廃線跡を訪ねる
●廃線跡を訪ねる 今日は、少し遠いが「三笠鉄道村」に行ってみることにした。岩見沢から路線バスを乗り継いで行く不便なところであった。岩見沢といえば昔はD51やC57,96など50両ものSLを抱えた大きな機関区であった。現在は、駅構内に線路は沢山あるが車両は数両しか見当たらない。ホームには北海道独特の馬がソリを引く競馬が飾ってある。 駅前のバスターミナルから中央バスの路線バスで9:00の幾春別行に乗る。住民用の路線バスなので大手のスーパーや役所のある場所を廻りながら30分ほどで乗り換えの「三笠市民会館」に到着。ここで三笠市営バスに乗り換えとなるが本数が少ない。ちょうど近くにタクシーがいたのでタクシーで行くことにした。 目的地には5分ほどで到着した。周囲は民家も少ない山の中でのんびりしたところである。 この「三笠鉄道公園」は昭和62年に廃止された幌内線の跡地にできた記念公園である。岩見沢―幾春別間18kmのうちの一部の線路が残されており、トロッコ列車やSLの運転などが楽しめるところである。幌内線は北海道鉄道発祥の路線で、炭鉱の石炭を小樽まで輸送する重要なルートであった。 入場料530円で、広大な敷地には雪国らしいラッセル車や当時走っていたSLやDL(C122、59609 、ED76505、DD13353)などが機関庫内に、オハフ33451、スハフ4412、 スユニ50505の客車や電気機関車など沢山の車両が屋外展示となっている。館内の展示も充実しており見ごたえのある施設であった。 残念ながらアクセスの問題で来場者数は少ないようだ。唯一の動態保存SLはC型のS304号機で、運転士体験運転もすることができる。その機関車は倉に入っているようで見ることはできなかった。 平日ということもあり3組ほどの来場者であった。なお、冬の時期は雪のため閉園となり車両にはシートが被せられるようだ。 帰りは市営バスを使ってみる。一律200円でこまめに停車してゆく。道沿いに旧幌内線の線路が見え隠れしている。バスの終点近くの手前に公園がありキハ81系が見えたので途中下車してみる。ここは旧三笠駅跡で「クロフォード公園」となっている。旧幌内太駅の跨線橋をと三笠駅を再現した駅舎とホームがあり、実物のキハ80系とDD51保存車両が展示してある。駅内に行くとマスコミと思われる人たちが来て取材交渉をしている。 子供のモデルを連れて廃線跡の線路をエンジン付きのトロッコ体験を取材するようだ。係員と話を始めていると「SLが見たかったが倉に入っていて残念」と話したら、「それでは私が見せてあげます」といって車に乗せて先ほどの鉄道村まで案内してくれた。話を聞くと最近まで鉄道村の責任者をしていて、現在でも手伝いをしている方だった。シャッターを開けてSLを見せてくれた。写真を撮りやすく窓を開けて明かりを取り込んでくれた。普段はここまではしないであろう。遠くから来た私の熱意が伝わったのか、温かみのある人達だった。この施設は「カラマツトレイン」という鉄道グッズショップの会社が委託されているとのことだった。「クロフォード」の意味は鉄道開拓時にアメリカから招へいした技師「ジョセフ・ユリー・クロフォード」のことである。岩三沢駅の近くに保存SLがあるらしい。駅からタクシーで「みなみ公園」に行ってみる。そこにはきれいに整備されたC57とD51が保存されていた。国鉄OBの手により運転機器もピカピカに磨かれ、冬はシートで被ているとのこと。再び札幌に戻り、上野行きの寝台特急「カシオペア」を先日のように千歳線沿いで撮ることにした。北斗星とカシオペアは一日おきに交代で運転している。ロケハンをしながら北広島駅まできた時である、大雨のようで次の駅で雨量規制のため運転見合わせとなってしまったのである。南の方面から雷の音がし始め、この駅付近も大雨となってきた。ホームで1時間ほど待っていると小降りになり徐々に動き始めた。間もなく30分遅れで徐行しながら「カシオペア」が通過していった。続く・・・