FMシアター「はるかぜ、氷をとく」を聴く
1年ほど前から、NHK-FM土曜夜の番組「FMシアター」を頻繁に聴くようになりました。もともとラジオドラマは好きでしたが、この番組を以前はほとんど聞くことはありませんでした。 ラジオと言えば、通勤中に聴くとか、たまたまつけたときに面白そうな番組だったら聴く、という生活習慣で長年過ごしてきました。(唯一「きらクラ!」だけは、パソコンで録音して後から聞くという、積極的な聴取をしていました。)そのようなラジオとの付き合い方が大きく変わったのが、「聴き逃し配信サービス」という便利なものを知ってからです。自分の好きな番組を、自分の都合の良い時間に聴けるので、本当に便利です。それでいくつかのお気に入りの番組を聴くことが僕の中でルーチン化されて、1週間の中のどこかで聴くというライフスタイルになりました。「FMシアター」も、それらの番組の一つです。ここ1年ほどは、8~9割くらいを聴いています。毎回毎回、涙、笑い、さまざまな味わいのラジオドラマを聴くことは楽しいひと時ですし、とても感銘深い作品に出合うことも多いです。「はるかぜ、氷をとく」は、2021年3月に初回放送されたということですが、僕はこのときは聴いていませんでした。2021年10月に再放送されたものを、僕は初めて聴きました。この1年聴いてきた中で、僕の心にもっとも残る作品でした。福島の原発事故後、自主避難した姉と、避難しなかった妹。事故後10年を生きてきた、それぞれのつらさと、ふるさとへの思いが、それぞれの子供の思いとともに、日常生活のリアリティをもって、大げさでなく、声高でなく、そして前向きに、語られていました。この作品が、2022年3月19日土曜日に、再々放送されました。令和3年度文化庁芸術祭優秀賞を受賞したということです!今回もう一度聴き、感銘を新たにしました。脚本が素晴らしいですし、出演者の皆様の自然な語り口に聞き入ってしまいます。音楽に関しては、スピッツの「田舎の生活」という曲が実に印象的に使われています。また時々静かに流れるBGMも、目立たず、美しく、心に沁みます。今なら「聴き逃し配信サービス」で26日土曜日の夜まで聴けます。ご興味ある方お聞きになってみてください。「はるかぜ、氷をとく」【出演者】 酒井若菜 新山千春 三村和敬 中村天海 【作】 渡辺あや 【音楽】 岩崎太整 【スタッフ】制作統括:鹿野恵功 技術:大塚茂夫 音響効果:野村知成 演出:小林涼太 NHK福島放送局の番組特設サイトもあります。こちらです。https://www.nhk.or.jp/fukushima/harukaze/