ペルーの混血性(チョロ性)・・
ペルーやボリビアでよく使われる言葉、チョロ(Cholo)。アンデスの先住民と白人の混血をさす。日本ではよく誤解されていて、“先住民系”と紹介されているケースが多いが、実勢には混血である。スペイン王立アカデミーのDiccionario de la lengua Espanolaによると Am.1.Mestizo de Sangre europea e indigena. ラ米1.ヨーロッパと先住民の混血。2.Dicho de un indio : que adopta los usos occidentals.(インディオの言い回し。西洋の様式を取り入れること)(訳がおかしいと思われる方訂正お願いします)“チョロ“の愛称(蔑称?)で呼ばれた(呼ばせた?)ペルーの前大統領、アレハンドロ・トレド・マンリケ。彼は日本では先住民系とよく紹介されているが、チョロの名が示すように、混血。彼の苗字はスペイン系。彼が就任時にインカ帝国のパチャクテク皇帝にあやかろうとしていたとき、私は逆に彼の姓から1569年にペルー副王に着任して、ビルカバンバにいた最後の皇帝トパク・アマルを捕らえて処刑した上、植民地支配の基礎を築いた、フランシスコ・デ・トレドを想像してしまった・・。チョロ・・。現実には血は混じっているけど、肉体的特徴の他、文化的な背景にアンデスの山岳文化の影響が強い・・と私個人はイメージしている。ときによっては山出身の田舎者に対する蔑称としても使われる。逆に愛称として使われることもある。教育を受けた先住民をcholoというなんていう意見もある。アンデス的な文化や民族性を強調している人をさすこともある。前大統領のトレドはチョロと自分を呼ばせていたけど、スタンフォードで博士号をとって、ベルギー人を妻に持っているし、アメリカナイズされているし、その振る舞いからするときっとチョロという自覚はないんだろうな・・(でもペルーのハイクラスの白人から見るとチョロらしい)。現実にはペルーでは人種わけで誰が先住民で・・混血で・・なんて厳密には分けにくい。CIAのWorld Factbookによるとアメリカ先住民 45%, メスティーソ (アメリカ先住民と白人の混血)37%, 白人 15%, 黒人・日本人・中国人・その他 3% 別にDNA検査をしたわけじゃなくって民族わけは自己申告らしい。チョロの定義も実際には王立アカデミーの辞書がいうほど単純ではない。私もこの言葉を100パーセント理解しているわけではないし、たぶんペルー人の中にもこの言葉の使用に関して混乱があるはず。1570年代、フランスシスコ・トレドの到来とともにペルーの歴史の分断が始まり、歴史認識の混乱が始まっていく。マジョリティの先住民とチョロをマイノリティの白人が支配する中になっていったのだ。つづく・・Diccionario de la lengua espanola. Formato popularペルー理解におススメの本。でもチョロの定義に納得いかないところあり