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[四季折々の写日記] カテゴリの記事

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  秋海棠は明るい日陰がお好き

  　関西の花のお寺といえば名前があがってくるほどに、そこは名所になっている。　庭とお堂との釣り合いがよいのか、花の見せ方が上手いのか、よく知らないけど、花期の二週間ほどはたいそう賑わう。　最寄駅に降りたので寄った。寄ってみようかという気になったのは私がジョガーだからで、寺は往復で３キロを越す辺鄙なところにある。　花は五月の花。いまの時期に立ち寄る人はまずいない。　案の定、境内には人影なく、しんとしていた。　花のないことが、強調されているようだ。一年は五十二週間。そのうちの二週間だけある花は、残りの五十週間、のべつ幕無しに花のないことをにおわせている。　いっときだけある花は、よいものだろうか。　スポーツで栄光に輝いた人とか、一発屋と後ろ指さされてる芸人とか。華やかな一時期のあったことが、その他大半に陰を落とす。　大きな不幸はその処理に難しいが、大きな幸せもまた同じなのかも。　その花木の下で、秋海棠が咲いていた。

  2014.09.20

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  コスモス畑のまんなかで

  そこは田畑一面すべてをコスモスにあてていた。街中の一画だから眺めるのは無料で、しかも「切り花自由」と書いてある。手前ばかりを切られると見栄えが悪くなるせいか「奥から切ってね」とも。そのためのコスモス畑の奥へと続く踏みしだかれた道があった。写真を撮るために入り込んだ。まんなか辺りでは、一輪をとらえたその背景に、色とりどり華やかに咲き乱れるさまが、奥行もってぼんやりと映りこみ、いい感じ。でも、そのいい感じは「感じ」どまりなところがあって、実際にアングルを探しはじめると、条件の整った一輪は、これほどの数咲いているのに、なかなか見つからなかった。

  2014.09.19

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  街中の大山蓮華

  　すぐ近所で、幻の花、大山蓮華が咲いていました。　普通この花を見ようと思えば、近畿最高峰1,915メートルの八経ヶ岳を目指さなければいけないのですが、すぐそこでした。　咲いたと聞けば、なら見に行こうかと、早朝に起きて車を走らせること２時間、登山口から山歩き４時間。山頂で食事。下りて温泉。そういう一日をなんどか楽しみました。　大山蓮華を、山歩きのきっかけにしていただけですね。　それがすぐ近所で。　山に登らず見れる大山蓮華なら、もう高嶺の花ではありません。肝心の山へ引っぱりこんでくれる魅力がありません。　でもこの花に会ったおかげで、大峰の山地図を眺めたくなりました。

  2014.05.22

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  街中のハマユウ

  　街中をランニング中、通りすがりの家の外塀の植え込みに、その花は咲いていた。　『あまり見かけない花。……ん？　これは、もしかして？』　海岸に咲く花として知られているハマユウである。　ハマユウをハマユウとして、しげしげと見たことは記憶にない。写真によく見るような、手前にハマユウが咲いていて、奥に小粒の石の浜が広がっている風景を、いつか見たいと思っていた。広い海に対して、線の細い白い花が、なんとなく寂しげで儚くて、昭和のエレジーを感じさせる、あの構図で。　それが埃っぽい道路の脇で、盛んに咲いていた。　海岸ならバランスよくおさまるのかも知れないが、ごちゃついた街中ではずいぶんとボリュームを感じさせるスケールを持っていた。意外と大柄な花なんだなぁ、というのが第一印象だった。　帰って調べてみると、ハマユウは街中でもときどき植えられているそうだ。ありふれてはいないけど、そう珍しいものでもないみたい。そして、一度注目したものは、次から気づきやすくなるのか、数日後、通りすがりの歩道の植え込みに、いまが盛りとみごとに咲き誇っているハマユウの株に出会った。　いままで気付かなかっただけで、実はあちこちで出会える花だったのか。花期のいまなら見つけやすいだろう。　それ以降、街中を移動中はいつも『ハマユウはないか、ハマユウはどこに？』とハマユウ探しをしながら移動するようになってしまった。

  2013.07.22

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  ブーゲンビリア　空元気も元気のうち

  ブーゲンビリア空元気も元気のうち

  2013.05.16

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  紅花常磐万作　クラッカーのように春ははじけて

  紅花常磐万作クラッカーのように春ははじけて

  2013.04.21

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• ミッキーマウスの木・サルビア

  　トップページのササユリはもう２ヶ月になりますか、ずいぶんと花期の長いササユリでありました。はからずもブログ七月中は長期休暇をとってしまい、盆の今になってようやく、前月分の日付けをせっせと埋めているといった有様です。イベントのあった日と書き付けた日付が大きくずれて、もうとうてい日記とは呼ばない状態です。一年ぶりにシステム手帳を使い出し、去年のカレンダー用紙をそのままフリーのメモ用紙として好き勝手に書き込んでいくようなことを、しょっちゅうしたものですが、ブログでもそんなことが出来て、しかも実行してしまうとは、これ性(さが)というものでしょうか。　…━[ミッキーマウスの木]━…ミッキーマウスの木(オクナ・カーキー Mickey-Mouse plant)です。　アフリカ原産でオクナ科になります。オクナ(Ochna)科とは聞かない科です。いつもお世話になっているウェブの植物図鑑で調べましても、このミッキーマウスの他に該当する種が見つかりませんでした。　この写真を見れば、ミッキーマウス、なるほどねぇ、と相槌を打ちたくなりますが、実際のところ、ミッキーマウスの木からミッキーマウスをフライデーするのは決して容易とは言えないのであります。赤い台が花で先端にアンテナのように一本花弁が立っています。その花弁を取り巻くように黒豆のようなモノが本来６個ほどぐるっと並びます。黒豆を耳に見立てるわけですから、落果して残２個の花がミッキーになれる花です。もちろんその２個は対角に残っていなければなりません。落果した後に黒い小さな点が残る場合があります。これを眼に見立てます。耳と耳の間に、小さな黒い点が２個並んでいれば顔正面で、ここまで条件の整ったものを見つけられたら、もう万歳三唱ものです。さらに何かの窪みや染みが鼻に見えたりしたら、パーフェクトです。　…━[サルビア]━…サルビア(sage)です。　サルビア、セージとつく花は多数あり、ラベンダーも含めて、これら夏にひょろっと涼しげに立つ花はシソ科です。サルビアの何かまで書きたかったのですが、調べ切れませんでした。　蒸し暑い空気が扇ぐウチワにしなりを足すほどと感じられもするこの炎天下、蜂も蝶もせっせと飛び廻り、蜜集めに精出してました。

  2007.07.28

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• 瘡の王・谷空木・茴香

  前回とりあげた花に誤りがありました。ヤマブキソウと記した花は正しくは「クサノオウ」でした。(ご報告ありがとうございました m(_ _)m)　…━[クサノオウ]━…クサノオウ(瘡の王 celandine)です。ケシ科です。山吹草もケシ科で近い種ではあるのですが、葉の形、芯の太さが違います。瘡(くさ)とは、傷口からばい菌が入って化膿する病気(丹毒)で、その特効薬がこの花だそうです。　…━[タニウツギ]━…タニウツギ(谷空木 weigela)です。スイカズラ科です。ウツギも種類が色々ありますね。どれも似ているし雑種もあるようなので、断定するのは厄介です。ですが、この谷空木は名札がついていましたから、おそらく間違いないでしょう。赤いものがタニウツギだと思っていましたが、いま図鑑を見ると、ピンクが標準で白もあるそうです。つまり、なんでもありです。　…━[フェンネル]━…フェンネル(茴香 fennel)です。セリ科です。細かい粒上の花が密集して咲くのがセリ科の特徴ですね。茴香は「ウイキョウ」と読み、漢名に音をあてたもの。実の油は香味料・薬用になるそうです。「茴」という字を漢和辞典で引いてもこの茴香のことしか載っていませんでした。葉は魚料理にあうハーブです。

  2007.05.31

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• 山吹草・立浪草

  　…━[ヤマブキソウ]━…ヤマブキソウ(山吹草 [学]Hylomecon japonica)です。ケシ科です。黄色のトーンが山吹とそっくりです。写真の山吹草は金剛山の林道にて。山吹はもう姿を消して、バトンタッチしたかのように、山吹草が幅のある谷沿いの林道の傍らなど日当たりの良いところで、この山吹草がたくさん咲いていました。vv【訂正 2007.6.7】写真の花はヤマブキソウではなく、クサノオウでした。^^　…━[タツナミソウ]━…タツナミソウ(立浪草　skullcap)です。シソ科です。タツナミソウは仲間が多く、オカタツナミソウ、オオタツナミソウ、ヤマタツナミソウ、ムニンタツナミソウ、シソバタツナミソウ、ハナタツナミソウなどがありました。英名 skullcap のskullは頭蓋骨のことで、skullcapは(縁なしの)帽子を意味します。おそらく、花上部の形が頭に被るものに見えるところからと思われます。写真の立浪草も金剛山の林道にて。

