贅沢な旅・・・
ガイドの仕事をしているといろいろなお客様に出会う。ほんとうにペルーやインカの文化に興味を持ってくるひと。写真をとって、有名な観光地に行ってきましたという証拠だけがほしい人。格の高いホテルに泊まることが何より一番という人。ガイドにいろいろ議論をふっかけてくるときに柔軟な考えを持って、ペルーの文化、日本の文化、世界の文化に対して理解を深めていこうとする態度ならいいのだが、頭が固くて自分の考えのわくから抜けきれず、現状をペルーやラテンアメリカを侮蔑する人(こういう手合いは自分の考えを正されると怒り出す)。5つ星ホテルの宿泊しながらたった一ドルのポーターに対するチップでもなんでもケチろうとする人。まるでベルト・コンベアのオートメーションのように決められた日程をこなして旅行したという証だけが必要な人。←これが多数派。仕事をしながら観光ガイドなんていらないんじゃないか。私なんて必要ないんじゃないか・・なんて思うことがある。観光ガイドはいろいろなタイプの人のお相手をしなければならないのだが、どうやら私は人の好き嫌いが激しいようで、ホントは客商売には向かないのだと思うことがある。「みて、この値段。この9日間のツアーで金額この値段なのよ~。高いでしょ~!!贅沢でしょ~」はあそうですか・・。でもそんなのペルーの旅行ではフツーでしょ。お金持ちはそんなこと言いませんよ。←心の中でつぶやいた。その値段で私は1ヶ月メキシコとキューバを旅したっけ・・。ダンスやボンゴのレッスン代やライブのチケット、CDも含めてその値段。宿に関してはメキシコは10ドル以内ときめていたけど、それを越したこともあった。中米の治安を考えるとあまり安上がりにはできなかったのだ。キューバだって25ドルの政府公認下宿(Casa Paruticular)に泊まった。安全性をちゃんと考えてのもの・・。う~ん、一般の観光客の方に比べると超安上がりかもしれないけど、でも私の中では贅沢な旅だったな・・。いろいろ学ぶことが多かったし、いろいろな人と話ができた。共産主義(キューバではSocialismoではなくComunismoと呼んでいる)キューバには熱狂的な共産主義者がいる一方で革命当時からカストロ体制には不満を持っていた人々。外国に家族がいて外貨で送金を受けられ、家電製品など最新のものを得られる人々がいる一方で、外貨を手に入れられないで共産主義体制の中でしか生きられず、苦しい生活を強いられる人々。キューバ社会主義共和国の表・裏を観察できたのは貴重な体験だったし、ダンスのレッスンを受けられたことも今では私の財産になっている。ダンスや音楽を習ったときの先生。そういえばこんな体験もしたっけ。Casa de la musicaでのライブで日本でも人気のバンボレオに舞台に上げられた・・。パッケージツアーの決められたコースをはずれ、自分で旅を作って、ホテル、航空券、バスのチケットの手配を自分でするというのは自由度が増すが、自分にかかる負担・責任が大きくなる。夜行バスで早朝ある街についてそれから宿を見つける。中南米で生活してその現状をしっている私にとってそれが苦痛になることもあった。もし強盗にあったら・・、こタクシー運転手は信用できるのだろうか・・。メキシコを駆け足のバックパック旅行をしたとき、体力が続かなくってバクパッカー旅行をするのに年齢的に無理になってきたかなと感じ始めた。旅行代理店を通していいホテルを予約して泊まるということをそろそろ始めなくてはいけないな・・。私も優雅なたびをしたい・・。でも今思えば、あのメキシコ・キューバ、バックパック旅行で得るものが多かった。別にバンボレオと一緒に映ったからと言うわけではないけど、言葉では言い表せない、心と体が得たものは大きかったように思う。自分の興味と目的に従った旅。たぶんこれから旅行するときは代理店を通すこともでてくるかもしれないけど、興味と好奇心のアンテナを張り巡らし、何かを学び取り、現地の人々の話をきくという姿勢は決して崩さないようにしたい。そうして旅行をホテルやレストランの格では計れない贅沢なものにしていくようにしたい。。別ブログ“世界遺産クスコの退屈な日常” もよろしく!ブログランキングranQにほんブログ村 旅行ブログ