核兵器廃絶への意見書を採択した神奈川県・真鶴町議会の経験学習会
核兵器禁止で真鶴町議会の経験学習会3カ月ほど前ですが、6月4日に、神奈川県・真鶴町議会は、核兵器禁止条約の批准をもとめる国への意見書を採択しました。私などは、「しんぶん赤旗」の6月16日付新聞記事で、それを知ったんですが。町の人口は、7,000人余人とのことですが、意見書の採択を求める署名が、その1割強の893筆が集められたというんです。6月4日の総務委員会でそれが審議されて、6月4日の本会議で賛成6、反対4で可決され、国・政府に意見書が送られたそうです。この平和・署名活動の中心者の一人・青木智子さんより、9月28日にこの真鶴町での経験をきく学習会が、小田原にてありました。私は今回初めて青木智子さんという方を知ったんですが。配布された資料ですが、後から読んで、少しですが分かりました。青木智子さんという方は、お父さんを知らないんですね。身重な奥さんを残して、お父さんは先の戦争に出征して亡くなっているんです。ですから、平和に逆行するような動きにたいしては、大きな怒りをもっておられるんですね。だれしも平和への願いをもっていると思うんですが、人一倍切実に感じて、関東平野の片隅の、この小さな町で平和展を続けて来られていたんですね。私などは全く知らなかったんですが、1980年代から真鶴町で「母と子の平和展」などを続けて来られたんですね。その青木さんが、昨今の、被爆国の日本の政府が、核兵器禁止条約に対して、先頭に立って世界に呼びかけるんじゃなくて、逆に、あれこれ理屈をつけて後ろ向きでごまかし、戦争が出来る国に変えようとしている。この動きに対して、新たな怒りを燃やしてるんですね。青木さん曰く『真鶴というところは、共産党アレルギーが少ない』というんです。私などからしたら、青木さんたちの良識ある説得とバイタリティーある行動が、多くの町民の心を揺り動かしているんであって、ふつうには他のまちとそれほど変わるものじゃないと思うんですが。しかし、とにかく、すごいですね。7000人余の人口のまちなんですが、そこで短期間に893人の人たちの署名を集めた。町議会議員11名(今回から10名)の中には、「国や県からのしばりがあるから賛成できない」などとの議員もいたそうで、やはりいろいろ意見もあったとおもいますが、とにかく議論を尽くして、賛成6人、反対4人で意見書は採択されたというんです。つい数日前の9月26日に真鶴町議会議員選挙が行われたばかりですが、この学習会には紹介議員の一人となった日本共産党の黒岩のり子議員も参加しておられました。共産党を看板にして、コツコツと頑張っているというのも、これもたいしたものだと思うんですが。まぁ、私などは、これまでの真鶴は、みかん畑の草刈りに時たま来るだけで、雑草だけが相手だったんですね。こうした真鶴町の中での動きというのは、50年前から同窓生数人しか交流がなかったんです。しかも多くは町を出ちゃってますから、町のことはまったく知らなかったんですね。しかし、これはなかなか希望ある話じゃないですか。私などの経験主義では、縦横、親戚縁者、隣近所、あれこれのしがらみや気遣いから、なかなか政治的なことには、表立った動きをしないというのが真鶴の人たちと思っていたんですが。しかし、今回は、「核兵器は禁止しろ、条約にくくわれ、国はその先頭にたて」との署名に、1割強の人が応じてくれた。そして、町議会も議論を尽くして意見書を採択した。これは当たり前のことようですが、そうじゃありません。関東の片田舎の真鶴町がそんな決議をしたというのは、やはり一つの良識がしめされたということですね。私などは50年の浦島太郎ですから、その先入観、ふるい経験則なんですが、これもこれらの現実の動きに即して、見直さなくちゃぁならないようです。せっかく草刈りに来ているんだから、草を相手にしていただけじゃぁ、この人生がもったいないということです。この学習会に参加して、そんな町の現実を、ほんの少しですが、ほほえましい現実を、学ばしてもらった次第です。