木曽路
2009/08/23 domenica一度行ってみたかったのです。藤村が特に好きなわけではありません。小説「夜明け前」が、特に好きなわけでもありません。ただ、最初の1行に憧れただけなのです。遅ればせの夏休み、まだ見ぬ木曽路を訪ねることにしました。中央本線塩尻で下車し、数年前あちらに引っ越してった友達と、久しぶりにあってお蕎麦を食べた後、各駅停車で南木曾に向かいました。ホントは折角ローカルに乗ったのですから、一駅毎に降りてみたいところです。でも、2時間に1本くらいしか電車が通っていないのですから、そんなことしてたら今日中に宿に着けません。せめて、車窓に貼り付いて、宿場町の様子を覗うしかありません。一寸降りてみたかった、奈良井宿です。かつては、木曽路1番の賑わいだったとか。南木曽駅から宿のシャトルバスに乗り、妻籠で降ろして貰います。宿場町としては最初に重要伝統的建造物保存地区に指定されたという妻籠宿です。途中で美味しい葛きり食べたりし乍ら、約2時間ほどブラブラしました。メインはやっぱり脇本陣奥谷(重要文化財)。明治になって許された木曽檜をふんだんに使って建てられて、ひときは立派です。ところが、一歩踏み込んだとたんに真っ黒に燻された材木の強烈な臭い。これまで随分古民家見ましたが、これほど強い臭いを知りません。木曽檜独特のものなのでしょうか、私には一寸応えました。町の外れまで来ると、道は直角に曲がり1段低くなっています。枡形跡というらしい。外敵を防ぐための城郭建築の手法を用いてるのだそうです。街道に沿って木曽川が流れています。石というか岩が多く、途中には、寝覚の床という景勝があるようです。再びシャトルバスを待って、ホテルに向かいました。かなり山を登ったところに、ど~んと現れる大型ホテル。バスで西からの団体客が多いようです。裏で、天然記念物の木曽駒を飼っていると聞いたので見に行きましたら、8頭もが食事中で驚きでした。