  2007.05.28

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• ムシカリ・二輪草

  　…━[ムシカリ]━…ムシカリです。ウツギ、テマリカンボクと同じスイカヅラ科です。落葉低木で紅葉します。ガクアジサイが咲いているような木を山中で見れば、それはムシカリかも知れません。写真のムシカリは奥駈産です。　…━[ニリンソウ]━…ニリンソウ(二輪草　ガショウソウ)です。キンポウゲ科で、学名がAnemone flaccidaといいますから、アネモネに近い種のようです。フタリシズカのように２本出るところから二輪草というそうですが、シングルもたくさんありました。金剛山カトラ谷のニリンソウ群生はちょっと有名なお花畑光景だったようですね。私はカタクリを探しにいってたまたま知りました。写真はそこで写したものです。

  2007.05.15

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• 華鬘草・墨田の花火

  　…━[ケマンソウ]━…ケマンソウ(華鬘草　鯛釣り草　bleeding heart)です。華鬘とは花輪の首飾りです。英名はbleeding heart。bleeding は「出血する」。おどろおどろしい名前がついています。似ているように見えないのですが、ポピーと同じケシ科です。さらには鯛のように見えず、私は海ガメの赤ちゃんに見えます。　…━[墨田の花火]━…墨田の花火(額紫陽花の一種)です。八重の額紫陽花で、中央部にもはじけるように花が咲きます。動きを感じさせる形は、名前のとおり花火を連想させます。隅田川の花火大会だろうから「隅田」では？と思ってしまいますが「墨田」が正しいようです。(実はよくわかりません^^;)今回は少し遊んで、実際の花火の写真と合成してみました。(花火は隅田川の花火ではありません)どうも花火のほうが勝って紫陽花の魅力がいまひとつになってしまいました。

  2007.05.12

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• 棕櫚・紫花菜

  　…━[シュロ]━…シュロ(棕櫚 hemp palm)です。hemp は麻繊維。palm はヤシ、シュロです。palmには「手のひら」という意味があり、シュロの葉が手のひらに似ているところから、シュロは palm になりました。ヤシ科です。棕櫚と聞いて思いだすのは近松門左衛門の『曾根崎心中』です。棕櫚と松との相生の下で二人は果てるのですが、棕櫚と松が相生になる図が私には想像できませんでした。相生の癒着度にも幅があるので、単に根が近いというだけだと思うのですが、全国方々にある夫婦杉のように、二股に近い棕櫚と松の相生もあるのでしょうか。　…━[ムラサキハナナ]━…ムラサキハナナ(紫花菜 sweet rocket)です。紫花菜のほかに、諸葛采、オオアラセイトウ、花大根という名もあります。sweet rocketは「良い香りのする打ち上げ花火」と見ればよいのでしょうか。アブラナ科です。４弁の花びらが十字架に見えるところから、アブラナ科の花のいくつかは十字架植物と呼ばれています。

  2007.05.01

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• アニソドンテア・衝羽根朝顔

  　…━[アニソドンテア]━…アニソドンテア(Anisodontea)です。　アオイ科です。アオイ科といえばハイビスカスやムクゲがそうです。中心部が紅くなるところはムクゲと似てますね。　花期は4～11月というから年中咲いている感じです。そこそこ大きく華やかな桜色、花の数も多いので、通りから目に付くところに植えれば、いつも花の咲いている家を効率よく演出できるのではと思います。　…━[ペチュニア]━…ペチュニア(衝羽根朝顔　Petunia)です。　ナス科で、代表的な園芸種です。サフィニアと呼ばれる類似の品種もあります。上のアニソドンテアと同じで花期が4～9月と長く、花は華やかで大きく、これもまたtransitionallyよりconstantlyを求めるところに向いてそうです。　花の形がこの写真からは分かりませんが、和名通り朝顔に似て、華やかで柔らかい雰囲気を醸し出す花でした。

  2007.04.25

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• ホワイトツリー・花水木

  　…━[ホワイトツリー]━…ホワイトツリー(エレモフィラ・ニベア silky eremophila)です。　エレモフィラ・ニベアは学名です。　ハマジンチョウ科というあまり聞かない科でした。ハマジンチョウは漢字で浜沈丁と書き、この字から想像できる通り、輪郭のはっきりした濃い緑の葉と弾けるように反って開く花を咲かせる、いくぶん沈丁花に似た花木です。ホワイトツリーはそのハンジチョウにあまり似ていません。　銀葉アカシアや白妙菊など恒常性樹氷な植物はいくつかありますが、このホワイトツリーの白さもなかなかのものです。ホワイトツリーという名は白山やモンブランと同じですから、それぐらいはないと名前負けです。　…━[ハナミズキ]━…ハナミズキ(花水木 dogwood)です。　アメリカヤマボウシとも言います。山法師と同じミズキ科です。　花水木は過去に春と秋で２回取り上げています。３回目にもかかわらず取り上げる理由は、蝶の寄り添う一枚が撮れたからです。以前、ソラマメの白い花を覗き込んだときに擬態しているモンシロを２匹見つけました。このハナミズキに乗っかるモンシロもぱっと見ぜんぜん分かりませんでした。モンシロはなかなか擬態がうまいですね。　休息中だったようでカメラを寄せても逃げず、ちょっと楽しい一枚が撮れました。

  2007.04.18

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• 編み笠百合・大待雪草

  　週末に１０キロコースを再び走りました。新調したシューズを使いました。履き心地は良く軽快に走れました。これで５分は縮まったかなと思ったのですが、ゴールしてみたらわずか１分早くなっただけでした。　フルマラソンに比べたら１０キロは短いけど、力をごまかせない距離分はあるなと感じました。　…━[アミガサユリ]━…アミガサユリ(編み笠百合,貝母 fritillary)です。　バイモという名もあります。バイモは漢名「貝母」の音読みです。編み笠百合よりもう少し園芸向きなフリチラリアという品種もあります。英名のfritillaryはそれらと一括りにした名前です。ユリ科でクロユリに近い仲間です。　…━[スノーフレーク]━…スノーフレーク(大待雪草 snowflake)です。　スズランに似ているところから鈴蘭水仙とも呼ばれます。仲間にスノードロップという花があり、そちらを待雪草と呼びます。背の低い待雪草を大きくしたスノーフレークが大待雪草というわけです。　スズランはユリ科ですが、こちらはヒガンバナ科になります。　ちょんちょんとあしらった緑のワンポイントがおしゃれです。なぜここに緑の点が要ったのか、花に問い詰めてみたい気がします。

  2007.04.15

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• 梨・銀葉アカシア

  　今日(4/8)はチャレンジ山岳に参加してきました。でも大会のことは、4/8の日付で書かないと、見た人が日付を勘違いして迷惑をかけるかもしれないので、先にトップページの模様替えをしておくことにします。　…━[ナシ]━…ナシ(梨 pear)です。　pear は果実を指します。木をいう場合は pear tree です。日本語も同じで、梨といえば果実、梨の木といって木全体です。　梨の花に注目したのは初めてで、何か珍しいものを見たような気がしました。バラ科と知って、そういえばクサイチゴに似ているなと思いました。　梨の種類は二十世紀です。　…━[ギンヨウアカシア]━…ギンヨウアカシア(銀葉アカシア golden mimosa)です。　別名ミモザでこれは英名でもあります。mimosa はマメ科のある属の総称です。よって golden mimosa とさらに呼び分けれられています。goldenが花の色から来たものと思われます。しかし和名は花ではなく葉の色に着目したようです。白妙菊のような銀色に見える葉をつけるところからそう呼ばれました。(でも写真の葉は普通の緑色…)　マメ科と判って少し意外でした。というのはマメ科の花は全て、カラスノエンドウやフジがそうであるように、象の顔のような形になると思っていたからです。しかし、このボンボリ型の花は象の顔とは似ても似つかない形状です。葉の形はマメ科らしい形です。　ネムノキも mimosa に含まれます。なるほど、ギンヨウアカシアとネムノキは共通点がありますね。

