コーチングスキル・質問に先立って
ちょうど、こちらのブログで「コーチングスキルとして「質問」を扱おうと思っていたところ、グッドタイミングで、横浜ヤマハで行われている、コーチング上級セミナーを見学してきました。ですので、「質問」スキルの具体的内容に入る前に、少し、質問について触れていきますね。セミナーでは扱わなかったポイントを2つ、ご紹介します。1・質問の基本は、「自分が情報を得るためではなく、相手に、自分の内部に深く目を向けてもらう」こと。そして質問のベースにあるのは「聴く」「承認」。プラス、私はその前段階として、「声掛け」を大事にしています。とくに、考えることに慣れていない、小さな生徒。まだ、信頼関係のできていない、レッスンに来たばかりの生徒。質問するより前に、声掛けをたくさんしていきます。「ここをどういう風に弾きたい?」という質問をしたかったら、「○○ちゃんだったら、ここを素敵に弾くんだろうな…」「今日はどこをどんな風に頑張ってきたの?」という質問をしたかったら「きっと○○ちゃんには、今週特にがんばったところがあるんだろうな」「今日はどんなふうに弾いてきたのか、楽しみだな~」という感じです。生徒さんに「答えなきゃ」という圧迫を与えないで、考える種まきをしていくわけです。承認も入っていますので、信頼関係を結ぶことにもつながります。2・「自分に対する問いかけを大事にする」質問といえば、相手の中の答えを引き出す、という面に向きがちですが「自分に対する質問」も大事にしたいところです。人は常に、無意識のうちに、出会う出来事や、何かを発する時やするときに、自分に向けて「問い」を発しているそうです。それはそのまま、その人のニーズや価値基準であるのだと思います。「人にすごいと思ってもらえただろうか」「相手の同意を得られるだろうか」「正しく言えるだろうか」などなど……以前の私の心に存在していた問いは「人に認められるだろうか」というものでした。「ザ・コーチ」を出版された谷口貴彦コーチは著書の中で「人は自分自身の発する言葉や、考えている言葉に洗脳される生き物である」とおっしゃっています。ならば、自分自身にかける問いを、自分のなりたい方向に書き換えればいいのではないか?私はそう気づきました。それからは、私の目指す姿であるところの言葉を、常に問いかけるようにしています。「私は接する人すべての強みを見つけているだろうか。そしてその人自身に気づかせているだろうか?」私は自分のクライアントをコーチする時にも、必ずこの「自分に対する問い」を考えもらう機会を作っています。自分も人も変える「質問」興味深いですよね。次回はいよいよ、質問スキルの内容に入っていきます。