三陸縦断の旅(1)
三陸縦断の旅●1日目 雨の洗礼夕べからの雨も上がった梅雨空の朝、空が薄明るくなってきた。これから向かう東北地方の天気が気掛かりだ。 通称「オトキュウ」と言われる、JR東日本が企画している「大人の休日パス」を利用して八戸から仙台までの三陸海岸を縦断する3泊4日の行程である。この乗車券はJR東日本エリアの新幹線と特急が利用できる4日間のフリーパスで、指定席も6回まで取ることができる。男性60歳以上、女性50歳以上の会員限定で、年間に3シーズンのみの発売で、15,000円と格安である。 この他にも、プラス北海道エリアが5日間で25,000円、また、北陸エリアも発売されている。オフシーズンの設定でもあるので、シニア世代には大変使いやすく便利なキップとして人気がある。 伊豆の我が家からは、東京駅まで各駅停車の旅となる。 熱海からの東海道新幹線はJR東海エリアのため残念ながら利用できないのである。日中なら特急「踊り子」を利用することもできるが、しかたがない、3時間はつらいが寝不足を解消するため目をつぶっていよう。 東京発8時40分の東北新幹線「新青森行き はやぶさ7号」に乗車する。全車指定席のため乗り遅れてはならない。20分の待ち合わせで乗車完了。 やはり土曜日である。リュックを背負ったグループや家族連れなどで満席である。昔は、青森まで行くのに寝台急行などを利用して二日掛で行ったものだったが、現在はわずか3時間で着いてしまうのだ。この車両は、お鼻が長―い、E5系と言われる鮮やかな緑色の車両で、青森方には赤い色のE6系秋田行が連結されている。 しかし、全長では東海道山陽新幹線のほうが1両の長さが長いため16両編成でもわずかに長いのだ。E5・E6いずれも、外国の高級車フェラーリなどを手掛けている有名デザイナー奧山氏の作品である。 今回は、八戸で乗り換えてローカル線を楽しむのである。途中に故郷の町名と同じ夏井駅があるのだが、こちらは「陸中夏井」である、どんな駅か見てみたいものであるがこの「八戸線」も震災被害にあっているので昔のままなのか気になる所だ。※後に調べたら以前の駅舎は無くなり無人化となり、貨物列車の車掌車を利用した駅になってしまったようだ。 八戸駅から太平洋岸の久慈駅に向かう「八戸線」には2013年、列車のなかで料理やスイーツが楽しめる本格的なレストランカーとして「東北エモーション号」がデビューしているのだ。キハ110型3両はレンガを張ったような外観デザインで、昨年来た時に八戸駅ホームで偶然にも試運転列車と遭遇したのだ。土休日運転のため、残念ながら今回は運転されていないが機会を見つけて乗ってみたい列車である。途中の盛岡駅では、先頭に連結していた「こまち7号」秋田行きを切り離して在来線と共用の田沢湖線に入っているはずだ。ちなみに、山形新幹線は郡山駅で切り離されて奥羽本線に入り在来線線路を走るため秋田新幹線と同じ軌間1435㎜のミニ新幹線である。●アクシデント発生 11時27分八戸到着、乗り換え時間を利用して昼食のため駅外に出ようとしていると、在来線の改札口や出札窓口が大変な人だかりとなっている。どうしたことだろう? 近づいてみると「大雨と強風のため八戸線は運転見合わせ」と掲示されており、すでに4時頃までの列車2本は運休となっている。さあ、こまった、早速のアクシデントでルートの見直しである。今日の宿泊地「宮古」までは八戸線と三陸鉄道北リアス線を乗り継いで行く予定であったが、仕方がない盛岡から山田線を利用しても宮古に行くことができるので、再び上りの新幹線に乗り盛岡に向かうことにした。在来線ホームには青森からの「青い森鉄道」の車両が入ってきた。新幹線も遅れなく運転しているので乗り換えする人で一杯になってくるだろう。運良くすぐに新幹線があり駅弁を買って飛び乗った。さあ、今後はどうなることやら