  2007.04.07

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• 空豆・紫木蓮

  　…━[ソラマメ]━…ソラマメ(空豆 broad bean, tick bean)です。　broadはブロードバンド(広帯域)のブロードで幅が広いことです。空豆のひしゃげた形からきているのでしょうか。　花に寄ってみれば側でモンシロが葉隠れ。なるほど！　薄く筋のはいるあたりなんかそっくり。ソラマメの花の擬態に成功していると信じきっているのか、あるいは単に眠りこけているのか、ガサガサとカメラを寄せてもまったく身動きしません。その奥にももう一匹います。ソラマメの花咲く小部屋はモンシロの寝床でした。　…━[シモクレン]━…シモクレン(紫木蓮 woody orchid)です。　orchid はランです。シモクレンを木に咲く蘭の花とみたのですね。漢字は木蓮ですから、木に咲く蓮です。蘭か蓮か、orchid or lotus? と思ったらモクレンは別に「木蘭」とも書くそうです。ただし、紫木蓮ではなく普通の木蓮の英名は magnolia です。この語はフランスの植物学者 Pierre Magnol(マニョル)からきています。　耐乾性に優れた大型肉厚の花は、中国原産と知ってしっくりときます。大陸のおおような雰囲気を周囲に与える大きな燭台は、春空に翳されて牢として逞しく映りました。

  2007.03.07

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• クロッカス・クレマチス

  　…━[クロッカス]━…クロッカス(花さふらん crocus)です。　クロッカスはイギリスでは春の花のさきがけとされているそうです。日本でいうと菜の花でしょうか。花さふらんともいうように咲き方がサフランにそっくりで、地面からキノコのように花が咲きます。　科はアヤメ科になります。一回り大きな花びらで贅沢な装いを楽しむのが、アヤメ科の花に共通してみられる特徴ですね。　…━[クレマチス・アンスンエンシス]━…クレマチス・アンスンエンシス(clematis)です。　クレマチスは品種が多くありクレマチス・＊という名の花が多数あります。この花は形が標準的なクレマチスと随分異なります。ネームプレートの隅に中国雲南省地域とありました。同種の中では変り種になるのでしょうか。　科はキンポウゲ科です。この科は異界の花をデザインしたシリーズだと私は思っています。

  2007.02.26

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• 雛菊・桜草

  　…━[ヒナギク]━…ヒナギク(雛菊 English daisy)です。延命菊ともいいます。咲き始めでまだ白一色。これから黄色い円が中央に見えてくるのでしょう。デイジーだけでヒナギクを意味しますが、アメリカではヒナギクを English daisy、フランスギクを oxeye daisy と呼び分けます。フランスギクを調べてみましたら、マーガレットに似た一重の菊とありました。oxeye は単語に分ければ雄牛の眼。真ん中に円があり八方に花びらのつく形こそ典型的な花の形で、花以外のものに映りようもないと思えるのですが、それは日本人的感覚で、よその国の人に目に見えるのでしょうか。daisy という語も語源をたどると、day's-eye から転じたものだそうです。　…━[サクラソウ]━…サクラソウ(桜草 primrose)です。桜草はサクラソウ科です。サクラソウ科の花を見ているとシクラメン、オカトラノオも含まれていました。ぱっと見の印象はずいぶんと違いますが仲間なんですね。primrose、プリムローズ、プリムラ、とカタカナ化されてますから説明の必要はなさそうです。prim-とつくのは「第一の」「主の」という言葉が多くあります。この白い桜草は上の白い雛菊と寄せ植えになってました。丸い鉢に丸く並べて、全周囲に向かって真っ白の花が咲いているのは、なかなかに見飽きないよさがありました。

  2007.02.14

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• 胡蝶侘助・ユリオプスデージー

  　…━[コチョウワビスケ]━…コチョウワビスケ(胡蝶侘助 camellia)です。　豊臣秀吉が天下を広げようと朝鮮に兵を繰り出したその昔、異国の地に立たされた一人の兵卒は常々想う故郷のそれとは少し違う椿をみた。無事帰ることの叶った兵はその椿を日本に持ち帰った。これが今の椿の一種ワビスケで、その兵の名を侘助といった。　サンドイッチは人の名前なんですよ、と初めて聞かされた人はたいていエッーと驚いたりしますが、ワビスケは人の名前なんですよ、と聞かされてもそれ以外になにがある？って返されそうですね。椿の一種があるんです。(-o-) ボソッ　camellia は胡蝶侘助の英名ではなく、広く椿一般のことです。カメリアはカタカナ語としておなじみの名詞ですが、これも人の名前なんですよ。　…━[ユリオプスデージー]━…ユリオプスデージー(grey-leaved euryops)です。　ユリオプスというのはキク科に含まれる属名のひとつです。葉や茎に細かい毛がつき、光のかげんによっては緑が銀色に見えます。そこからの grey-leaved なんでしょう。grey は gray に同じです。　菊といえば秋というイメージですが、ユリオプスデージーは冬に明るい黄色の花を咲かせます。

  2007.02.08

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• ストック・ビオラ・エリカ

  　…━[ストック]━…ストック(あらせいとう [紫羅欄花] stock)です。　英語でストックといえばまずは「在庫」です。ほかに登山用の杖もストック(stock)といいます。こちらはスキー用具からきた語でドイツ語のシュトックが転じた語です。似た発音をするステッキ(stick)という語は「棒状のもの」を幅広くいう単語です。老人が持つ杖を一般にステッキと呼びますが、登山で使う折りたたみ可能な杖もステッキと呼んでいます。　登山用の杖を買おう、まずは商品知識を得るためにインターネットで検索しようとパソコンに向かった人は悩みます。あれはストック？　それともステッキ？　登山用の杖はグリップの形状が２種類あり、折れ曲がっているかの違いで、Ｉ型、Ｌ型と呼ばれています。スキーで使うのはストレートの棒なのでＩ型ならストック。老人の歩行補助は大体折れているのでＬ型ならステッキとするのが正確な使い分けではないかと思うのですが、杖のメーカーはおそらくこの呼びわけには付き合えないでしょう。なぜなら１つのモデルを開発してグリップはＩ型派とＬ型派の両タイプを用意した場合に、モデル内のバリエーションの違いで製品のカテゴリーまで変わっては大変です。　で、どうするかというと難しいのですが、幸いここでの stock は花のアラセイトウを意味する語で関係ないから助かります。この写真では夾竹桃みたいな写り方をしていますが、アブラナ科で、つまりは菜の花の仲間です。花全体の雰囲気もよく似ています。菜の花の鮮やかなレッド版という感じです。　…━[ビオラ]━…ビオラ(viola)です。　violet というと一般にスミレで、この語は古期フランス語の「小さな」を意味する viola が語源です。ビオラはスミレよりも花がひとまわり小さくなります。ほかに弦楽器のビオラも viola と書きます。ビオラはバイオリンよりひとまわり大きくなります。バイオリンは violin と書き、この語はイタリア語の「小さな」を意味する viola が語源です。整理すると「スミレ ＞ ビオラ ＞ バイオリン」になるわけですが、「スミレ ＜ バイオリン」であることはいうまでもありません。　写真のビオラは正確にいうと「スーパービオラ」という「サカタのタネ」が開発した品種のビオラです。viola は小さいことを意味する語ですから、それに super がつけば「メチャちっさい」と早合点する人もいるかもしれませんが、スーパービオラは普通のビオラよりも花がひとまわり大きくなります。　ひとまわり大きいだとか小さいだとかややこしいですね。幸い今回とりあげたビオラはその大きさには注目していません。ブラックオパールというカラーで、これはかなり黒に近い色で、以前のチョコレートコスモス以上の黒さでした。　薄日の冬のさ中では黒がひときわ冴えて見え、冬には黒が似合うなと思わせられました。 　…━[エリカ ホワイト・ディライト]━…エリカ ホワイト・ディライト(heath)です。　昨年紹介したジャノメエリカの仲間です。筒状の小さな花を無数につけるエリカは見た目独特で、どこか遠い国から来た一属一種にも見えますが、サツキ、ツツジ、アセビなどと同じ仲間のツツジ科になります。エリカ属は世界に広く分布し600種を超えます。　'white delight'の delightは「目を楽しませる」の意。花の色が白から赤へと、先端から徐々に色づいていく楽しさからつけられた名前だと思われます。　見た目も触っても色もストローみたいでした。

  2007.01.18

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• 菊咲栴檀草・山茶花

  　木蓮の芽が出てました。花が大型なので準備も早くからです。ほかに目についたのは蛇の目エリカ。水仙も咲いてました。水仙といえば見たことないのですが、淡路島での群生が有名ですね。　…━[ウィンター・コスモス]━…ウィンター・コスモス(菊咲栴檀草 smooth beggartick)です。　smooth「すべすべした」beggar「貧乏」tick「行動?」で、『わかった！風に揺れる姿を貧乏揺すりになぞらえたものだ』と思ったのですがそうではないようです。　秋のコスモスと同じ、ゆらゆら風に揺れてました。ウィンターコスモスという名前がぴったり。　…━[サザンカ]━…サザンカ(山茶花 sazanka)です。　シンガシラとツバキは過去に紹介しましたが、サザンカはまだでした。「さざんか　さざんか　咲いた道♪」をイメージして撮りました。　英名がsazankaとあるように日本原産だそうです。椿は本来熱帯の仲間だと聞き、均一に濃い色使いになるほどと納得しました。日本辺りが北限だそうです。にしても熱帯系なら何も寒い冬に咲かなくてもいいのに、と思うのですが、どういう生態系に置かれての真冬の開花なんでしょう。

