下部尿路疾患について2
(1/27の記事)で下部尿路疾患について、お話しましたが、今日は、もう少し細かくお話します。■なぜ猫は下部尿路疾患になるのか?猫は元々、砂漠地帯の生まれです。水分の喪失を少なくするために、少量で濃い尿をする仕組みにする必要がありました。その仕組みが現代の食べ物に馴染めず、尿路にいろんな症状が出やすくなったと言われています。■下部尿路疾患を細かく分類すると1.ストルバイト尿結石2.シュウ酸カルシウム尿結石結石症以外のものに、・腫瘍性疾患・細菌感染・真菌・寄生虫高年齢になるにつれ、腎機能が低下し、シュウ酸カルシウム結晶や尿石の発生頻度が高くなります。■主な原因はストルバイト尿結石です。尿のpHのアルカリ化やマグネシウムの摂り過ぎなどです。昔のキャットフードや、安すぎる粗悪なキャットフードでは、起こりやすくなってしまいますが、ここ10年で改良され、減少しているようです。ちなみに尿路疾患に配慮されたキャットフードはマグネシウムが0,07%~0,09%以下に設定されています。■一方、最近急激に増えているのが、シュウ酸カルシウム尿結石です。マグネシウム摂取を減らしてストルバイト尿結石を予防することにより、pH値の酸性化やマグネシウム摂取不足を起こします。ストルバイト尿結石を防ぐことで、逆にマグネシウムが足りなくなっちゃった。。。このためシュウ酸カルシウムにとって形成されやすい環境になってしまい、尿路疾患になってしまいます。なぜ下部尿路疾患に配慮されたフードが良いのかというと、この2つを予防するのに、ちょうど良いバランスが(pH値6,0~6,4)保たれているからです。手作りでこのバランスを維持するのは、かなり難しいと言えるでしょう。■下部尿路疾患を予防する食事について1.ストレス、運動不足や肥満の解消2.尿の酸性化、アルカリ性化を抗考慮した食事。 pH値6,0~6,4の弱酸性を保つ。適度なマグネシウム。3.前にもお話しましたが、 おしっこしやすい環境 (トイレの場所や数、清潔さ)をつくる。4.これも前にお話しましたが、 水分を十分に与えてください。 水飲み場を増やしたり、 飲みやすい状況をつくる。 具体的には、 カリカリの横には常に水を置いておくとか。複数の猫ちゃんがいる場合、いじめられるのを嫌ってお水を飲んだり、トイレに行けない猫ちゃんもいると思います。そのことも考慮して、1匹につき、1つのトイレ、複数の水飲み場を与えてあげてください。