「国家」プラトン
納得のいかないところも多々あったが読み応えはあった。まだ読んでいないが、トマス・モアの「ユートピア」などの源流ではないだろうか。最後の方に、現世での行動に応じた世界(そうゆう言い方はしていなかったが要は天国と地獄)に千年いた魂たちが次の生を選ぶ時の描写もダンテの「神曲」を思い出した。最初に提示された「不正を働く人間の方が得ではないか」というアンチテーゼへの反論に納得出来なかったのが残念だった。実際、世の中には「正直者がバカを見る」ようなことはよくあることだし極端な場合、凶悪犯罪の被害者などは全く浮かばれない。ともあれ、プラトン=ソクラテスが「正義」を持って生きる人間こそ「幸福」な人生を送るという主張には共感を覚えた。