  2007.01.09

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• 紙八手・素心蝋梅

  　…━[カミヤツデ]━…カミヤツデ(紙八手 rice-paper plant)です。　小さい白い玉をたくさんつけた花房が目につきました。初冬に咲くそうです。　八つに裂ける大きな葉は「天狗の葉団扇」と知られるヤツデと同じで、紙八手はその葉の裏に綿毛をもつ点が違うのだとか。　英名は rice-paper plant。この木の茎を原料にして書画用紙を作るので「紙」ヤツデ。ライスペーパーと聞いて生春巻きの皮がまず思い浮かびましたが、本来食材ではなく「薄い上質紙」を指す単語のようですね。　…━[ソシンロウバイ]━…ソシンロウバイ(素心蝋梅)です。　前年冬から咲く黄色の梅は蝋梅です。蝋梅にはいくつか種類があり、このように花の中央に紫の筋の入らないものは素心蝋梅です。蝋梅の英名は wintersweet ですが、素心蝋梅にあたる名は見つかりませんでした。　一般に蝋細工と表現されるように、光沢、不透明感、厚みと反り具合からうける質感、指跡を残しているかのように歪むエッジなど、人工的に映る花です。　よみがえるのは石鹸細工の花。箱一面にずらっと並んだ石鹸がお歳暮の定番だった頃。乳白色の石鹸の真ん中にひとつだけ、こいつはちょっと違うんだぞ、高いんだぞ、心して使えよ、と花の彫刻の入っていた高級感ある半透明の石鹸は、風呂場ではなく洗面台の上、これは母の専用と暗に告げる場所に置かれました。その家には悪ガキがいて、文具ナイフの使いみちが鉛筆を削るだけというのに飽き足らなくなって、ナイフを手に家の中をうろうろ、ふとその石鹸が目にとまります。薄くすぅーと削ぐと、ちょうどこの蝋梅のような反りと光沢をした一片がぽとり。一片は次の一片を誘い次々と石鹸の花びらがナイフの刃先から落ち、洗面台の上に蠱惑色した悪戯の花が咲きました。花を握りつぶして手を洗ってきれいに証拠隠滅。本体の窪みは研いで滑らかに。その日母が洗面の方へ行くたびに、発覚しないか、届く微かな物音の並びにその気配を探ってどきどきしていました。　怒られることもなく、またしめしめと思い返すことも忘れて、記憶の底で押し花になっていた石鹸細工の花。蝋梅をみて思い出しました。

  2006.12.21

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• 南京黄櫨

  　山歩きの話を立て続けに書いたのに、まだ今日に追いつきません。一時期に集中して頑張るよりも日々積み重ねることの大切さを実感させられるときです。　冬は朝７時でもこれほど薄暗いのかと今更ながらに驚いたのが、朝からの自然観察の成果です。　木立ダリアも長く貼ったままなのでトップページ換装します。　今回の木は一週間ほど前のナンキンハゼです。今日は図書館へ予約していた本を取りに行き、ついでに今の季節の植物を写真に収めたいと思っていたのですが、あいにく朝から雨です。（昼前、ちょっと雨あがりましたね。なにか撮影できるかな）　…━[ナンキンハゼ]━…ナンキンハゼ(南京黄櫨)です。　英名は不明です。「櫨」一字でハゼとも読めて、ハゼノキというウルシ科の木があります。ハゼノキは pistachio と呼びますから Nanjing's-pistachio でそこそこ通じるかと思われます。^^;　白い実と紅葉の取り合わせが面白いので、公園の木として人気者なんだそうです。白い実はポップコーンがなったみたいで、とても目を惹きました。

  2006.12.06

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• 篝火草・木立ダリア

  　…━[シクラメン]━…シクラメン(篝火草 cyclamen)です。　球根は食用にしていたそうです。球根の形から「豚の饅頭」という別名も持ちます。篝火は下向きに咲くため立ち上がる炎のように見える花びらから。　cyclamen は cycle の転じたもので、開花前のこの傘のような「くるくる巻き」からきた名前です。　品種改良されたシクラメンは匂いがしないのですが、布施明の歌『シクラメンのかほり』で匂いが求められ、香りシクラメン「フレグランスミニ」が2001年に品種改良で作られました。『シクラメンのかほり』の歌詞を見ると、色はこだわっていましたが薫りは触れていませんでした。薫りのないところをあえてついた歌が、本物につけさせる結果になったのでしょうか。もしそうなら、薫りのないシクラメンの方が『シクラメンのかほり』のシクラメンと言えるでしょうね。　…━[木立ダリア]━…木立ダリア(tree dahlia)です。　キク科ダリアの原種で皇帝ダリアとも呼ばれています。特徴はその背の高さで３～４ｍにも達します。dahliaは、スウェーデンの植物学者 Dahl からきた名前です。

  2006.11.25

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• サフラン・ビオラ

  なかなか今日に追いつかないブログです。先日は金剛山の谷コースを歩いてきました。Ｔシャツにアノラック一枚はおって、長袖に肌は護られても暑すぎはせず、急登続けば汗をかいてもすぐ涼しくなり、水分摂らなくても苦しくならず、ほんとうに山歩きに最適な気温です。登山口にとりつくまでの寝床から始まる早朝の寒ささえやりすごせば。　…━[サフラン]━…サフラン(saffron)です。　本場アルプスの春のお花畑の花はクロッカスですが、その秋の仲間のようです。赤い雌しべは薬用や染色に用います。　薬用とされていたからか、父が蘭医だった森鴎外の目によくとまり「サフラン」という題の手記があります。http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/685_20311.html「これはサフランと云う草と私との歴史である。」(文中より)というのが『ふふっ』と読めるほど、ごく軽い読み物です。　サフランの字はスーパーの調味料コーナーでもみかけます。洒落たレストランでカレーを注文すると御飯がまっ黄色だったりしますよね。あの鮮やかな黄色が調味料サフランの利用方法で、サフランライスといいます。でもサフランはちょっと高いなぁという人は、カレー粉振って代用しておきましょう。そうか大阪人ならあの方法があります。そう、まぜカレーです。　…━[ビオラ]━…ビオラ(viola)です。　スミレ科のパンジーの仲間です。種類が多いことで知られるスミレ科ですから、メジャーな花でありながら、見かけてもそれと指呼することのためらわれる花です。パンジーほどもブワッとしてなくて小型ならビオラのようです。　紫はvioletですが、菫から来た色の名前です。 I went into the vernal field to gather violets there. and yearning to stay longer, slept in the open air.　　　　　　　(本多平八郎訳)　春の野に菫摘みにと来し我ぞ 野をなつかしみ一夜寝にける春の歌ですが。^^;

  2006.11.15

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• 錦木・猩々木

  　…━[ニシキギ]━…ニシキギ(錦木 winged spindle)です。　winged とは「翼のある」。spindle tree でニシキギ属の木です。spindleとは糸を紡ぐ軸棒のことですが、昔は、ニシキギ属の木をこの材に用いたところから来ているようです。　山中で時々花を見るマユミの木はニシキギ科の木です。マユミは檀と書きますが真弓とも書き、弓の材に使われていたところに由来します。ニシキギ科の木は、折れにくく張りが合って丈夫という性質なんでしょうね。　ニシキギの花期は春です。秋は紅葉が綺麗です。でも、この写真は花もなく緑です。　面白いなと思って載せた理由は、この"winged"。なぜこんなのが出るのか、簡単に調べてみるとバラに棘があるのと同じみたいです。　昔、タバコ屋の店の奥、子供にも狭い通路の両側に堆く積まれたプラモデルの中に、色褪せた箱の３００円のゼロ戦とかあって、そういう安物を買うと、こういうバリを削ぎ落とすところからさせられました。なんか、それに見えて仕方ありません。　…━[ポインセチア]━…ポインセチア(猩々木 poinsettia)です。　猩々とは「酒をよく飲むという想像上の動物」です。大酒飲みの例えにも使われます。猩々木の赤い姿は、飲酒の結果とみなされたようです。しかし、草木が酒を飲むって感覚はちょっとついていけないところありますね。（山の紅葉も毎夜酒盛りしてああなったと……）　英名では別に、Christmas flower とも呼ばれます。　世間が紅葉と騒いでいる頃に、ノリの違う紅葉で都心を紅く染めていくポインセチア。街角のカーネルサンダースはもうサンタの服を着てるし、イエナリエが灯りはじめるのもそろそろ。　そういえば、私の庭造りも寒さに挫ける前に仕上げねばなりません。ラチス組んで、アーチ置いて、レンガ積んで、レポートは遅れていますが順調に工事は進んでいます。イエナリエのような金のかけ方よりかはずっといいと思っているのですが、似たり寄ったりなんでしょうかね。

