既約ピタゴラス数
3^2+4^2=5^2,5^2+12^2=13^2,8^2+15^2=17^2,28^2+45^2=53^2等、a^2+b^2=c^2で表せる数をピタゴラス数と呼ぶそうだ。あるピタゴラス数(a,b,c)にある整数dを乗ずると、(da)^2+(db)^2=d^2(a^2+b^2)=d^2c^2=(dc)^2になるのでピタゴラス数は無限に存在する。なので、勢い話は共通因数を持たない既約ピタゴラス数に移る。そこで、既約ピタゴラス数をリストアップするとまず、(3,4,5) (5,12,13) (8,15,17) (7,24,25) (20,21,29) (9,40,41) (12,35,37) (11,60,61) (28,45,53) (33,56,65) (16,63,65)が挙げられる。ここで、a,bの内一方は偶数でもう一方は奇数であり、cはいつでも奇数である。もし、a,b共に偶数であればcも偶数なのでアウト。両方奇数ならcは偶数になり、a=2x+1,b=2y+1,c=2zと表せる。それを、a^2+b^2=c^2に代入すると(2x+1)^2+(2y+1)^2=(2z)^2, 4x^2+4x+4y^2+4y+2=4z^2となる。これを2で割れば、2x^2+2x+2y^2+2y+1=2z^2となり、奇数と偶数が等しいことになり、これもアウト。だから、a,bは一方が奇数でも一方は偶数でなければならない。そこで、aを奇数、bを偶数、a,b,cは共通因数を持たないとして話を進める。まず、既約ピタゴラス数は、a^2=c^2-b^2=(c-b)(c+b)と分解出来る。いくつか数字を代入すると3^2=5^2-4^2=(5-4)(5+4)=1・915^2=17^2-8^2=(17-8)(17+8)=9・2535^2=37^2-12^2=(37-12)(37+12)=25・4933^2=65^2-56^2=(65-56)(65+56)=9・121,となる。ここから、c-bおよびc+bは平方数であることが推測出来る。それを証明する為、c-bとc+bに共通因数があると仮定する。dを共通因数とするなら、(c+b)+(c-b)=2c,(c+b)-(c-b)=2bを割る。しかし、a,b,cを既約ピタゴラス数としたので、bとcは共通因数を持たない。なので、dは1または2になる。しかし、dが(c-b)(c+b)=a^2を割り、aは奇数なので、dは1である。すなわち、c-bとc+bの両方を割り切る数は1だけである。だから、c-bとc+bは共通因数を持たない。そして、これらの積は(c-b)(c+b)=a^2なので平方数になる。元々、bもcも共通因数を持たないので、c-bおよびc+bも平方数でなければならない。だから、c+b=s^2,c-b=t^2と表せる。これらを、a,b,cについて解くとa=√(c-b)(c+b)=st,b=(s^2-t^2)/2,c=(s^2+t^2)/2となる。(s>t≧1、s,t:奇数)これが既約ピタゴラス数を作り出す公式だ。