct)なんかではないといわんばかりだ。日本のメディアは、日本語で拉致、英語ではabductionという言葉を使い続けている。Abductionという言葉を使い続けることが品格なのか。私は、「気概のない品格は造花に過ぎぬ」(Personality without character in it is nothing but a plastic flower.)と言い続けている。出光豊会長(新出光会長・カタカナ英語追放運動第一人者)は、最初拉致という日本語を聞いた時ピンとこなかったと私に語られた。同じく、ジェンキンス氏も佐渡島で私に同じことを言われた。「Abductionという英語を聞いてピンとこなかった」と。 佐渡にて 佐渡の人々は人情深く、ちょっと関西に似ている。弘法大師の開基と伝えられる佐渡市長谷の長谷寺にて。