  2006.11.06

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• 花水木

  　…━[ハナミズキ]━…ハナミズキ(花水木 dogwood)です。　このところブログが休みがちです。トップページは二週間も杜鵑草のままで、差し替えようと日々思っていたのですが、週末を迎えるごとに一度二度と寒くなっていくのが体感できる秋寒の毎日、少し前に撮った花はすでに遠い花に感じられて、頃合の一枚が手持ちにありませんでした。　まだこれなら間に合うかなと拾い上げたのがハナミズキ。なよやかな桜の後に咲く、くっきりぱっきり鮮麗な花もいいですが、秋爽の気、強く感じさせる秋の姿も素晴らしいものです。　ずっと昔から利用していた道の街路樹がハナミズキだったとはじめて知ったのは今年の５月。それまではただ先の信号が青か赤か、その一点のみ見て通り抜けていました。その傍らに、一年周期で青から赤へ変わるハナミズキがずらっと並んでいたのですね。

  2006.10.19

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• 金木犀・杜鵑草

  　…━[キンモクセイ]━…キンモクセイ(金木犀 fragrant olive)です。　fragrantは「良い香りを放つ」という意味です。オリーブはモクセイ科で、金木犀も名前どおりモクセイ科です。　日本語は「匂い」と書けば「芳しいよいにおい」、「臭い」とかけば鼻をつまみたくなる「悪いにおい」となります。fragrantはちょうど「芳」に当たります。花・香水などの快いにおいをいいます。smellが「におい」(全般)、odorが「臭い」、stenchははっきりと「悪臭」、他には scent などがあります。　…━[ホトトギス]━…ホトトギス(杜鵑草 toad lily)です。　toad は「ヒキガエル」です。ぶつぶつの模様から当てられたのでしょうか。日本では似た模様を胸に持つ鳥の名前なのは周知の通りです。目に鮮やかな斑点は山中にあって不自然なほどで、そこからくる「生きている・動き出しそう」という印象から、動物の名前に重ねられたという点では共通していそうです。　lilyとあるようにユリ科です。言われてみれば、そうかもという形をしています。　ほととぎすと読ませる漢字はいくつかありますが、花名は「杜鵑」を用いるようです。鳥の名と明確に区別するため「草」を付け足している書き方もありました。これは分かりやすいですね。

  2006.10.10

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• 野草手帖・・・「ガマ」

  　三連休の夜空はよく澄んでいて月がくっきり見えました。見上げると街灯と変わらないほどの明るさです。鏡面でもない地面をあそこまで輝かせる太陽の計り知れないエネルギーを思うと、天体スケールと隣り合わせの中で生きていることがあらためて神秘に感じられました。　月が雲と重なるとき、互いの離れ去る速さに驚かされます。置物のように置かれてある月と、空に描いたように留まる雲。どちらも普段は静止しているように見えていたものが、実際は慌しさを裏に隠していただけと知らされて心細くなります。　思い返せば、歩んできた道の物事すべて、もっと早くに気付いていなければいけないことだらけで、自分が安心の拠り所にしていた周辺の悠長さも、みなこれに似た錯覚だったのだろうと考えはじめれば、もう本当のところは取り返しのつかない彼方でどうしようもなく思われ、いっそう寂しい気持ちになります。　やはり秋月は感傷的でいけません。　…━[ガマ]━…ガマ(蒲 cattail, reed mace)です。　cattailは、cat + tailで猫の尻尾が一語になったものでしょう。reed は葦、mace は槌矛で、蒲は水辺に生えますから、矛型の葦でそのままですね。　葦はイネ科ですが、ガマはガマ科です。この独特の姿形はやはりガマだけのもので、ガマ科は見た目もガマ風のものだけで占められています。　図鑑で見知って、あの茶色の部分の感触がどんなものか気になって、一度見てみたいと思いました。水辺の野草なので、湿地帯ならそう珍しくはないようで、ほどなく出会えました。触ってみると思ったより固い、というか、どこか作りモンくさい。発砲スチロールを円筒型にして茶色のスプレー吹いたみたいな感じです。後期になると爆発したように綿を吹き出して炸裂します。ますます作りモンくさい。こうして写真でみていると、ケチャップとマスタードを塗りたくなるふうに見えていますが、実物を知れば決してそんな気にならないでしょう。　と、けったいの一語につきるガマですが、奇妙さも目に慣れてくると、味わい深い秋らしい雰囲気が感じられるようになりました。そのガマの魅力を伝える一枚を撮ってやろうと過去数回トライしたのですが、満足いくところに遠く届きません。ガマは難しいですね。

  2006.10.09

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• 撫子・山萩

  　…━[ナデシコ]━…ナデシコ(撫子 pink)です。英名が pink というのは以前何かで紹介した記憶があります。とりなインデックスには「撫子、大和撫子、河原撫子」ともありませんから、とりあえず入れておくことにしました。次の萩もですが、秋の七草「萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花 」です。　うるはしみ我が思ふ君はなでしこが花になそへて見れど飽かぬかも　（万葉集）　…━[ヤマハギ]━…ヤマハギ(山萩 hagi, bush clover)です。萩は英語でも hagi のまま通じるようです。柿のkakiもそうです。bush cloverという名前もあります。bushは、山の用語でときどき目にします。ブッシュは薮漕ぎの「薮」です。bushという単語には、薮のほかに「低木・ 茂み」の意味があります。cloverというのは豆科だからでしょうか。草冠に秋の字を書く萩は秋の代表的植物で、万葉集にも多く詠まれています。　恋しくは形見にせよと我が背子が植ゑし秋萩花咲きにけり　（万葉集）風がなくても振り子のように絶えず揺れている萩は撮影に苦労させられます。このときも撮影したうちの９割がブレブレ写真でした。

  2006.10.04

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• チョコレートコスモス・岩擬宝珠

  月を跨ぐ前には追いつこうと書いていたのですが、届かず置いていかれました。でも一日遅れの位置まで挽回。　…━[チョコレート・コスモス]━…チョコレート・コスモス(chocolate cosmos)です。クロユリよりも黒いこの花はチョコレート・コスモスです。植物界で黒は少数派なので、それだけで話題になるのですが、黒と呼んでいても濃い紫どころか普通の赤紫なのを何度か見たことがあります。この点これはチョコレート色と控えめでいいですね。花の色で一番少ないのは何色でしょうか。やっぱり黒でしょうか。シルバーやゴールドなどメタリック系は除外して、玉虫色などの混合もなしで。そういえば、無色透明の花びらはなさそうですね。セミの羽みたいな。あるかなと思い"透明の花"で検索してみると9630件ヒット。ガラスの置物とかも混じっているので、件数は目安になりませんが、ないこともないみたいです。・アオダモが黄色い透明の花をつける・オーニソガラム・ヌタンス、一般に「ガラスの花」と呼ばれる・ミョウガが薄黄色い透明の花を咲かせるとか、真偽の程は各自でご確認あれ。　…━[イワギボウシ]━…イワギボウシ(岩擬宝珠 plantain lily ?)です。ギボウシは種類が多く、○○ギボウシとつくのがたくさんあります。このイワギボウシもイワかどうか自信ありません。plantainというのはオオバコです。ギボウシはだいたいこう呼ばれているようですが、これも自信なしです。これは上で触れた「ガラスの花」に全体の雰囲気が似ています。岩擬宝珠は花びらのふちが透けて透明になっていますが、わたしがウェブ上で見た「ガラスの花」は、中央部が同じ感じに透けていました。

