トスカーナの休日
美人のアメリカ人作家が離婚の傷心を癒やす為イタリアへ旅行する。そして、たまたまトスカーナで見掛けた屋敷を買う。ある日、シャンデリアの部品を買いに出かけたローマでしつこく付き纏う男達を追っ払う為見知らぬ男にキスをし夫を装わせる。それがきっかけで男と付き合うがパートナーに捨てられた妊娠中の親友が訪ねて来た後直ぐ出産騒ぎがあり疎遠になってしまう。しばらくして男を訪ねると既に新しい女を作っていた。それまで、家の改修を頼んでいたポーランド人の若い男が地元の娘に惚れるエピソードが挟まれていた。父親は貧しく家族も居ないポーランド人との結婚を許さなかった。そこで、アメリカ人女性作家は、そのポーランド人の家族になると申し出る。ラスト、彼女の家でポーランド人とイタリア娘の結婚式が行われる。冒頭、家の事で世話になった不動産屋が「この家で結婚式をし、家族を持ちたいという願いが叶いましたね」と言う。既婚の彼は彼女に気があり、良い感じなった時「このままではあなたと間違いを起こしてしまう」と身を引いていた。クリスマスの夜、お祭りを見に来ていた作家と不動産屋の家族が鉢合わせし男が家族に彼女を紹介した後、聖人の像をプレゼントするシーンは何故か泣けた。最後の最後、以前彼女がその男の作品を酷評したことのある男が訪ねて来る。ここで、映画の冒頭にあったパーティのシーンでも別の男がその作品を酷評されていたエピソードが伏線として利いていた。彼はその酷評のお陰で良い作品が書けたと感謝し、どうやら彼女の事も好きなようだ。盛りを過ぎた美人の映画ではヴィヴィアン・リーの「欲望という名の電車」が遥かに鬼気迫っていたし、食事を大勢に振舞い皆が幸せを感じるという意味では「バベットの晩餐会」が遥かに傑作だった。だが、気の強さがあまり前面に出ず、脂も良い感じに抜けたダイアン・レインは魅力的だった。彼女はあまり好きではなかったが、まさかダイアン・レインの映画で泣かされるとは思わなかった。