5.5人に1人があぶない糖尿病
はなまるマーケット(6月19日放送)とくまる より5.5人に1人があぶない糖尿病今年4月30日に発表された厚生労働省の最新データ。それによると、糖尿病の疑いのある人は、約1,870万人。成人5.5人に1人が該当するそうだ。糖尿病とは、血液中のブドウ糖が増えすぎて、血糖値の高い状態が続くこと。それによって血管に障害が起こり、 体に様々な弊害を引き起こしてしまう。そんな糖尿病、あるものと深い関連がありました。糖尿病を引き起こす要因はいくつかあるがその中で内臓脂肪が蓄積するメタボリックシンドロームとの関連が注目されている。今何かと話題のメタボが糖尿病を引き起こす一つの原因に!内臓脂肪がたまりすぎると、血糖値が上がりやすくなる。これが続くと、糖尿病が発症する。 実際、4月から始まったメタボ健診でも、血糖値が高いことによって糖尿病と診断される方が多くいたそうだ。増加傾向にある糖尿病には、一般の健診ではわからない隠れ糖尿病と言われている人も多いそうだ。スタジオには、東京慈恵会医科大学附属第三病院 糖尿病・代謝・内分泌内科の横山淳一先生が登場。糖尿病男女年齢別の推計グラフによると中高年の方が対象と思われがちだが、最近では20代30代の若年層にも増えてきている。食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、といったような若い世代が増えてきているということだと思われる。糖尿病には種類がある!━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【血液中のブドウ糖=血糖】の増えすぎで【血糖値の高い状態=高血糖】が続くこと ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1型:ウィルス感染などで「インスリン」が出なくなり起こる 2型:遺伝的要因・メタボ・過食・運動不足などで 「インスリン」の働きが悪くなり起こる その他 :すい臓の病気・ホルモン異常などで起こる ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ↓ ↓ ↓━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━血管が障害され、様々な弊害をひき起こしやすい ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━発症すると一生付き合っていかなくてはならない ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1型といわれているのは、インスリンを出す細胞が破壊されてインスリンが出なくなる。 このタイプは、インスリン注射が一生欠かせないということになる。一方、2型というタイプは、 遺伝的素因の上に、やはり過食・運動不足、そういった環境因子が働いて起こるといわれている。 日本人の糖尿病の90%以上が2型。種類に違いはあるが、糖尿病というのは、発症すると一生付き合っていかなくてはならない病気なのだ。治らないってこと?血糖値をうまくコントロールすれば、糖尿病ではない人と同じように健康的な生活は送れる。◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆<糖尿病の基礎知識 インスリンとは!?>インスリンは体の中で唯一血糖値を下げるホルモン。食後の血糖値が過度に上がらないように調節する働きがある。食事をすると食品からとった糖質が体内でブドウ糖、つまり血糖に変わる。通常血液中にブドウ糖が増えてくると、すい臓からインスリンが分泌され、ブドウ糖を筋肉などに取り込ませ、エネルギー源として利用できるようにしてくれる。 インスリンが正常に分泌され働いていると、血糖値は正常に保たれる。つまりインスリンが糖尿病の発症には大きく関係している。しかし、生活習慣などが乱れてくると、インスリンの量が不足したり、働きが悪くなってくる。 こうなると、ブドウ糖がエネルギー源として利用されなくなって、血液中にブドウ糖がたまりやすくなる。すると血糖値の高い状態が続き糖尿病になってしまう。インスリンの出かたは個人によってみんな違う?違う。何か補うこととはできるのか?食べ物では補えない。運動?運動でインスリンの働きを助けることはできるが、 インスリンそのものを出すわけにはいかない。◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆<糖尿病の基礎知識 初期症状は!?>糖尿病は自覚症状が少ない病気とも言われているが次のような症状が出たら要注意!・のどが乾く・よく尿が出る・よく足がつる・全身がだるいこういった症状が段々悪くなってくる場合には注意が必要。この中の1つだけではなくて4つ?4つ揃わなくても、それぞれが段々悪くなる。例えば、夜今までトイレに起きなかった方が何回か起きてトイレに行くなど そういうことが増えてくると心配。◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆<糖尿病の基礎知識 引き起こされる血管障害>糖尿病でまず気を付けなくてはいけないことは、すぐにでも動脈硬化が進むこと。そのまま放っておくと、 心筋梗塞や脳梗塞に結びつく。さらに治療せずに放置しておくと、様々な病気が発症しやすくなる。