  2006.09.28

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• 鶏頭・女郎花

  　…━[ケイトウ]━…ケイトウ(鶏頭 cockscomb)です。cock's combで、雄鶏(おんどり)の鶏冠(とさか)です。雌鶏(めんどり)はhenです。からあゐ(韓藍)という名前で万葉集に登場します。　わが屋戸にからあゐ蒔き生し枯れぬれど懲りずてまたも蒔かむとそ思ふ　(万葉集)普通に鶏頭といえば、葉牡丹のようにうねうね巻いた饅頭型の花の種をいうようです。このように尖ったタイプは、槍鶏頭、羽毛鶏頭という品種です。　…━[オミナエシ]━…オミナエシ(女郎花 valerian)です。英名がvalerianで正しいかは？です。辞書で引くとvalerianはカノコソウとあります。オミナエシはオミナエシ科です。同じような恰好で白い花をつけるオトコエシ(男郎花)も同じオミナエシ科です。女郎花は万葉集に詠われています。　手にとれば袖さえにほふ女郎花この白露に散らまく惜しも　(万葉集)「散らまく惜しも」は「散るのが惜しい」の意で、他の花でも何首か使われています。今年の晩夏にはじめて気付いたのですが、カマキリが、こういうところで、こういうふうにぶらさがって、よくいるんです。一本に一匹、なわばり飽和状態、という場合もありました。気付かず蝶がとまると、シャキーンとやってしまうんでしょうね。

  2006.09.20

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• 南蛮煙管・桜蓼・黄花秋桜

  　…━[ナンバンギセル]━…ナンバンギセル(南蛮煙管 nambangiseru)です。ギンリョウソウと同じ寄生植物です。ススキの根から生えるとか。ハマウツボ科で、イチヤクソウ科のギンリョウソウとはまた別になります。命名時点ではハイカラな名前が付けられたようですが、この植物には「思い草」という昔からの名前があり、万葉集にも詠われています。　道の辺の尾花が下の思ひ草今さらさらに何をか思はむ　(万葉集)尾花はススキのことです。葉を出すことも忘れて俯いて物思いに沈むさまから、思い草と呼ばれていたようです。南蛮煙管に変えられたのは「草」がややこしかったからでしょうか。　…━[サクラタデ]━…サクラタデ(桜蓼 water pepper)です。water pepperは桜蓼のことではなく、蓼全般の英名です。pepperは胡椒のペッパーです。蓼喰う虫も好き好きというように、蓼はそうとう辛いのでしょう。waterは水辺に生えるところから。　…━[キバナコスモス]━…キバナコスモス(黄花秋桜 yellow cosmos)です。花はイエローのコスモスでそのとおりです。クツワムシかウマオイか、スイッチョンか、それ系の虫です。花だけでなく虫もいる写真を載せる場合が増えてきて、それにあわせて撮影するときも、つい虫ばかり目がいくようになってきました。

  2006.09.13

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• 白熊の木

  　最近はちょっと野山から遠ざかっています。岩湧寺には秋海棠が群生しているだろうし、山道にはホトトギスが咲いているだろうし、山頂のカヤの間に幾種類かの草花が色を置いているだろうし。でも、夏に山を歩きすぎて、フィットネスでトレーニングもしすぎて、膝の使いすぎ症候群で今は休養中です。無理は禁物の、どこを越したら無理なのかは、無理側に踏み込んではじめて分かるものなのです。　今回はトップページ換装目的で一点のみの紹介です。　…━[ハグマノキ]━…ハグマノキ(白熊の木 smoke tree)です。白熊と書いてシロクマとも読みますが、ハグマという読みもあります。ハグマと読むとその意味は、・中国から渡来したヤクの尾の、白い毛。払子(ほっす)の材料。です。ヤクとは、ウシに似た動物ですが、馬のような尾を持っています。払子は、はたきに似た仏具で、お坊さんが法事で使います。ハグマを赤く染めると「赤熊」でシャグマ、黒くすれば「黒熊」でコグマです。夏に白く細かい線状の花を咲かせます。その白くぼわっと浮くような姿から、スモークツリーという英名が直感的でわかりやすいからか、こちらの名札を付けていることも多いようです。和名は別に、霞の木、煙の木があります。写真はその白熊の木の園芸品種で、ロイヤルパープルで秋になると、葉を綺麗な紫に染めあげます。蜂のバックがなんとなくパープルにボケているのは、ロイヤルパープルの紫です。2006.09.16 追記>>ロイヤルパープルの紫の葉がわかる一枚を付け足します。植物の写真なので、こちらの方がよかったですね。上のは蜂がメインになりすぎでした。

  2006.09.09

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• ジャイアントローズ・河骨・鷺草

  　日記が暦に追いつきました。遅れないように、抜けないように、９月も進めていきます。(注：宣誓文ではなく、自ら課してみた文です)　…━[ジャイアントローズ]━…ジャイアントローズ(mandevilla)です。こんな写真１枚で「はい、ジャイアントローズです」なんていうのは、分かりやすさ、見やすさ、調べやすさ、などをまったく気にしていない証拠ですね。大きい薔薇ではなく、キョウチクトウ科の園芸品種です。花はラッパ型の５弁でやや大型。開ききった花より蕾みから開くまでに美しいラインが多く目を引かれました。9/4追記->開きかけの花の正面です。巻かれていた５枚が少しずつ開いていきます。

  2006.09.02

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• 鹿子百合・唐綿

  　…━[カノコユリ]━…カノコユリ(鹿子百合 showy lily)です。日のあたる自然界には似合わない凄艶な赤が印象的です。品種改良の結果なのか、大型になりすぎた花を支えきれず、下向きの花は地の近くまで下がり、倒れこむ寸前で咲いていました。それともあれが本来の姿なんでしょうか。showy は「華やかな・目にも鮮やかな」「派手な」。良い意味と悪い意味の両方があるようですが、どちらの意味でつけられたのでしょうね。この花なら後者のような気がします。　…━[トウワタ]━…トウワタ(唐綿 silk weed; milkweed・アスクレピアス Asclepias)です。milkweed は「白い乳液を出す植物」のことです。weed は「雑草」。silk weed は「絹の雑草」(?)。種をとばす頃は、タンポポの綿毛と同じように、風に乗る白い羽根状のものに包まれます。ホバリングでミツ収集にいそしんでいるのはオオスカシバ。カメラにも止まらぬ速度で羽ばたくので、羽根が写っていませんが蛾の仲間です。動きは大型の蜂に近いので、蛾と知らなければ恐くて逃げてしまうでしょうけど、蛾なので人は刺しません。(多分 ^^;)

  2006.08.19

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• メドーセージ・熱帯睡蓮・向日葵

  　…━[メドーセージ]━…メドーセージ(meadow sage, majestic sage?)です。sageはサルビア属の植物のことです。meadow は牧草地。majestic は「威厳のある」の意。サルビアの仲間にしてはひときわ大きく濃い青がひときわ目立ちます。　…━[ネッタイスイレン]━…ネッタイスイレン(熱帯睡蓮 water lily)です。water lily は「熱帯」抜きの睡蓮の英名です。lilyとつくからユリ科に思えますがスイレン科です。モネの画題のためか睡蓮で通ってますが、睡蓮は園芸用の通称名で未草(ひつじぐさ)が正式な和名だそうです。　…━[ヒマワリ]━…ヒマワリ(向日葵 sunflower)です。果てしなく並ぶひまわりと、夥しい戦死者の墓が、ただ静かに映されるソフィア・ローレンの「ひまわり」。映像の力に圧倒されました。ひまわり畑もあまり広いと、あれがオーバーラップしてきて悲しいですね。このひまわりは３０輪ほどの花壇のもの。夕暮れ近くだったからか、あっちむきこっちむきしてました。去年も紹介しましたが、今年もイエローパワーを撒き散らしてもらいましょう。

  2006.08.17

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• 千寿菊・草山丹花

  今回の２種はどちらも去年に紹介した花です。もう２週間も前ですが、山でホトトギス(花の)を見ました。秋のイメージの花なのですが、春は遅く秋は早いのが山ですね。　…━[マリーゴールド]━…マリーゴールド(千寿菊 marigold)です。炎のようなオレンジがもっとも一般的でしょうか。でもこれはクリーム色。菊らしい色です。　…━[ペンタス]━…ペンタス(草山丹花 pentas)です。pent-は５で花弁が５枚だから、というのは去年紹介しました。以前は蛾だと思っていましたが、これ、蝶だったんですね。野鳥大好きさんのクイズで教えてもらいました。頭でっかちの蝶が小動物みたいで可愛いですね。

