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音楽仲間の死

音楽仲間が死んだ。中学から知っているのでかれこれ半世紀以上経つ。知り合った頃私はマンガを描いていた。向こうはベンチャーズを完コピしていたので驚いたことを覚えている。２０歳の時自信作が採用されず私も楽器に転向した。２５歳でバンドに入れて貰った。そこへ彼も誘い結構長く一緒にやった。だが、バンマスと気が合わなくなり私だけ抜けた。その後、かなり経ってから年賀状に「ＰＣで曲を作っている」と書いてあったのでまた一緒にやることになった。今度は二人だけだったがかなり長く続いた。しかし、彼の夫婦仲が悪化したことと、母親の介護が重なり、長年患っていた鬱がひどくなった。やがてギターも弾けなくなった。「別の人とバンドをやってくれ」と言われた。その後も定期的にメールをしていたが突然アドレスを変えられた。気になっていたところ妹さんから訃報の知らせがきた。最後は肺ガンだったそうだ。離婚もしていたようだ。なんとも哀れな最後だ。妹がそばいたことだけがせめてもの救いか。私に出来る供養は彼が作った曲を演奏することだけだ。

2023/08/02

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血尿

血尿が出た。なにやら膀胱ガンの可能性が１番高いらしい。もしそうなら妻と同じだ。病院は嫌いだがこの際そんなことは言ってられない。検査に行くしかない。最も怖いのは転移だ。後、痛いのも。ただ、散々やりたいことをやれてこれたので人生にそれほど未練はない。親しい人たちとの別れが悲しいくらいだがそれはいつになっても同じだろう。それより、自分がガンになっても明るかった妻が悲しそうにしてくれたのは嬉しかった。

2022/07/26

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マスターの死

近所にあったジャズバーのマスターが亡くなった。音楽について何度も長く語った。５時間に及ぶことも再三あった。音響の仕事もされていたので勉強になった。「音場」という言葉も初めて知った。自己流の言葉を使っていたのでわかりにくいところもあったが深みを感じた。小さいが趣味のいい店だった。防音もしっかりしていた。大きな音で演奏してもうるさく感じなかった。しかし、７０歳を超えて頑張りすぎた。朝１０時に開店し、休憩を挟んでとはいえ夜１１時までは長すぎた。ライヴの日は凝った前菜まで作った。マスターがガンを発病し、追いかけるようにママさんもガンになりあっさり先に亡くなった。ママさんともよく話した。教えて貰った納豆トーストは形見の料理になった。なによりのいい思い出は、私の友人が作った曲を演奏した時、マスターがアンコールしてくれたことだ。あの時、すべての嫌な思い出が吹き飛んだように感じた。短いお付き合いだったが、私の晩年に花を添えてくれた。

2022/04/29

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子供の幸福

長い間引きこもっていた子供が最近漸く幸福を感じられるようになったそうだ。それは心が通じる友人を得たことと、経済的にはまだ自立出来てないとはいえ社会と繋がっている感覚を得られたからだそうだ。私のエキセントリックな接し方が子供に悪影響を及ぼしたことは明らかなので少し罪悪感が減った。和解したとはいえ未だ反りが良くないのは仕方ない。多分、それは死ぬまで変わらないだろう。だが、これで少しはマシな気分でこの世を去れそうだ。

2017/02/18

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膀胱ガン再発

検査の結果嫁さんの膀胱に小さなガンが出来ていた。さすがに最初の時程大きなショックはないが当然気分は落ち込む。再発率が高いと聞いていたし、大きなガンだったので手術後３ヶ月で再発してなかったことに主治医が驚いていたくらいだから１年足らずとはいえ文句は言えない。しかし、昨日、久し振りに３０数年振りでバンド仲間と再会し楽しく飲んだ矢先である。正に「禍福は糾える縄の如し」だ。そういえば、去年も何十年来の友人と再会した直後にその友人が大手術をした。不幸の種は常に育っているのだ。幸福の種も精一杯育てないといけない。

2016/07/21

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嫁さんの最終検査

嫁さんが今日膀胱ガンの手術後必要な最終検査に行った。メールが来たが、怖くてしばらく見れなかった。綺麗に治っていると書いてあるのを見て心底ホッとした。主治医は元々凄く慎重な人なので、どう転んでもそう酷い事にはならないだろうと思っていたが、ひとまず安心だ。膀胱ガンは再発率が高いそうなので、これからもこまめな検査は欠かせないが、これで以前と同じように生活出来ると思うと心を覆っていた雲が吹き飛んだ。

2016/02/08

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友達の死

昔、私が居た店のバイトで気がよく合いバンドも長く一緒だった奴が死んだ。５６才そこそこなのでかなり早い。現役の頃は余裕が無く会えなかったが最近Facebookで少しやりとりし近い内に会おうと言っていた矢先だった。元々、肺気腫とかでタバコを吸うと後５年しか生きられないと医者に言われていた。それが最近娘の結婚式後高熱を出し集中治療室に入ったまま帰らぬ人になってしまった。なにやら琉球王朝の末裔とか言っていた。背は小柄だが男前で陽気な良い奴だった。いつだったか年末店の大掃除を二人でやった後ビールを飲み出しビールの空瓶がテーブルに乗り切らなくなりテーブルの下に置いて飲んだ。気が付くと相当入るビールのショーケースが空になっていた。奴は酒が強かったが私はどちらかというと弱い方だ。それでもフラフラにはならなかったし気分も悪くならなかった。「親友と飲めば水さえ甘い」と言うが酒は誠に飲む相手次第だ。たった２杯飲んだだけで吐く相手も居る。「禍福は糾える縄の如し」と言うが最近嫁さんがガンになりその手術が成功し日常をまた楽しめるようになっていたので今度は自分の番だろうと思っていたが奴にお鉢が回ってしまった。

2015/12/07

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嫁さんの膀胱ガン

嫁さんの血尿が続くので病院へ行ってみると膀胱にガンが出来ていた。幸いそれほどタチの悪いものではなく腎臓にも転移してないらしいが結構大きなものなのでヘタすると膀胱ごと取らなければならないかも知れない。本人は最悪の事態では無かったせいか電話口で少し明るかった。しかし、こちらは気が気でない。改めて、嫁さんの存在の大きさを感じる。これまで、親の事、子供の事等に献身的に尽くしてくれただけに不憫でならない。今の所、命に別状は無いのだが縁起でも無く結婚して間もない頃の楽しい思い出があれこれ浮かんで来る。ともあれ、今まで通り、夫婦仲良くし、夫としてベストを尽くすしかない。

2015/09/18

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