[恋愛]の記事一覧 | Wandering Bunny

”恋のうた”を託したはがきの行方

「はがき、ありがとう・・・」先日出したはがきは、無事今日の午後に恋しい人の元に郵便屋さんが届けてくれた旨、電話があった。あの人に、私の思いを託した一首はうちひさす　宮道を人は　満ち行けど我が思う君は　だたひとりのみ柿本人麻呂「・・・下の句はわかったのだけど、上の句の意味がわからなかった・・・・」ちょっとがっかりよね～きめ細やかな人の心のひだを読み取れないなんて・・・。切手だって普通の50円切手ではなく、思いをこめて、華やかで美しい切手を選んで貼ってから投函したのに・・・。おまけにはがきの表には、ご親切に現代語訳をつけてあるのに、それに気づいていないとは・・・・【現代語訳】明るい日のさすメイン通りには、こんなにたくさんの人がいるけれど、私が思う人は只あなただけ。柿本人麻呂下の句の意味さえ伝われば、いいのでしょうか。仕方ないですね・・・そんな男性に恋している私の自己責任と思って諦めます。私が思いを寄せるその男性は、私の夫、主人。自分の主人に宛てて、はがきを出してみた今年のバレンタインでした。チャンチャン

ガトーショコラの思い出

*非常に長文のたわごとですので、あらかじめお断りしておきます。くだらない内容なので読み飛ばしをおすすめします。高校二年の時だった。クリスマスに"Snowman"の絵本を思いもよらずプレゼントされ、私は急速に先輩を意識するようになっていた。ジャーナリストを目指していた先輩・杜下崇哉（もりした　たかや【仮名】）さん。このバレンタインに、何とか手作りお菓子をプレゼントしたい・・・。今でこそお菓子作りは手軽で身近で、100円均一ショップへ行けば、お菓子作りの本、チョコのアルミケース、ケーキ型、ラッピング、何でも安く手に入るが、20年ほど前はまだお菓子作りを本格的にするとなると、道具や材料を揃えるところから始めると、とても高くついた。私は経済的に恵まれていなかった。親元を離れ、日本育英会（現・学生支援機構）で奨学金を受けながら、特待生で授業料を全額免除されて高校で学んでいた。思いを寄せる人に高価なプレゼントはできなかったから、心を込めた手作りお菓子をプレゼントしたいと思っても、そうたやすくできることではなかった。まず、材料費がない。一度で成功するとは限らないので、本当は試作を繰り返し、一番できの良いものをプレゼントしたい・・・。それから調理場である。下宿生だから、下宿のキッチンを自由に使用することは不可能だ。年に一度の告白のチャンス、バレンタインデーを目前に、気持ちが萎えてしまいそうだった。どのように「お菓子作りがしたい」ことを私が漏らしたかは覚えていない。当時私は生物の先生を父のように頼り、よく生物研究室に出入りしていた。杜下先輩は、生物の先生が顧問をするクラブの部長だったので、生物研究室にいつも先輩はいた。かっこいい崇哉先輩を意識することになったのも、自然の成り行きだと思う。折りしも、若い女の先生が生物研究室にいた。その先生は坂井先生【仮名】といい、結婚を間近に控えた聡明な女性だった。生物の先生と坂井先生は、実は私の杜下先輩への気持ちを気づいていたのだと今となって思う。幼い恋が道を外れる事のないよう、黙って見守って下さっていたのだ。「バレンタインのケーキ、作ろっか？簡単なチョコケーキだったらレシピがあるから、一緒に作ろうよ！」坂井先生が誘って下さった。一気に目の前が開けた感じがした。「坂井先生とケーキを作るの？それなら僕が家庭科室を借りてあげるから、クラブの後輩達と一緒に作りなさい。男の子も、女の子も、作りたいという子たちみんなで作ったらいいよ。中学、高校の先生全員に食べてもらうんだよ。しっかり作りなさい。材料費は僕が出してあげるから。」ニコニコと生物の先生が提案して下さった。学校の家庭科室（調理室）はオーブンもケーキ型も調理器具はすべて揃っていた。これで調理場所と材料費を心配する必要はなくなった。材料調達に私は走った。嬉しかった。中高一貫教育の学校で学んでいた。中学生の後輩たちも一緒に、バレンタインデーの日、エプロンと三角巾を身に着けて調理室で"チョコケーキ"をキャイキャイいいながら焼いた。とても楽しい調理実習だった。坂井先生の指導のもと、5ホールのチョコケーキが焼きあがった。特別な技術は要らず、失敗することなく割と簡単に仕上がった覚えがある。「まだ温かいうちに食べてもおいしいよ」坂井先生はウインクした。"すぐに思いを伝えたい人にケーキを食べてもらっていいのよ・・・"いたずらっぽく彼女の目が語っていた。焼きあがってすぐ、中学と高校の職員室にケーキを切り分けて持っていき、日頃の感謝の気持ちとともに先生方に食べて頂いた。どの先生方も、思いがけなかったようで喜んで食べて下さった。もちろん、ケーキを焼いた私達自身も食べる権利があった。でも自分の分は、杜下崇哉先輩に食べて欲しいと思った。そのために、焼いたケーキだったから・・・。「とっても、おいしいよ・・・・」崇哉先輩は言ってくれた。本当は、全部先輩のために焼いたんですよ・・・。心の中でつぶやいた。坂井先生の教えて下さったそのレシピは簡単だった。失敗のないレシピだった。いつでもできると思っていた。でも、そのあと二度と作る機会に恵まれず、20年以上が過ぎてしまった。書き留めていなかったレシピは、おさらいしなかったことが災いして、すっかり忘れてしまった。そのチョコケーキが"ガトーショコラ"であったことをつい最近知った。