  2006.08.14

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• 白山小桜・白山一華・白山風露

  　白山で出合った花 vol.2 です。ハクサンとつくのを集めました。　白山のお花畑は、７月下旬から８月中旬にかけてが一番の花盛りだそうです。私が行ったのは８月５日なので最高のときに行きました。花が多いので蝶もたくさんいましたが、吹く谷風にのる蝶のとび方が気持ち良さそうでした。　…━[ハクサンコザクラ]━…ハクサンコザクラ(白山小桜)です。　サクラソウ科なので、桜草やプリムラと同じですね。調べてみると虎の尾もサクラソウの仲間でした。英名はわかりません。Hakusan-primrose でしょうか。　画用紙を切り抜いて作ったかのような桜草の頼りなさ、遠い記憶の彼方へとつながるその先は、紙で草花の衣装をこしらえて演じた幼稚園の発表会の舞台。　…━[ハクサンイチゲ]━…ハクサンイチゲ(白山一華)です。　キンポウゲ科です。キンポウゲ科は個性的な形の花が多いようですね。オダマキ、トリカブト、クレマチス、アネモネ、クリスマスローズ。重たげな花芯に古代の香りがすこし。有毒のものもありますが、微妙な不気味さは本能が伝える危険信号の名残でしょうか。　…━[ハクサンフウロ]━…ハクサンフウロ(白山風露)です。　フウロソウ科です。風露というのは、茎の細いこの花はかすかな風でも揺れて、花びらにのった露がゆらゆらする、というなんとも風流な名前です。

  2006.08.09

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• 車百合・日光黄萓・黒百合

  　白山で出合った花です。「お花畑」の一言で片付けてしまう気持ちもよくわかるほど、たくさんの種類の花が咲いていました。ここで紹介した覚えのある花に似たものを見つけ、あっ、あれだ！と思っても、あとでよく調べてみると、タカネ～、ハクサン～とつく微妙に違う種でした。正確に覚えるのは大変です。　もう「科」レベルでもいいかな、と思ってユリ科を集めてみました。これら全部「あっ、ユリだ！」で間違いにはならないのですが、やっぱりもう一歩踏み込みたいですね。悩ましい白山のお花畑でした。　…━[クルマユリ]━…クルマユリ(車百合 wheel lily)です。　コオニユリかと思ったのですが、さらに一回り小さい感じのこの花はクルマユリだそうです。wheelは車輪で、輪生する葉を車輪にたとえたところから。和名も同じ。　炎のような形で、熱さを弾き返すかにテカテカと、一番目立って咲いていました。　…━[ニッコウキスゲ]━…ニッコウキスゲ(日光黄萓 day lily)です。　黄萓・夕萓の仲間で似ています。お花畑の中では大輪で、群生しているところでは歩を緩めてしまいます。　day lilyはキスゲ全般の英名になります。一日花なのでdayなのでしょう。　…━[クロユリ]━…クロユリ(黒百合 black lily, Kamchatka lily)です。　写真はあまり黒くないのですが、黒百合です。高山植物の象徴的な花で、まだ見ないうちは垂涎の的なのですが、あるところにはあるものですね。２４００ｍ付近では雑草レベルで咲いていました。　Kamchatkaはカムチャッカ半島。高山＝寒冷地なので北の方では平地でも咲いているのでしょう。

  2006.08.06

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• 靫草・狐の手袋・化粧サルビア

  　高野三山で出合った花です。　…━[ウツボグサ]━…ウツボグサ(靫草 selfheal)です。　selfhealとは大雑把にいって「生薬」という感じでしょうか。healは今はやりのヒーリング、癒しですが「傷を治す」の動詞です。healは語源としては「完全」の意味で、healthはhealが名詞化した語です。癒しに健康、とくれば靫草こそ意外にも時の花。　…━[ジギタリス]━…ジギタリス(狐の手袋 foxglove, digitalis)です。　毒にも薬にもなる、はジギタリスにそのままいえることです。葉を乾燥させて強心剤を作るのですが、これが劇薬で正常な人には逆に毒となります。一か八かの薬ですね。　狐の手袋とfoxgloveは対応していますが、どちらが先なんでしょうか。digitalisがdigital(指の)から来ているとすれば、手袋も縁のある語なんですが。　これは山の中で自生していた花ではありません。民家向かいの空地に咲いていたものです。　…━[ブルーサルビア]━…ブルーサルビア(化粧サルビア blue salvia)です。　花らしくない鮮烈なブルー。それに茎まで同色。打倒ラベンダーを目指し園芸向けに開発された種でしょうか？　しかし、化粧サルビアという和名は冴えません。　モンシロ蝶が舞い降りて、ぐぐぐっと接近。パチリ。まだ寄ります。ジリジリ。パチリと撮ったときは、モンシロがちょうど舞い立つ瞬間になりました。ブルーと白が涼しげでＧｏｏｄ!

  2006.07.26

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• 秋田村草・合歓の木

  　雲山峰縦走コースで出合った花です。　…━[アキノタムラソウ]━…アキノタムラソウ(秋田村草 Salvia Japonica)です。　こういう踊り子草タイプの花、つまり花を人の形にあてはめて見れば、さほど無理せずともそう見えなくもない形、さしだす両腕が何をか語りかけているような、ときに群れあってときに統制なく集い、悪政に虐げられた民衆の困苦に喘ぐ姿、土地と歴史に深く塗り込められた慨世の嘆が形となって花咲いたのかと映ったなら、それはシソ科の花です。　…━[ネムノキ]━…ネムノキ(合歓の木 silk tree)です。　silkにはトウモロコシの毛の意味があります。トウモロコシの毛は合歓の木の花と形状が似ているので、サラっとした絹布のイメージからのsilkではなく、トウモロコシつながりの可能性が高そうです。　花は夕方に咲きます。この写真は16時06分のもの。咲いていると目立つのか、自生も結構多いですね。歩いていると道に扇形の赤い花が散り敷かれていて、見上げると、空を背景に線香花火の思い出が描かれていて、気持ちもふんわりします。

  2006.07.20

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• 野草手帖・・・「ウスベニアカショウマ」

  　この連休、日帰りでは行けない遠方の山へ出掛けたのですが、豪雨にあって麓をうろうろしただけで帰ってきました。小雨程度ならカッパでへっちゃらなんですが、豪雨と長雨はいけません。落石土砂崩れ、濁流で渡渉不可など、悪天候下の脅威は山ほどあるなと学習してきました。（一部実体験学習を含んでいるのは内緒です -_-;）　過去の分を埋めていたら、いつまでも今日に追いつきそうにないので、降参して今回は今日の日記です。　…━[ウスベニアカショウマ]━…ウスベニアカショウマ(薄紅赤升麻)です。アカショウマは赤とつきますが、白い花で、登山口などで頻繁に見ます。それの赤いものもあるそうなのですが、茎まで同色でこんなに大型なのはまた違うような気もするのですが。。。2006.08.14 シモツケソウと書いていたものをウスベニアカショウマに訂正＜シモツケソウの記事＞　花の感じはシモツケと似ていますが、シモツケは木で、シモツケソウは草になります。どちらもバラ科です。以前なにかで書いたかもしれませんが、木と草の線引きも煎じ詰めればややこしいものです。幹が成長する(年輪ができる)のが木で、そうでないのが草。この見方は納得しやすいですね。

  2006.07.17

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• 紫鷺苔・山蛍袋

  　金剛山で出合った花です。目立ったのは麓でガクアジサイ、頂でユキノシタです。途中でナナフシを見つけました。10cmほどの小さなやつでした。蝶のように目だって飛び回る虫もいれば、ナナフシのように存在を隠すことに徹している虫もいて、いろいろいるから面白い、ですね。　…━[ムラサキサギゴケ]━…ムラサキサギゴケ(紫鷺苔 Miquel's mazus)です。　常盤はぜという似た花もあります。地を這うのが紫鷺苔だそうです。　英名はどういう意味なのか不明です。　…━[ヤマホタルブクロ]━…ヤマホタルブクロ(山蛍袋 bellflower)です。　bellflower は蛍袋。キキョウ科で、桔梗も (Chinese) bellflower です。英語圏では、桔梗と蛍袋を線引きしていないということですね。

  2006.07.10

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• 笹百合・丘虎尾

  　岩湧山で出合った花です。　…━[ササユリ]━━━━━━━━━━━━━━━━…ササユリ(笹百合 Japanese lily)です。　ついに私もダイトレでササユリに出会えました。いわわきの道からダイトレに合流した植林の尾根道のところです。なんか植えてくれてあるような咲き方でしたが。(-_-?　そのあとカヤト部にも沢山咲いていましたが、こちらはもう咲き終わりが殆どでした。もう半月早ければよかったかもです。　…━[オカトラノオ]━━━━━━━━━━━━━━━━…オカトラノオ(丘虎尾 gooseneck yellow loosestrife)です。gooseneckはがん首。Ｓ字のことです。looseはルーズソックスのlooseで「ゆるんだ」、strifeは争い。gooseneckは虎の尾と同じで分かりますが、その後は謎ですね。ベニシジミが花に花を添えてくれました。　…━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…

  2006.07.06

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  大普賢岳　その７ (額空木)

