僕はパパを殺すことに決めた
本は大抵1~2日で読んでしまうのですが、この本は、長くかかりました。少年犯罪は、社会で大きく取り上げられるニュースになりますが、後はどうなっているのか、真実を知る方法はニュースを知らされた方にもありません。家庭内で起きたことは、いくら説明しても、理解してもらえない悲しさは私自身も少しながら経験があります。「仲の良い家族やん。家族ってそんなもんやよ。厳しさも必要やから。」そんなうわべの言葉に阻まれて、真実を語ることすら諦めてしまう気持ちをこの本はよく書いてくれています。家族の中の問題は、外側からではなかなかわかりません。それ以上に、家族の中の話に真剣に耳を傾けてくれる人は、本当に少ないです。家族の中に飛び込んで、救ってくれる人なんているんでしょうか。。子どもは、「なぐられてるねん」ぐらいしか言いません。でも、その言葉は非常に重い言葉です。この本は問題になっていますが、供述調書に記された少年の声に耳を傾けてあげても良いのではないでしょうか。親からの家庭内暴力から、子どもを守る手立てを真剣に考える必要がある事を提起している本です。人を殺したい、ましてや、自分の親を殺したいと思うはめになっている子どもを救うのは暴力をふるっている親ではありません。暴力を使う大人は自分の身を守るためだったら、何でも言います。「親としてそんなひどい事をするわけがないじゃないですか。あなたに出来ないように私にだってできませんよ」「我が子を愛しています」そんなこと言うのは朝飯前です。