万葉集　恋のうた

はがきを出した。明日には恋しい人の元に届くように・・・。恋しくて、恋しくて、憎らしいあの人に、私は思いを和歌に託した。万葉集からの引用、恋のうた。詠み人は柿本人麻呂。私に代わって一首の和歌と郵便屋さんが、はがきで思いを届けてくれるでしょ。

The Snowman

高校時代、とても憧れていた先輩がいた。非常な読書家だった。新聞、評論、エッセイ、小説、歴史、文学、詩歌、漫画・コミックに至るまで、ジャンルを問わずものすごくたくさんの文章を読んでいた。話をしても、国際情勢、政治・経済、環境問題、科学技術と話題は広く豊富だった。あまり偏らず、冷静で公平、感情的ではない意見を述べる人だと高校生だった私は思った。「凄い！」のひと言につき、尊敬の念はいつしか恋心に発展していった。先輩は文章をかくのが得意で、ジャーナリストを目指していた。参考書を探しに、冬休みのある日、私はひとり都心の紀伊国屋書店に出かけて行った。本屋で、偶然先輩に会った。こんなにたくさん本屋があるのに、ここで会うなんてなんて奇遇なんだろう！「本屋にいると、時間が過ぎるのを忘れてしまうよ。本屋が大好きなんだ。」そう、先輩は言った。「今日はクリスマスだね、何かプレゼントしよう」そういって先輩は一冊の本を手にとってレジに向かった。包装してもらった物を「Merry Christmas!」と言って私に渡した。帰宅して包みを開けると、それは一冊の絵本だった。先輩が私にくれたのは、"Ｔｈｅ　Ｓｎｏｗｍａｎ"文章のない、絵だけの絵本だった。絵だけであっても、静寂な世界に溢れるストーリー展開がある。少年とゆきだるまの夢に満ちた楽しい世界、そして現実の朝・・・子供のこころにやさしい切なさを投じている。20数年前、当時、その絵本が流行っていたのだと思う。かつて子供であった大人たちにも、共感されて広く支持を受け、愛されたのだろう。そのやさしく素朴な絵とファンタジックな内容は愛され続け、今も絶版にならずに手に入れることができるようである。あんなに文章を愛した先輩が、何ゆえ敢えて文章のない絵本を私にくれたのか？毎年クリスマスになると、思い出す。

独りよがり

あの人はいつも、パートナーの同行ばかり気にしている。狭い見識で、思い煩い悩んでいる。はたからみると、ひと言で言って、とにかく、くだらない。ひとりよがりな、恋愛。もっと、他者を幸せにする事に思い悩んだらどう？といってやりたくなる。でも、その人は、とにかく自分自身だけ・・・。自身の快楽と幸せだけを考えることだけで精一杯。どうか、パートナーと満足いく関係を築くことができますように・・・。祈らずにはいられない。ひとりの努力だけでは、満足行く結果は得られないのだろうが、努力しなければ、決してゴールには至れない。時には、忍耐強く待つ事が必要です。とにかく、信じて、待つこと・・・。わかりましたか？その人は、あなた。私のパートナー、「あなた」です。

