第30回記念 大阪国際女子マラソン (ボランティア)
国際とは名ばかりと揶揄される「高槻シティ国際ハーフ」がすんで一週間後の1/30(日)、こちらは国際と呼ぶにふさわしい「大阪国際女子マラソン」が開催された。 スタートラインに立てるだけでも市民ランナーとしてはステイタスである。 必要な資格は以下のいずれか。マラソン: 3時間15分以内30km走: 2時間13分以内ハーフマラソン: 1時間30分以内20km走: 1時間25分以内10,000m走: 37分以内 来る大阪マラソンのコースの目玉のひとつが御堂筋を走れるというもの。私はそれに魅力を感じないが、それを喜ぶランナーがいることはわからなくもない。ただ大阪マラソンで御堂筋を走るにはエントリー費が\10,500必要である。ところが、こちら大阪国際女子マラソンは、同じように御堂筋を走れて、参加費は\5,000。もちろん後者には、陸連登録費やら参加資格を証明する大会への参加費やら、それ以外のところで経費がかかるわけではあるが、それでも参加費\5,000はお得というか、良心的な価格設定という気がする。 大阪国際女子マラソンの参加者数は名簿で532人。招待選手とペースメーカーを入れて550人。この人数だと大赤字なのは明らか。同日開催される大阪ハーフマラソンが4,000人でこちらも参加費\5,000。これを財源として、なんとか普通の赤字におさめているといったところか。 今回ボランティアをして、都心部大規模大会にかかるコストの一端を知った。都心部でも河川敷を何往復もしていれば安上がりだが、大通りを閉鎖して行う大会は何かと経費がかさむなぁとつくづく思った。 私は、下のコース図で、右下寄りののコーナー「今川2」交差点近くで沿道自主整理員を務めた。 午前10時、最寄り駅である関西本線東部市場前駅に集合。ボランティア・リーダーの方がまず出席をとった。そして備品の入ったミズノの大きな紙袋を渡された。 紙袋の中は、キャップとコート。どちらもまっ黄色。それにネックストラップも付いていた。ウェアは肩にミズノのマークが入っていて、結構丈夫なつくりである。用途からすれば一日分の耐久性があればよいのだが、これなら後々も使えるレベル。大会の参加記念品2回分相当だ。 そして大会パンフレット。ボランティアも貰えるのだ。大会パンフをみると、参加者の年齢と体重までもが書いてあった。女性だと年齢だけでも嫌がる人がいるだろうに、体重まで載せるとは驚き。国際だとこうなのかな。 それと\1,500。『えっ、ボランティアなのにお金!?』 そう、交通費・食費という名目で一律\1,500が現金支給されるのだ。そこから\500を弁当代としてすぐに支払った。 コース中の交差点という交差点、全てに人を立てて、それらの人に、この装備と\1,500だ。服装備品はミズノの協賛(?)だとしても、よそに回せるコストがここに投じられているという点では同じコストであることに変わりはない。 それと大切なリーフ、『自主整理員実施要領』。 この大会ではボランティアという呼び名は使わず「自主整理員」と呼んでいた。このリーフに自主整理員の務めとそれに必要な心構えが書かれてあるのだ。 配置される場所は、歩道橋・横断歩道・交差点・沿道・関門・自転車置き場・地下鉄出入り口・競技場で、歩行者の交通整理と監視につとめるのが役目だ。 車の交通は配置された警官が取り仕切る。警官は信号機BOXの鍵を持っていて、機器の設定をすると、コース方向が青信号固定になった。通せるタイミングがあるときは、歩行者と車の横断を警察官が誘導しておこなう。 大型店舗の駐車場出入り口では、警備員が立って交通整理につとめているが、あの警備員の誘導に従って事故が起こっても責任は結局ドライバー自身にあるのだろうから、誘導に盲目的に従ったらえらい目にあうと思っているドライバーは少なくないと思う。大会の自主整理員も同じ。下手に誘導でもして事故が起こったら大変。 ここで重要なことは、それでもボケっと突っ立っているだけより、交通整備に積極的につとめる方が、全体としては交通の安全に貢献できるのでは?という発想をしてはいけない点である。 「責任のとれない者は、最初から、責任のとわれる行動に出るな」 これは消極的なのではなく、掟なのである。その一線を守りつつ、どこまで現場の安全に貢献できるか。ただの木偶の坊で終わることなく。 自主整理員は、このような相反する課題と何時間も格闘しないといけない。いかにダメージのない走り方で速く走るかという相反する課題と闘っているランナーたちが、残らず全員通り過ぎるまで。 さて、現在10:30。国際女子は12:10に長居公園をスタートする。持ち場通過は12:40前だ。2時間前となった今、沿道にテープを張るのが最初の作業。渡された白いビニールテープを歩道と車道の間に張りめぐらして、コースの結界をこさえた。 去年までは、テープに大会名の刷り込まれた特注テープだったそうだ。予算カットで無地に。まぁ、妥当だろう。「こんなテープ貼るだけでも仰々しい。もっとイージーにやってる海外の大会を見習え」という意見もある。 ことが起こった時に十分な対策を講じていたか、という責任問題が、およそ一見余計と映る経費の発生源だ。なにかあればすぐ訴える被害者、それを支持しがちなマスコミ、安易にのせられて頷く大衆。つまるところ、日本人の総意が、このようなテープを必要とさせているのだと思う。 ところで、このテープには張り方があって、ランナーの通過する方向に張るのがルールだった。理由は、たるんだ時の障害になりにくさから。その注意書きをよく読んでいなかった私は、逆向きから張ってまわっていた。後から気付いた。ごめんなさい。 テープを張り終えると、ランナー通過までしばらく時間がある。ただし最初に国際女子の往路が通過すると、続いて反対側をハーフ、しばらくして国際女子の復路と連続する。少し早いが、余裕がある今のうちにお弁当タイムとなった。 用意してくれた弁当は、エビフライ2匹入りの大盛り弁当。お茶つき。 しかし、食べる場所は「そこら適当な場所」なので、晴れたから良いものの、雨だったら大変だった。何にもまして、晴れてくれたことが最高にラッキーだった。 <つづく>