妻、婚約者、恋人、友達の違い・・
スペイン語でのESPOSA, NOVIA, ENAMORADA,AMIGAの使い分けと真意の理解ってホント難しい。もちろん同じスペイン語でも国によってぜんぜん感覚が違うのでどの国にも当てはまるとはいえないけど、あくまでもペルーで感じることについて書く。普通、スペイン語を習っているとき、友達=AMIGO, 恋人=NOVIOと覚えるのが普通。ペルーでは普通恋人というとENAMORADO(男性形)を使うかな。NOVIOがあるけど、novioには婚約者とか、新郎新婦の意味もあるとなる。夫(妻)はESPOSO(A)、夫という場合にmaridoを使うことはない、一方でうちの奥さんというときにはmi senora(ミ・セニョーラ)ということもある。ペルーではnovioといった場合、enamoradoよりも親密な関係、同棲相手をさしていることが多い。そう・・・理解をしてきた・・。でもいろいろな男女関係を見ていると理解が難しい!と感じることが出てきた。そこで辞書を調べてみると・・小学館西和中辞典にはもっと詳しく語義が書いてある。ESPOSO 1.配偶者、夫、妻、2、婚約者、夫[妻]となる人NOVIO 1.恋人、(特定の)男[女]友達、2、フィアンセ、婚約者、3、花婿、新郎、花嫁、新婦ENAMORADO 1.恋する人;恋人,《同》 novio,2,愛好者、熱中する人AMIGO, 1.友、友達、友人、仲間、味方、2、恋人、ボーイフレンド《口語》情夫、愛人AMIGOに愛人って言う意味があったのか!!ペルーでは結婚という感覚がすごく曖昧。日本のように籍を入れたから、夫婦になるんじゃなくって、籍は入っていないけど、esposo(妻)、esposa(夫)はよくある。内縁関係とも違う。そんな後ろ暗いものじゃない。世間一般でも関係は認められている。身分証明書には独身となっているけど、実は妻がいて子供がいて・・というのは結構ある。うやむやに同居を始めてうやむやに子供ができて・・籍を入れないまま子供は義務教育を終えて・・なんて普通に見られる。籍が入っていなくっても生まれた子供はちゃんと両親の姓をもらえるので問題ない(スペイン語圏では子供の姓は両親の姓をあわせたものとなる)。そんなだからシングルマザーはざら・・。金がなくって結婚できないとか、手続きが面倒だからとか、離婚の手続きが面倒だからとか・・、あとで金銭トラブルがあったときにお互い巻き込まれないようにするため、お互いの財産を守るために籍は入れないとか・・人によっていろんな理由があると思う。教会で結婚式をあげて、「夫婦」として世間的に認められていても籍は入っていない。長年同居して実質的に夫婦なんだけど、教会婚も法律上の結婚もしていない。うやむやなまま子供が成長して、子供をカトリック系の学校に入れるために慌てて教会婚をするカップルもいる。11年間日本に住んでいた友達。3人の娘のうち、2人は日本生まれ。Esposo,esposaといいあっていてフツーのそれもすっごくシアワセな家族。でもいきなり「documento(ドクメント=身分証明)上は独身だよ」と言われ、“S”=soltero(独身)と書かれている身分証明書を見せられたときには天と地がひっくり返ったような気がして、とっさにスペイン語が出てこなくなったことがある。いったい日本では外国人登録とか子供の小・中学校とかどうしていたんだろう??よく、「俺、独身でぇ~!」なんていっているけど、DNI(デー・エネ・イ=documento nacionalde identidad身分証明書)を見せられても信じちゃいけない。「うっそ!Documentoでは独身でも家族がいますってよくあるでしょ~」と私もよく返す。もし翻訳をする機会があったりなんかしたら、esposoやesposaを「連れ合い」とか、「同居人」とか訳す必要も出てくるんだろうか?(笑)。AMIGAという言葉も結構複雑。私がカホンを習っているムラートの男の子の叔父さんに「ずっと、君の事を気になっていたんだけど、甥っ子から”彼女は俺の amigaだから”って言われててね・・」といわれたことがある。このamigaは上記の辞書の語義のような“愛人”っていうわけじゃないからね。関係持ったことないし・・。この「彼女は俺のamigaだからね」というのは「(つきあってはいないけど、キープしている)俺の女だから手を出すなよ」という意味合いが含まれているのだろう。なんとも迷惑な話・・。そういえばキューバのサルサのイサック・デルガドの曲に♪Necesito una amiga que me quiera,・・・ Necesito una amiga que me ayude sin preguntar♪僕を好きになってくれるamiga が必要何も言わないで助けてくれるamiga が必要。っていうのがある。うざったい恋人以外にやさしく手助けしてくれるamigaが必要なのか?むちゃくちゃ都合のいい男の感情。恋人はいるけど、別にちょっと気になっている関係の女の子場合もあるかもしれない。もちろん同じペルー人でも異性関係や言語の感覚には個人差があるので、ある人がenamoradaとかnoviaとかいわれてもどこまで関係が進んでいるかという判断がしづらいことがある。同棲しているカップル。仕事、私生活面においてみんな二人の関係を認めているAとBのカップル。籍は入っていない。さてどう呼ぶか・・。私は恋人以上の婚約者という意味で「AとBはnoviosで・・」といったりするけど、、ある人は「AはBのesposa」と呼んでいた。コレって妻っていうこと?婚姻関係みとめちゃったの?同居中のカップルでも女のほうが「私は彼のesposa(妻)で・・」といっているのに男のほうは「彼女は俺のenamorada(恋人)」なんていっていたりする。このあたりになると、スペイン語がどうこうの問題を超えて男女関係のドロドロしたのが見え隠れしてきそうで、あんまり突っ込みたくないな、と思ったりする。逆にどこから略奪愛とか略奪結婚が成立するんだろう何てことも考えたりもして・・。世界遺産クスコの退屈な日常もよろしく!ブログランキングranQスペイン語世界のことばと文化ラテンアメリカのスペイン語・。