ラジオから流れてきた歌、二曲

今朝、通勤時ラジオから流れてきた歌、二曲。どちらも私の心を捕らえていた。「クリスマスキャロルの頃には～稲垣潤一～」（これは有名なので、歌詞は記載しない。）「Near You Always～Jewel～」（こちらは歌詞が聴き取れなかったところがあったので、検索したら以下のとおりだった。It was so touched!)"Please don't say I love you,those words touch me much too deeplyand they make my core trembleDon't think you realize the effect you have over mePlease don't look at me like thatIt just makes me want to make you near me alwaysPlease don't kiss me so sweetit makes me crave a thousand kisses to followAnd please don't touch me like thatmakes every other embrace seem pale and shallowAnd please don't come so closeIt just makes me want to make you near me alwaysBRIDGE: Please don't bring me flowersthey only whisper the sweet things you'd sayDon't try to understand meyour hands already know too much anywayIt makes me want to make you near me alwaysAnd when you look in my eyesplease know my heart is in your handsIt's nothing that I understand, but when in your armsyou have complete power over meSo be gentle if you please 'causeYour hands are in my hair, but my heart is in your teeth, babeAnd it makes me want to make you near me alwaysYour hands are in my hair, but my heart is in your teeth, babeAnd it makes me want to make you near me alwaysI want to be near you alwaysI want to be near you alwaysI want to be near you always "

恋に恋していた時代

【注釈】　だらだらと、ただ長くくだらないお話です。読み飛ばすほうが、賢明です。もう、かれこれ２５年ほど昔のこと。。。当時、恋も知らない私に、とても眩しい先輩がいた。入学式でお祝いの言葉を述べた生徒会長、体育祭の応援団長、サッカー部のキャプテン、ロックバンドのボーカル。この四役をこなしていたのが、ひとりの人物。｢かっこいい！！！｣の一言に尽きた。彼は二歳年上の先輩。皆の憧れの的だった。どんなに私が騒いでも、追っかけしても、怖～い女の先輩達や自信過剰なルックスのいい同級生達と私の競争では勝ち目はなかった。それでも、どういったわけか、先輩は私を気遣ってくれた。クラブが同じだったわけでもない。二学年年下の私と何か特別な接点があったわけでもない。もちろん、私が誰からも一目置かれる美少女だったからでもなかった。私は当時少年だった。理由は未だ不明である。体育祭で学ランを調達しなければならないとき、調達先に困っていた私に、先輩は、彼の学ランを貸してくれた。女子達は誰もが彼の学ランを借りたがっていた・・・。当然私は妬まれ、女子達からいやみの集中砲火を受けた。もちろん、学ランは丁寧にクリーニングに出してから、｢ありがとうございました。とても助かりました｣と返却した。体育祭の後夜祭でフォークダンスを踊る時、一番先に二学年年下の私の前に先輩が来てくれた。誰もが理解できなかった。私自身も｢何で、先輩が私の前に？！｣と赤面した。それでも、ものすごく、嬉しかった。あの時の曲目は、当時流行っていた”すみれSeptember Love"だった。先輩がバンドのコンサートを開くとき、誰もが欲しがったチケットを私にだけ優先的に回してくれた。｢必ず見に来るんだぞ！｣って。卒業の時、皆が欲しがった先輩の制服の第二ボタンをくれた。先輩の写真が欲しいとお願いしたら、拒まずくれた。全てが謎である。なぜこんなことを今頃思い出したかというには訳がある。今日、立冬、彼の誕生日なのである。おめでとうございます。もう会うことなどないと思うけど、覚えていますよ。２５年前、何か誕生日にプレゼントをしたくて、大きなクッションを手作りした。フェルトで”ＨＩＲＯ”と先輩の名前の一部を縫い付けた。｢テレビ見るとき、抱っこできるくらいの大きさのクッションが欲しいな・・・｣と先輩がつぶやいたのを、私はききのがしていなかった。でもそのクッションを、手渡すことはできなかった。そんなものを作っていたことさえも先輩は知らない。そのクッションはいまや座布団のように平坦化している。２５年の時を経て存在している。その後訪れたクリスマスには、先輩にぴったりのセーターを手編みしてプレゼントした。これはとても勇気がいった。クリスマスまでに仕上げるために、学校の休み時間もえんえん編みすすめることに費やした。一ヶ月かけて大急ぎで編んだ。バレンタインにはゼリーをトッピングしたレアチーズケーキを手作りした。ケーキを運ぶにも一苦労だった。先輩を呼び出して、ようやくの思いで手渡しした。誰よりも目立つバレンタインのプレゼントを狙っていた。”恋に、恋していた時代” 先輩が卒業した二年後、私は地元を離れ、東京の高校に進学した。そのときすでに頻繁に会えなくなることは予想していたが、夏休みと冬休みに帰省するたび先輩は会ってくれた。お正月、先輩が福岡の大学に進学しようとしていると知ったとき、｢兄さん二十歳（はたち）になるまで、会えないってことかな？｣と先輩が言った。にいさん、はたち（２３２０）か、覚えやすい数字だ・・・そう思って、ポロンと涙が流れた。｢辛気臭いな、泣くなや！｣そういって、先輩は私の頭をくちゃくちゃにした。私が高校二年のときに帰省した時、先輩も福岡から帰省していた。｢ラビリンス｣を映画館に一緒に見に行ってくれた。先輩には退屈なファンタジーだったろう。先輩は、一人っ子だった。弟をかわいがるように、私をかわいがってくれていたのだった。高校に進学し、勉強が忙しくなり、私にも新たな恋が訪れた。先輩にも彼女ができた。何となく、先輩とは疎遠になった。１３年ほど前、ショッピングモールでおそらく先輩だと思われる男性を見かけた。ゴールデンウィークで、親子連れがごったがいしていた。仮面ライダーショーだったか、男の子向けのショーが催されていた。あの時、私は一児の母であり、第二子を身ごもっていた。先輩とおぼしき男性は１歳半くらいの男の子を二人連れていた。双子だった。私は主人と一緒だったから、声をかけることに気がひけた。先輩もお子さん二人を連れていたということは、奥様が近くにいらっしゃったはず・・・。声をかけることができず、遠目に先輩を見つめていた。きっと先輩だよね・・・。こんな場所に子供を連れてきているということは、きっと幸せな暮らしを送っているのだろう・・・。それから再び同じくらいの年月が経過した。この間、先輩と思しき姿を見ることはなかった。いい加減、いいおじさんになっているだろうけど、私の中では２５年前のままのかっこいい先輩のままですよ・・・・。誕生日も覚えている。皮肉なことに、先輩の実家の場所、実家の電話番号も覚えている。先輩の家の前を通るたび｢どうしているかな？｣と思い、立ち寄ってみたい衝動に駆られる。連絡をつけようと思えばいつだってつけれそうである。でもね、連絡をあえてしない理由がある。このブログを読んで、冷静さを失い、うろたえて現在の幸せな暮らしを自ら壊しかねない輩がいるということだ。その人に警戒して、私は先輩に敢えて連絡をつけないのである。お互いの平穏な日常生活を保つために・・・・。 ”恋に恋していた時代”は記憶に封印するのが一番いい、それが最善策のようである。

