今年も熱中症危険信号!
はなまるマーケット(2008/7/17放送)とくまる より今年も熱中症危険信号!命にもかかわる「熱中症」急に暑くなった今月、早くも、9歳の男の子が駐車場に止めてあった車の中で熱中症で死亡したほか、 体育の授業中に十数人が気分が悪いと訴え、男女5人の生徒が病院に運ばれた。そう、あなどるなかれ、熱中症は死にも至る危険な病気です。気になるこれからの気象予報はどうなっているのでしょう?気象業務支援センター・気象予報士さんによると今年の夏は、全般に暑くなるという予報。気象庁の予報でも9月まで暑いと言われている。7月は不安定な部分もあるが、長い夏がやってくると思われるそうだ。杏林大学 高度救命救急センター・山口先生によると熱中症の発生には、2つのピークがある。1つは、暑い日が毎日続くお盆のあたり。 もう1つが梅雨明けの時期。梅雨が明けたころというのは、湿度も高く温度も急に高くなる。しかし体がまだそれに慣れていないのが原因だと思われる。=熱中症とは=体温の調節機能が破綻するなどして体内の水分バランスが崩れ発症する 体温を下げる能力が追いつかなくなって起こる症状。=熱中症の主な症状= ・めまい・大量の発汗・頭痛・吐き気・意識障害・痙攣・高体温 【死に至る場合】・心不全・臓器不全・血液凝固障害 熱中症は まさに命に関わる疾患。軽く見られている方も多いが、心臓がダウンしてしまうほか 色々な臓器が悪くなり、血液も組成が変わって血が止まりにくくなるような状況が起こる。どんなところで多く発生しているのでしょう?なんと一番多いのが、自宅。炎天下の激しい運動とか作業中というイメージがあるが実は家庭で、何気ない普通の生活をされていて発症する方が多い。ここが注意点。熱中症の発生場所別患者数(2007年度 主要18都市)国立環境研究所調べ 運転中 688人 自宅 1,450人 公衆場 649人 作業中 894人 屋外 1,043人 屋内 83人 その他 295人 総計 5,102人 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆意外と知らない「熱中症」の盲点熱中症の発生場所として意外と多いのが自宅や寝室で意識を失っているパターン。部屋の中でエアコンや扇風機などもなく、窓も閉めきったまま。室内は蒸し風呂状態。同じ事が日中作業する主婦のみなさんにも言える。エアコンもつけずに休みなく作業を続けて、しかも窓は閉めきったままというのは、とっても危険。室内だから大丈夫と思って いたら、大変なことになってしまう。<熱中症の危険な要因 3つのカギ>温度 湿度 風 汗というのは体温調節に非常に大事。汗をかいたものが蒸発するときに、体から熱を奪ってくれる。ですから湿度が高かったり、風通しが悪かったりすると、汗がうまく蒸発してくれないので、熱中症にかかりやすくなってしまう。例えば、エアコンとか扇風機が苦手だから、止めて寝ているとか…それで朝起きるとどっと疲れている。気温を下げる必要はないが、ドライとかの機能を利用して湿度を下げてあげるとか、 換気扇や扇風機で換気を図ってあげるということも大事。なるべく空気が動いている状態を作るということが、体温を下げるということで大切になるということ。窓を閉めきっていても、扇風機をつけるだけで違うのか?空気の流れを作ってあげるということが助けになる。◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆「熱中症」の盲点 急激に上昇する車内温度毎年、必ず起こる車の中での子どもの死亡事故。これはもう犯罪だと思われる。閉鎖された空間で、湿度も高く温度も急激に上昇するので、 お子さんも熱中症にかかる条件がすぐに整ってしまう。=車内温度の上昇実験結果 =(実験開始時 28.1度) 後部座席:10分後32.4度 ⇒30分後36.2度 助手席:10分後33.6度⇒ 30分後41.6度 ダッシュボード:10分後43.6度⇒測定不能(55度以上)子どもが寝ているからとか、ほんのちょっとだからと思うと大変なことになってしまう。ダッシュボードが熱せられ、そこが熱源となり車内の温度が上昇する。 車内温度はすぐ上がるということを忘れないで!◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆意外と知らない「熱中症」の盲点実はベビーカーも意外と危険!大人の顔の高さは、30.7度。一方、ベビーカーの赤ちゃんの高さのところでは、32.5度。だいたい2度くらい温度が違う。地表に近いほど風が弱くなるので、熱が奪われにくくなる。それから、地面に近いほど地面からの熱を受けやすいので、 下にいくほど熱いというのが一般的な傾向。