2012年の演奏会を振り返って、オーケストラ編
2012年コンサートを振り返るシリーズ、ここからはマーラー、ブルックナー以外で、印象に残った演奏会を書きます。まずはオーケストラ。 2月17日 大植,大フィル/田園、春の祭典 (ザ・シンフォニーホール) 3月 9日 広上,東フィル/黛敏郎 涅槃交響曲ほか (サントリー) 3月10日 秋山,東響,神尾/コルンゴルド Vn協奏曲,スクリャービン「法悦の詩」 (サントリー) 9月21日 佐渡裕/東フィル 映画「ウエストサイドストーリー」 (東京国際フォーラム)10月15日 フェドセーエフ,チャイコフスキー響/チャイコフスキー「悲愴」ほか (サントリー)12月22,23日 大植,東フィル/ベートーヴェン交響曲第9番 (22日サントリー,23日オーチャード)大植&大フィル、2月大阪での田園・春の祭典の完全燃焼に心打たれました。あと大植&東フィル、年末のベートーヴェン第九も、ロマン的で熱い音楽に感動し、いまさらながらこの名曲の偉大さを再認識しました。しばらく歓喜の歌のメロディーが頭から抜けませんでした。10月のフェドセーエフとチャイコフスキーシンフォニーオーケストラのオールチャイコフスキープロの、魂のカンタービレに感動。悲愴という名曲の偉大さも、あらためて再認識しました。3月の広上&東フィルは、メインの涅槃交響曲をはじめとして4曲すべてが黛敏郎作品という好企画にブラボーでした。同 じく3月の秋山&東響は、大好きなスクリャービンの4番お目当てで聴きに行きました。秋山さんの堅実な指揮、東響の高いレベルで聴けました。ただ残念だっ たのは、鐘です。この曲のクライマックスで延々と打ち鳴らされる鐘は、大寺院の梵鐘のようにグオーーン、ガオーーンと腹底に響いてこそ、感動のエクスタ シーに達するというものです。しかし今回はギーーン、ギーーンという、やたらと金属的で耳に刺激的なだけの高音で、いささか感動が萎えてしまったのは僕だ けでしょうか(^^;)。ところで僕の席からは、どこでどんな鐘を鳴らしているのかわからなかったので、終演後に舞台そばに行って、後片付けをしている打 楽器奏者のかたに尋ねてみたら、指し示して教えてくれました。なるほど、雛壇上にバケツくらいの大きさの鐘がおいてありました。東響の所有する鐘かどうか お尋ねしたら、そうではなくて、いろいろな楽器をレンタルしてくれるお店からのレンタルだそうです。へぇー、そういうお店があるんですか、勉強になりまし た。・・・それにしても、この曲のクライマックスでフルオケがびんびんと鳴っている場面で、このバケツ大の鐘ではいかにも悲しすぎます。もっとこう、大きく て重厚な音のする鐘はないものでしょうか。。。予算不足のおり、鐘はあっても、かねがない、のかも??この3月、涅槃の鐘と、法悦の鐘と、はからずも日露梵鐘合戦となった月でありました。今回の鐘は、涅槃の貫禄勝ちでした!あ とオケもので変わった企画では、佐渡さんによる、映画「ウエストサイドストーリー」の生オケ伴奏上映が良かったです。映像を大スクリーンで上映し、歌とセ リフは映画の音声をそのまま使用しつつ、伴奏だけはオーケストラがその場で生演奏するというものでした。キワモノかもと、心配しましたが、そんなことはあ りませんでした。僕はこの映画を見たのは初めてで、大スクリーンによる映像に、生オケによるバーンスタインの音楽がきらきらと輝き、感動のひとときでし た。