北国の人
昨日から、私の勤務する会社で、青森県から来坂した男性3人が働いている。建設工事現場で働く技術者で、建設工事機械を作動させる。雪深い季節は仕事が無くなってしまうので、いわゆる「出稼ぎ」ということらしい。3か月という約束らしい。空いている社員寮(3LDKのマンション)に新しい寝具を用意した。食器、家具は備え付けなので新しいものではないけれど、揃っているらしい。(私は見に行ったことが無いので不確かだけど。)私の役目は、社長の指示に従って、現金をほとんど持って来ていないらしい3人に食事代等を前渡しして、給与支給時にきちんと引き去ること。。。。これが、ちょっとね。気が重い。給与額から前に支給した金額を差し引くと、淋しい金額になることが多い。地元の生活よりも、大阪の生活はお金がかかるのだろう。お金を使う術もたくさんあるのかな。家族と一緒にいないと、パチンコに行ったりするかもしれない。誰も見ていないところでも、自分のペースを崩さないで、仕事して、家族に充分な金額を送って、健康な体で帰郷するという目的を達するのは簡単なことでは無いと思う。 以前に秋田県から働きに来ていた50歳ぐらいの男性は、地元で働いていた会社が倒産してこちらに再就職された。会社に借金を重ねた後、退社して関東の会社に再ゝ就職された。技術者であったので、たぶん、支度金を関東の会社が用意してくれたのだろう。10日間ほどいっしょに暮らしただけのロシア人の奥さん(20歳ぐらい)と、奥さんの連れ子のお嬢さんがおられたそうで、毎月10万円以上をロシアに送金していたそうだ。何年間もそういう生活が続いていたらしい。以前はこういう話題は、フィリピーナとかタイだった。今は、ロシア、ウクライナ、クロアチアになっているそうだ。どちらもそういう組織があると聞く。北国の嫁不足問題は深刻らしい。人は誰だって幸せになりたいのだし、幸せになるべきだ。でもいくらなんでも怪しいだろ。青森県から働きに来ていた青年は、父親がギャンブルで借金を作ったらしい。父親の借金を返済するために、金融機関(ア○ム。。。とかなんとか)から借金を重ねていたが、利子が大きくなるのを見かねて、350万を会社から借り直して金融機関の借金は無くしたはずだったけれど、しばらくすると、会社の寮の郵便受けに、町金かなぁ。。。。と推察される名前のあるハガキが届きだした。私の仕事は、彼と社長が決めた金額を彼の給与から天引きして残金を彼の預金口座に振込むことだった。キチンキチンと毎月その作業をしているのに、彼の借金の残金の減り方はゆっくりだった。それは、青森県の実家に帰省する度に会社に借金を申込から。その額が多い。交通費もかかるだろうし、お土産も用意したいのだろう。父親の体調が悪化し、望郷の想いも強くなったらしい。彼は、350万を会社に返済して帰郷した。どこから大金を用意したのだろうか。お姉さんご夫婦とお母さんと協力して、お父さんの介護をしながら地元で働くそうだ。帰郷に際して、彼はまた借金を増やしたのではないだろうか。お父さんの医療費は、これからもずっと必要なわけで、仕事がないからという理由で一度は出てきた地元で、大丈夫なのだろうか。私は事務処理をしているだけで、詳しい話は聞かないけれど、どう考えても、30歳代半ばの彼が、父親の作った借金返済から解放されるのは、ずっと、ずっと後になるだろう。たぶん、父親が亡くなった後も長い間、開放されることはないだろう。東北地方の人は、心優しく、辛抱強くて、家族愛が深い。人恋しい。それは良いことなんだけど。だけど、だけど、だけど。。。なんとかならんのか。あんまりじゃないか。今回の3人さんは3カ月だけだと聞いている。3カ月間できちんと仕事をされて、きちんと生活されて、家族に仕送りもされて、気持ち良く帰郷の日を迎えてほしい。もちろん無事故で。