「カサ・デ・エスペランサ」に心からの感謝を込めて
「それは いつも 当たり前のように存在しそして、これからもそうであると思っていた・・・」「人」や「場」等に限らず、どこかでそう思い込んでしまっている事はいくつもあるのではなかろうか・・・先日、都内老舗タブラオ(フラメンコの店)である「カサ・デ・エスペランサ」が49年の幕を閉じたとの報を耳にした僕が、フラメンコを始めた時からそこにあり毎度とは言えないが、幾度もそこに足を運びいつの頃からか「そこに自分も立つという」ひとつの標となる場でもあった。時が流れ それは現実となり初めて そのステージに上がり いつもとは違う角度から向きあったその場は「一見優しく映ったが 鋭利なもの」あった。何より 今まで出演してきたであろうアルティスタ(アーティスト)達の「音」や「想念」みたいなものが、何かしら特別な重み、大切なものとなって,その場に染み付いているかのような感覚を覚えた、そして、それは 何かしら邪な誤魔化しを許すべきではない「神聖」な何かを想起させるものでもあった気さえもしたそういう「場」は決して容易には生まれないまた 短時間で育まれるものでもなければ、個人的な欲求のみで継続されるものでもない。今更ながら 深く考えさせられる、先日、他界された店主は どのような想いを持ってこの場と共に生きてきたのであろうか・・・今後、この場が どのような形になっていくのかは全く知らされていない、まずは、心からの感謝の念を込めたいありがとうございました、そしてお疲れ様でした渕崎昭彦