「ブレイク詩集」
「To see a World in a Grain of Sand And a Heaven in a Wild Flower. Hold Infinity in the palm of your hand And Eternity in an hour.」ラストはやはりこの詩だった。芭蕉にも通じるような繊細かつ素朴な詩は私も大好きだ。最初の方にあった「Tyger Tyger, burnig brigt, In the forests of the night; What immortal hand or eye. Could frame thy fearful symmetry?」も生命力に溢れ、かつ、神秘的で良い詩だ。ブレイクは幼い頃から幻視能力があり大人に成ってからは予言者めいた神秘家の側面があったようだ。しかし、まともな教育は受けられず一介の彫版師として生涯を終えた。行動半径もほぼロンドン近辺だけだったようだ。スピノザも世俗的快楽に背を向け屋根裏部屋でレンズ磨きの仕事をしながら哲学書の執筆に励んだそうだ。ヴィトゲンシュタインも生涯を哲学に費やし友人の家で息絶えた。その哲学には頷けない所もあるがサルトルも亡命者に支援したりしながら自らは生涯3DK程の家に住み妻と二人慎ましく生きたそうだ。サルトルはともかく彼らが後世に強い影響を残すとは思っていなかっただろう。しかし、世紀を隔て極東に生きる私にしっかり届いている。