苦しい恋の結実は・・・

苦しい恋は、生涯で一度でいい。人生のうち、一回、たった一度、命をかけた真剣な恋ができたらいい。我が持ちうる全ての財産、価値を賭けて、世界を破壊させるほどの激しい情熱、成就できた暁には命が残らなくてもいいとさえ考えた恋だった。その恋のためなら誰を傷つけても、平気だった。母は泣いた。父は気がふれた。姉妹は目を伏せた。それは決して正しいとはいえない選択だった。明日さえ保障されない、危険な賭けだった。我が情念のためだけに、多くの人の幸せを奪ってしまったのかもしれない。ごめんなさい。今だから謝罪できる。狂った妄想だったと、今だから冷静に判断できる。誰一人、慰めや同情の言葉を私にかけられる人はいなかった。誰もが反対した。誰一人、祝福してくれる人はいなかった。明日さえも、見えなかった。そのくせ、聞く耳を持たなかった。「もう、あの子は終わったね・・・」同級生たちは皆そう思ったと、後からきいた。でも、嬉しかった。明日さえ予測できない心細さはあったが、何を根拠にか、不確かなかすかな希望があった。彼を信じていたといえば、月並みであまりにも簡単に表現しすぎてしまう。彼を信じようと、彼は誠実だろうと判断した自分自身の目の正しさを信じたかった。若かったからか、未熟だったからか、経験不足だったからか、それはわからない。ただ、彼の誠実さを一途に信じた。それだけだった。とても苦しく、とても辛かった。四面楚歌だった17年前・・・。あんな恋は、もうこりごりである。そんな破壊的恋愛は、だれにも推奨できない。17年たって、辛い思いを思い出すのは私だけだった。当時の彼は、今日「結婚記念日」を忘れ、夜まで一言も口にせず、ケロとしていた。