今回の第49回総選挙の結果について、感じている事柄です
第49回総選挙の結果について感じていること2021年10月31日に第49回総選挙が行われました。今日は11月13日、二週間が経過したところでの感想です。当方は、東京・八王子市に住んで、真鶴・小田原のみかん園に通っているんですが。10月19日の公示日ころは、「政権交代の可能性があり、それをつくり、それに備えるべきだ」なんてほざいていたんですが、まぁ、その選挙の結果は、11月1日には天下周知のごとくでした。それで、その結果については、当方は11月1日にブログで速報の感想を発信しているんですが。今はその結果が出て二週間がたちました。今回はその後、現時点での感想を紹介します。全国的な結果や評価については、これは一般のテレビや新聞で、見聞き出来ると思いますので、私などの発信は、あくまで私的なローカルな視点から見た選挙結果についての感想です。第一に、そうはいっても今回の総選挙の全体的な評価ですかが。「東京新聞」の11月11日付に、「目指す方向性に間違いない」山口二郎法政大学教授のインタビューが掲載されました。山口二郎氏は、今回の選挙で野党4党の共通政策をまとめた「市民連合」の運営委員です。インタビューの中で、「結果自体は嘆くほどではないが、期待が大きかっただけに落胆の度合いが大きい。」「地域ごとに政治的な事情は違う。柔軟に戦略を考えるしかない。」「目指してきた方向性は間違っていない。政権交代によって目指す社会像を鮮明に打ち出してほしい」等々、なかなか意味深いコメントを語っています。これは傾聴に値すると思ってます。第二は、東京という首都の全体での動向と評価です。「東京民報」という革新系のローカル紙があるんですが、その11月14日付に「共闘の発展へ 教訓深める」との共産党東京都常任委員会の声明が掲載されてました。共産党ですが、東京では、小選挙区の統一候補として、共産党候補の3人ふくめて18選挙区で統一候補を立てて、7選挙区で勝ったとのこと。東京8区の自民党石原候補の落選はこの選挙の特徴の一つでした。全国での共産党の比例は416万6076票(7.2%)ですが、東京全体では、67万340票(10.40%)で、5万2008票の増。0.03%増とのことです。これをどう見るかは、様々な見方があると思いますが。公示日の時点での「政権交代をめざす」との点からすれば、「東京燃ゆ」というところまではゆかずに、ボヤくらいにとどまったわけです。しかし、私などの身の回りではわからない、様々な貴重な成果を生んでいるようでして、「東京民報」の一面には、宮本徹議員(東京20区野党統一候補)比例区で当選の、インタビューが。正面左側の写真は野党統一候補として勝利した4議員が、5日に共産党東京都委員会を訪問し、あいさつに来た時の様子のようです。宮本徹議員は、インタビューで、この選挙の中で共同の広がりについて「胸を熱くしながらの選挙戦でした」と、具体的な体験を様々に語っています。「共同の広がりを財産に」と題されてますが、このインタビューは、野党共闘の統一候補者ならでわの角度から見た選挙戦の具体的な体験談ですね。私などは、片足が東京の生活者であり、片足が真鶴・小田原のみかん農夫なんですが。今回の選挙で、農家の今が抱えている問題も切実に事柄だったと思います。それは新潟や福島の農村県の動向をみると、そこでは現行の農業政策の転換を求める農家の新しい変化がはっきりしめされていると思うんですが。しかし、私などの足元を見ると、多くのところでは、これまでのしがらみか、村落共同体は「おらが代表を」ということで、自らの首を絞める政策をすすめる人を押しているんですね。そんなストレスを感じていた時に、この事態を客観的にしめしたインタビューを見つけました。小松泰信さん(岡山大学名誉教授)の「全国革新懇ニュース」11月(434号)の記事です。「なるほど」、と得心させられる話です。農業高校の生徒が各党の農業政策を比較して「農業政策が他の分野に比べて少ない。選挙でしっかり議論してほしい」との若者の意見が出されている半面で、今回の選挙でも農政連(JAグループの政治組織)は、有象無象の自民党候補者を軒並み推薦していた、と。「農業を衰退させている自民党を、それでも支持する農協は若者の目にどううつるでしょうか。」と。農家の人たちの悩める存在と、意識のギャッブを指摘してくれてます。私などは、本当にこうした事態にあることを、みかん栽培をしていて、よそ者の立場ではありますが、なんとなく見聞きし、感じさせられています。今回の選挙では、農業問題は、なかなか全国の意識的争点にはなりませんでしたが、しかし、切実な事態にあることは、それは確かなんです。最後は、私の住む八王子の結果です。東京24選挙区なんですが、野党統一ではなかったんですが。選挙区の相手は萩生田という、元安倍首相の懐刀ですが。共産党は若い女性の吉川候補でしたが4万4,474票、他方萩生田氏は14万9,152票でした。しかし、前回(2017年)の共産党候補が得票した2万4,349票から倍近くのばしているでしょう。比例で見ると、自民党7万8,045票、公明4万3,736票に対して、共産党は2万5,985票でした。八王子市は自民と公明が市議会の過半数をもっている事態ですから、今回の選挙は善戦健闘と言えると思います。しかし、政権選択を市民の中に問題喚起をしていく点では、全国・全都が直面している課題と共通な結果だったと思います。私などは思うんですよ。この選挙は、敗戦直後におこなわれた選挙戦と似ている面がある。共産党が、国民の前に初めてあらわれたんです。しかし期待が大きかった割には、野党共闘の議席は伸びずに、共産党は後退した。しかし、争点と政策からしたら、全体的流れからしたら明らかなんです。敗戦後に、「歌声よ、おこれ」と宮本百合子は、評論を書いてますが。宮本百合子「歌声よ、おこれ」-今を生きるものとしてのこだわり | みかんの木を育てる-四季の変化 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)これと似た状況が私たちの前に、今展開していると思うんですよ。まっとうに、国民の立場に立ち、野党共闘に誠意を尽くした共産党。選挙で議席は後退したけれど、しかし、いったいこの頑固なまでに、国民の立場で筋を通すのはどうしてか。自民・公明・維新からの攻撃、中国・朝鮮などの逆風、資本や連合労組の難癖・中傷に、「なぜ共産党などと共闘したのか」と、総攻撃がかけられている。しかし、それにめげない確固とした力はどうしてなのか。今、国民のなかには、その存在が現実に映りだしているんじゃないかと思うんです。静かな関心がおきていると思うんです。だからこそ、私などは思うんです。今この時にこそ、基礎理論をなす科学的社会主義とはなにか、いうことを、戦前からの苦難をとおして、平和と民主主義のために戦った共産党の歴史を。戦後は民主的統一戦線を目指して戦ってきた共産党の姿を。みずからのかかわりにおいて、浮いた言葉じゃなくて、それぞれの言葉で、身の回りに語っていくべき、そうした時じゃないかと。まぁ、これが私などの選挙についての目下の感想なんですが。