「容疑者Xの献身」 東野圭吾
2008/08/15 ven.容疑者Xの献身文庫化されるのを待ってた作品です。前2冊の探偵ガレリオシリーズは、短編集だったけれど、これは初めての長編。しかも、直木賞を始め、幾つもの賞を獲得しています。なかでも「本格ミステリ・ベスト10」で1位を獲得したことは、期待を大きくさせます。もっとも、本格ミステリの定義もいろいろで、実際、この作品についても議論があったと聞きます。で、読んでみてどーかといえば、期待が大きかった分、淡々としたもの。想像通りに進んでいくというところもあって、ミステリある程度読んでると、やっぱり楽しめないのかな?と一寸残念になります。感動したとか号泣したとかいう感想は、これが純愛物語だからなので、決して社会派ミステリではないのが、後味悪いです。そもそも、探偵ガリレオの個性で面白くしているシリーズに、もう一人個性の強い登場人物が加わったかのような始まりだったので、一寸は新たな期待もしたものの、直ぐに潰えて、この人物が2度とシリーズに登場しないだろうことは、むしろもったいないように思えました。さて、この作家を読み続けるかどうか?このシリーズを読み続けるかどうか?