  　無双洞を過ぎたあたり、渓流沿いの標高は1000m。この周回コース中、もっとも低い地点だ。そこから標高1140mに位置する和佐又ヒュッテへと登る。額空木だろうか、湿りのある日陰にユキノシタ科の白い花が並ぶ。　歩き始めておよそ７時間、１６時前に終着点へと無事に帰ってきた。景観は素晴らしく、原生林に恵まれ、花も多く、コースは起伏に富み、鎖場や梯子なども楽しく、歩き応えのあるコースだった。以前の薊岳でもそうだったが、ブナの原生林がいい。大阪のダイトレを歩いていても、まわりは植林ばかりだ。奥駈道と比べたらダイトレは都心の遊歩道に近い。　駐車場は出発時よりも車が多く２０台近く置かれていた。山中で出会うパーティは少なかったのに、と思いながらヒュッテに立ち入ると、わいわいがやがや、とても賑やかである。１０組ぐらいのパーティが雨宿りしていた。もう夕方なのに、どういう計画なのだろうと不思議に思う。　車で下る途中、雨はさらに強くなった。山腹を白い気流が流れていく。霧雨に煙る山々。水墨画のように色彩を失って背景に溶け込む姿は、いかにも修験道の山に似つかわしい。▲霧雲に霞む大峰の山々　津風呂湖で温泉に寄っていく。室内と露天に湯舟、カランの数で５つほどのこぢんまりした風呂だったが、空いていたのでとても気持ちよかった。　奈良県北部から大峰山脈に車でアクセスするのに使う169号線が、今回走って分かったのだが、随分と走りやすい道だった。紀伊半島中央部の道は、地図上では太い国道であっても、実際はすれ違いに苦労するほど狭く、かつ入り組んだ走りにくい道であることが多い。さらに言えば169という数字が既にいけてない。これはこちら圏の人でないと分からないかも知れないが、私の感覚では100番台中ほどは鬼門だ。ところが、これが違った。大峰の山がぐっと身近になった気がする。　大普賢岳の南には弥山(みせん)と八経ヶ岳がある。そうして、私の右にはこれら山のガイドブックがある。　　…━[ガクウツギ]━━━━━━━━━━━━━━━━…ガクウツギ(額空木)です。(It may be true.)空木は deutzia ですが、額空木とは見た目が少し違います。英名は不明。紫陽花と同じユキノシタ科。がくの一部だけが大きいのはダイモンジソウやユキノシタと同じですね。額紫陽花・山紫陽花に代表されるこれらの花は一見似たものばかりなので識別するのは半ばあきらめています。^^;　…━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…

  2006.07.04

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  大普賢岳　その６ (蝮草)

  　地図で見ると七曜岳を過ぎて少しで、行者還岳への縦走路と和佐又へ戻る道の分岐が来る。これを見落としたら大変なことになるので、右手への分岐道に細心の注意を払って進んだ。するとほどなくして、墓石のような案内がデンで立っている分岐点に出た。要所はきちんと押さえてくれてある。これなら見落とす心配は不要だ。　七曜岳から見えた深い谷筋へと降りていく。右へ左へとヘアピンカーブを幾度も繰り返す。岩につく万年草、すっと伸びる蝮草、銀竜草の群生に出会う。半透明の雨合羽を着て歩く自分の姿も銀竜草に近い。　台風が薙ぎ倒した倒木。苔に包まれて深い緑の中にある。見えない細かい目の蜘蛛の巣を雨滴が露に暴くように、何一つ逃すまいと時間が密に張り巡らす束縛を、ここでは苔が露に暴いていた。▲降り積もる時間、万物苔むす　下りが緩やかになった辺りから、滝の音が遠くからこだまするのに気付く。水簾(すいれん)の滝だ。土中をくぐっていた渓流が岩間から勢いよく流れ出て谷川に合流している。無双洞か。沢沿いを離れるとまた登りになった。全行程四分の三に達してのち急登に向かうコースも珍しい。　道の真ん中に居座っていた蛙が左右へ逃げるのを頻繁に目撃する。いくら跳躍が得意でも山側に逃げれば立ち塞がる土手を乗り越えられずに逃げ場を失う。谷側に逃げるべきだが、蛙はそういう本能を持っていないようだ。山側に逃げた蛙が窮しているのを面白く眺めながら写真を撮ったりする。急斜面にあがいているのを見ると、棒でつついてみたくなるのが人情というもの。ごつごつした背中をツンツン。するとあれほど焦っていた蛙が動きを止めて、背中を逆に押し付けてくる。あっ、そこそこ、あ～ええわぁ、……『けっ』 棒を放って歩き出す。和佐又ヒュッテまでまだ先は長いのだ。　＜つづく＞　…━[マムシグサ]━━━━━━━━━━━━━━━━…マムシグサ(蝮草 Mexican stonecrop)です。里芋科天南星(テンナンショウ)属です。里芋科が全てそうではありませんが、水芭蕉、カラーも里芋科で、大きな葉１枚に包まれる太い蕊１本という形が独特です。葉は別にあるので、葉ではないのですが、その大きな葉を仏炎包といいます。街中では滅多に見かけませんが山では珍しくもなく、蝮草は山里に多く生えています。　…━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…

  2006.07.02

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  大普賢岳　その４ (五葉躑躅)

  　灌木と岩の隙間を縫い歩き這い登りしていると、尾根筋から迫り出す岩盤が自然の展望台を提供してくれる場所へと出た。開けた空と周囲の山並みを眺めて一息入れる。登ってきた疲労と下がる気温がぴたり釣り合って心身とも至極快適。　次第に崩れゆく雲合いである。台高方面からは雲脚が迫り、隣の稲村ヶ岳は雨雲を冠して青磁色に冴え返っていた。遅かれ早かれ雨に見舞われるのは、さらなる高みの雨雲のくすみ具合からも明らかだった。合羽があるので雨だけなら平気だが、雷にやってこられると困る。雷鳴の振動が全身を震わす状況に置かれると、鉄梯子は通路を塞ぐ鉄格子へと変わってしまう。▲頂上付近では展望が足を止めさせる　国見岳・七曜岳の周回にするか、大普賢岳だけの往復にするか、今日のコースをまだ決めていなかったが、大普賢岳山頂で雨だと引き返すことになるだろう。行けるうちに行けるところまで行っておかなければ、と頂の峰を登る。シロヤシオを頻繁に見るようになって、ほどなく平で日当たりのよい場所に行き着いた。「大普賢岳 1779.9m」と書かれた立て札がある。山頂だ。時計を見ると１１時。雨はときおりポツリと手に落ちて、くるかなと思わせるだけ。昼食には早いし周回することにした。　頂を通り越して国見岳を目指す。ここからは下り。周回コースは山地図で見てもほぼ一本道だからと始めは調子よくぐんぐん歩いていたが、３０分も行くと差し出す足が少しためらわれるようになった。不思議なことに看板が１つもない。梯子もない。大普賢岳の登り道が、ああも至れり尽くせりだったのと対照的に、そこから先は急斜面にロープ一本垂らしてくれていないのだ。頂から下る道を間違ったのではないかと何度も不安になった。間違うコースとしては北へ延びる縦走路ぐらいしかない。磁石を取り出して、南へ向かっていることを確かめた。でも、それは百均で買った磁石だったので、不安は変わらずに残った。　＜つづく＞　…━[ゴヨウツツジ]━━━━━━━━━━━━━━━━…ゴヨウツツジ(五葉躑躅 cork azalea)です。別名シロヤシオともいいます。山にあってはシロヤシオの方が一般的かも知れません。azaleaはツツジでcorkはコルク栓のコルク。葉が赤褐色に縁どられていたのが花より目立って、それが綺麗でした。　…━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…

  2006.06.29

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• 黄ランタナ

  　本格的に暑くなりだしたようです。山道を汗だくで登っているとき、サウナで１０分座っているとき、フィットネスの有酸素運動を３０分続けたとき、そのどれよりもクーラーの誘惑に耐えながら部屋でじっとしているときが暑いです。　茄子とか西瓜は体の温度を下げるとかいうけど、そんなの、鉄鍋で摂れる鉄分にも満たないほどの、微塵も微塵、微々々々々々々々たるものと思えるのですが、どうなんでしょうか。　何気なくランタナを写したら、床の白木の照り返しに葉脈が透けて、それが綺麗でしかも涼しげなので、トップページに貼っておきたくなりました。　…━[イエローランタナ]━…イエローランタナ(黄ランタナ lantana)です。　ランタナは去年に紹介しましたが、今回はランタナの中でもイエローランタナと呼ばれているもので、成長するにつれて花の色が変わるところから別名「七変化」とも呼ばれているランタナと違って、ずっと黄一色のままのランタナです。　でも、昨年の写真もイエローランタナのようですね。(^^;

  2006.06.28

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