暦どおりです、八十八夜に新茶を試飲しました
新茶の味を、さっそく試してみました本日、5月2日は八十八夜ですが、新茶が出来あがりました。神奈川県西部・真鶴のみかん園には、その土手にお茶の木が植えられています。お茶の木の量は、一列だけですから、ほんの少しなんですが。それでも、季節を確認するうえでは、貴重なものです。前に紹介しましたが、4月27日には、茶摘みして2キロの茶葉が採れました。早速、JAの真鶴製茶工場に出してあったのですが。昨日、5月1日、出上がったお茶を取りに行ってきました。午前9時すぎに製茶工場に着きましたが、一番乗りでした。受付の机の上に、出来たお茶が、袋に入れて用意してくれてありました。持ち込んだ茶葉は、計量して2キロでしたが、お茶に加工されると400グラムでした。加工料金は、茶葉1キロが300円ですから、600円の料金でした。神奈川県西部というのは、みかんとともに「足柄茶」の産地でもあります。もちろんお茶を本格的に栽培している農家もありますが、当方のようにみかん園の周辺で、お茶を栽培しているケースがよくあります。というのは、お茶の木は低木ですから、みかんの日照の妨げになりません。そして、みかんは12月が収穫期で忙しいですが、その反対が梅の時期でこの時期というのは、忙しい時期は過ぎていて、少し時間に余裕のあるときですから。みかんとお茶、それと梅をセットで栽培すれば、年に3つが楽しめる様になるわけです。もっとも、当方にとり主となるのは、もちろんみかん栽培ですが。神奈川県西部の農家は、「JAかながわ西湘」の統計によると、2市町で、農家は6245戸、耕地面積は270,404アールですが、お茶が7,878アールで、果樹は127,687アールです。(小田原は小田原藩の歴史があり、水稲44,542アールがあります。ちなみに、当方などは零細の為、この数値にはまったく含まれていません。)このお茶栽培も、この数年は波乱がありました。3年前は自然災害ですが、4月というのに遅霜がおりて、茶摘みを目前にして茶葉の黒く枯れて収穫が大きなダメージをうけました。また、一昨年はご承知の通り、原発事故のために、遠く離れた当地でも放射能の影響がでました。そのため、去年は、消費者の放射能からの安全をはかるために、4月にこの地のお茶栽培者はすべての木を「中切り」しました。私は「中切り」なんていう言葉は、この時初めて知ったのですが、枝葉をすべて元の方から切り落とすということでした。もちろん収穫はゼロでした。今年は、検査して平常が確認されましたが、まだ制約があります。この深切による除染対策をした茶葉だけしか、JA茶工場は受付しないということでした。事前に中切りをしたことを調査票にして提出してあることが、製茶工場が受付ける前提条件になっていました。当方は、たまたまJA事務所にニュースをもらいに寄った時に、「今年のお茶工場は、いつから動くの?」と、偶然に聞いたその一言が決定的でした。今年のそうした方針をキャッチすることができたわけです。やれやれ、と言ったところ。偶然の幸いだったわけです。こうした数年の経過ですから、本来ならごく当たり前の新茶の出来あがりのはずですが、ようやく今年は、この新茶を味わえる状態になったわけで、久しぶりということです。そして、ついにその新茶が入りました。きれいで、香り良く、美味しい、新茶が入りました。新茶というのは、やはり違います。第一に香りが違います。若葉のフレッシュな香りがします。そして、味は、少しあまさがあり、舌の先がジーンとしびれます。その味としびれは、しばらくは余韻が口の中に残っています。店先で袋に「新茶」と表示されているものでも、中には、中身がこうした実感を明確に感じられないものが多々あります。やはり、本物の新茶を入手するには、産地のお茶農家の人たちとつながっていることが大切です。私はそれを、ぜひお勧めします。新茶というのは、旬の生ものなんですね。前に紹介しましたが、去年は静岡県藤枝市での「茶摘み交流会」に参加しました。http://plaza.rakuten.co.jp/sagamimikan/diary/201204290000/そこで本場のお茶の生産農家の方たちと交流できて、知合いが出来ました。農家の方たちからは、お茶づくりの苦労はもちろんですが、茶摘みの仕方から、手揉みのお茶づくりの仕方や、美味しいお茶の入れ方などなど、いろいろ教えていただきました。さすがに『日本のお茶どころ』です。お茶づくりにこめられているポリシーが、ビンビンと伝わってきました。たとえば、自然の力を生かしたお茶の栽培をしていること、お茶の入れ方も沸騰したお湯をつかうのではなく、すこしさました80度くらいのお湯を使ってお茶を立てること、最後の一滴までしぼるのが大事だ、そうすれば香りも伝わってくる、などなど、いろいろな秘訣を教えていただきました。きっとその静岡の生産者の人たちは、今ごろは「茶摘みだ、茶摘みだ」と、大忙しになっていると思います。