また、直射日光を避けるためにタオルをかけたり、梅雨時、雨よけのレインカバーをかけるのも熱がこもってしまうので注意が必要。炎天下を長時間歩かない。こまめに様子を見てあげるというのが大切。陽が高くなる前の午前中に、ちゃんと日よけの帽子もかぶって作業をしているにもかかわらず、 熱中症で運び込まれる方がいる。ヒートアイランドということで、朝方の気温が下がりにくい。 9時ごろには、毎日30度を超えている。今では、朝だから午前中だから大丈夫ということは、ないのだ。さらに、外で作業する場合の盲点がもう1つある。上着をきているので、熱が逃げる場所がない?日焼けしたくないからとか、あるいは、痩せたいからといって、 あえて汗が中から逃げないような服を着ていることが多いがこれは熱がこもってしまって、非常に危険。<熱中症の予防 >1.暑さを避ける ・日陰を歩く ・帽子をかぶる・日傘をさす ・外での活動をひかえる 2.服装を工夫する ・吸水性 通気性に優れた素材を着用・黒色系を避ける 3.日頃の体調管理 ・寝不足 飲み過ぎなどを避ける・朝食をしっかりとる 4.こまめな水分補給・のどが渇いていなくてもこまめに好みの水分をとる 特に注意が必要なのはご高齢の方!のどの渇きを感じるのが少し鈍くなっている。なのでそ の前にこまめに水分を摂ることが大事。私たちは知らない間にたくさん汗をかいている。一晩で寝ている間にかく汗の量は、500ml~1リットル!知らない間に蒸発している。◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆知らないと危険!熱中症の症状と対処法環境省の熱中症環境保健マニュアルによると、症状は3段階に分かれる。最も軽いのがI度。これは適切な処置をすることによって、速やかに回復することができる。重症度I度の症状は、めまいや立ちくらみがする。大量に汗をかく。筋肉のこむら返りがあるなどの症状。大人の場合には足がつるという形で症状が出ることが多い。お子さんの場合には、筋肉がつるということで、お腹の痛みを訴えることがある。 お子さんの腹痛は、熱中症のサインとして注意が必要。このような症状になった場合の対処法は?まずは涼しい所で体を休ませることが大事。そして、水分と塩分を補給するのがポイント。 塩分の補給は大事なポイント。足がつるという症状も、この不足からくるもの。症状が出てきたら、水分と塩分がとにかく必要。水分と塩分といえば、ビールと枝豆でもいいの?それでは水分を補給したことにはならない。ビールのようにアルコールを含んでいるものとか、 コービー・紅茶のようにカフェインを含んでいるものは、利尿作用があるので体の中の水分として利用しにくい。塩分とアルコールやカフェイン以外の水分を一緒に摂るのが、熱中症改善のカギ。例えば、梅干しや塩昆布などを、水分と一緒に摂るのも効果的。家庭で熱中症対策ドリンクを作り置きすることもできる。疲労回復効果のお酢、熱中症対策に欠かせない塩、エネルギー補給のハチミツ。<熱中症対策ドリンク>材料:リンゴ酢大さじ1 ・塩1g・ハチミツ・大さじ1・水470ml作り方・塩を酢に入れ、よく溶かす。 ・さらにハチミツに加えてよく混ぜる。・水を全体が500mlになるまで注ぎ入れ完成。重症度II度の症状は、ひどい頭痛、吐き気やおう吐、体がだるい。対処法は 涼しく風通しのよい場所で、体を楽にし、足を高めにして休む。 もちろん、水分と塩分の補給も欠かさない。<熱中症の症状と対処法 >I度 めまい・たちくらみ 大量の発汗 筋肉のこむら返り → 涼しい場所で休む 水分と塩分を補給 II度 頭痛 吐き気 嘔吐 倦怠感 → 涼しい場所で足を高くして休む 水分と塩分を補給 医療機関を受診 III度 意識障害 痙攣 手足の運動障害 高体温 → すぐに救急車を要請 水や氷で体を冷やす 意識がない場合は水分を与えない 熱中症対策ドリンクは、塩分はもちろん欠かせないが、 糖分が入っていることで吸収を早めてくれる。ただ激しい運動とかで大量に汗をかく時には、 汗の中の塩分の成分がもっと濃いので、これの2倍くらい塩分を加えてもよい。重症度II度になると、水分の摂り方でもちょっと違ってくるのが、吐き気や嘔吐があるということ。吐き気や嘔吐があると、自分で水を飲むことができません。医療機関で点滴で水分を補給することが必要になるので受診をする。さらに、III度になると、意識障害や痙攣なども起こってくる。すぐに救急車を呼ぶということが大切。救急車が来るまでの間も、積極的に体を冷やすことが大事。 太い血管が体表面の近いところを走っているのは、首筋、脇の下、足の付け根。 こういうところを積極的に冷やすと効果的。