目の血管が傷つき視力障害が起きる『糖尿病網膜症』腎臓の血管が傷つき障害される『糖尿病腎症』末梢神経や自律神経が傷み手足がしびれが生じる『糖尿病神経障害』これらの合併症の怖いところは 5年~10年かかり、ある程度進行しないと、自覚症状が現れないという危険な特徴を持っている。合併症の早期発見はどうすれはいい?一番よいのは、眼科に行くこと。黒い瞳に光を当てると、ちょうど血管が浮き出て見える。 人間の体で唯一血管そのものが見える。直視できる。血管がどれくらい傷んでいるか一目瞭然でわかる。 小さい出血があったとしても全く自覚症状がない。眼科の先生から、内科に紹介されることが多い。◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆<糖尿病の基礎知識 隠れ糖尿病とは!?>糖尿病の検査法(内科)一般的には空腹時の血糖値が診断に用いられる。なぜ、空腹時の血糖値なのか?血糖値は食事の前、食事の後、条件によって違うので、安定した状態で数値が得られるということで、これを基準にする。そして、空腹時血糖値の数値が『126mg/dl』以上の場合、糖尿病状態と診断され、 より詳しく検査を受けなければならない。ただし 空腹時血糖値の数値が糖尿病判定基準の『126mg/dl』未満の方でも実は糖尿病になっている方が多くいる。それが、隠れ糖尿病。一般的な健康診断では見つけられない。その場合の診断方法は、『食後血糖値』を測定する。空腹の状態で水に溶かしたブドウ糖を飲み、 血糖値をあげる。その後2時間まで血糖値の動きを検査して診断する。この場合は、2時間後の血糖値200が基準値。もしこの数値を超えている場合、インスリンの分泌や働きに何らかの問題があると考えられるため、糖尿病状態と診断。詳しい検査が必要になる。空腹時が基準値内の血糖値でも、直後の血糖値が高い方。具体的には、空腹時血糖値が126以下で食後の血糖値が200以上の場合、同じ糖尿病状態ということ。空腹時の血糖値が110~126の間の場合は、両方検査を受けた方がいい。特に家族で糖尿病のある方は特に受けた方がいい。この検査は1回受ければば色んなことがわかる。定期的にとか翌年の検査は必要ないが人間ドックは一般的には空腹時血糖値なので隠れ糖尿病まではわからない。◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆<糖尿病の基礎知識 対策・予防の「運動と食生活」> 対策・予防法は? 食後の血糖値を上げすぎない ⇒インスリンの負担を減らす食生活&運動 誰でも食後には血糖値が上がる。ポイントになるのは、その直後の血糖値を上げすぎずにインスリンの負担を減らすこと。 そのための食生活や運動が重要。具体的にどのような食生活・運動を心がければいいのか?=糖尿病対策・予防の運動=運動というのは、血液中のブドウ糖をうまく利用できるということですすめられている。運動することで、食事で増えた血液中のブドウ糖がエネルギー源として消費される。 日頃から続けていけばインスリンの負担が減り、血液中でのブドウ糖のためすぎを防ぐことにつながる。 しかも激しい運動でなくても大丈夫。ウォーキングを中心とした軽い有酸素運動がオススメ。食後30分から1時間後に血糖値は上昇してくるので、できるだけ食後1時間後くらいに、15分~30分程度のウォーキングを心がける。=最も重要なのは、食生活=女子栄養大学 栄養クリニックは糖尿病の患者さんへの食事指導を行っている。食生活で大切な事は何?食事をすると必ず血糖は上がるが、血糖値を急上昇させない食事の仕方が大事になる。つまり、血糖値の上昇を緩やかにする食品をとることが重要。その結果インスリンへの負担が減り、糖尿病対策・予防につながる。まず大切なのは、主食の見直しから…最近、菓子パンを食事代わりにする方が増えてきている。 菓子パンには砂糖が多く含まれており、血糖値を急上昇させてしまう。パンを食べるなら『全粒粉パン』『ライ麦パン』などがオススメ。胚芽やライ麦の中には「血糖値を急上昇させない食物繊維が多く含まれている。糖尿病対策・予防の食品キーワードは、糖質を緩やかに吸収させる食物繊維。主食としてよく食べるご飯は、食物繊維を多く含み血糖値の急上昇を抑える『玄米』がオススメ。さらに、食物繊維は、キノコや海藻類にも多く含まれる。麺類好きは多いが 麺類単独だと血糖値が急上昇する。麺類には『ナメコ』『ワカメ』を入れて食べるのが糖尿病対策・予防に良い。お菓子類も要注意。甘い菓子には血糖値を急上昇させる砂糖が多く含まれている。甘みが欲しいという方多いが その際には、季節のフルーツやトウモロコシやお芋類がよい。朝の果物は?とてもいい。果物の糖は果糖。今はさくらんぼなんかがおいしい。 さくらんぼは皮ごと食べるというのも重要。 皮も食べると必然的に食物繊維もとれるということ。リンゴなんかもそう。甘い物は季節の果物をとる。 しかも、なるべく皮がついていた方がいい。あと主食。主食は量が多い。ですから白米よりは玄米。 しかも食べるスピードが必然的に緩やかになり血糖値の上がりが緩やかになる。そば・うどんはキノコ類や海藻を入れることによって血糖値の上がりが緩やかになり、インスリンに分泌の負担がかかりにくい。主食の摂り方かなり工夫が大切。糖尿病は自覚症状がすぐには現れないので、定期健診などで自分の今の状態を把握して、しっかりと対策・予防を!