「新選組!」DVD特典メニュー
■「完」の後のカーテンコールの余韻がまたこの物語に夢中だった頃を思い出させてくれて、すかさずDVDの残りの部分を続けて見ることにした。第49回の後に入っているのはいわゆる特典映像という名のファンサービスである。●未公開シーン●三谷幸喜解説付き未公開シーン●「新選組!」の音楽を語る 対談 服部隆之VS三谷幸喜●ノンクレジットオープニング■まずは未公開シーン。なんと32カ所もの未公開シーンが紹介される。中には本編でもオンエアされたものも含まれているが、実際は2分あったシーンが都合により1分しか使われていなかったりというような尺の関係によるカットされたシーンだったり、色んな事情で丸々カットされたというようなシーンもこの中には数多く見られた。■CMなしといえども、正味41分そこそこの本編に毎回まとめなければならないという仕事は実は結構大変な作業であるということを痛感。どこを残し、どこを切るかという選択の決定権はそれぞれの回の担当ディレクターの判断によるということなんだろうが、この編集作業には相当な決断とかセンスとかが要求されるわけだ。意外だったのはその場に脚本家三谷は立ち会っておらず、彼の意に添わない取捨選択も数多く存在したのだということ。でもまあ、彼自身のコメントによれば、その判断は演出家に全て任せており、なぜカットされたかに対しても納得できているようだった。その昔、倉本聰はやはり大河ドラマで演出家とぶつかり、終盤になって降板を余儀なくされた。脚本家の作品に対する愛は絶大であるが、スタッフとの信頼関係なくしてよき作品は生まれないのだ。■印象的だったのは屯所を引っ越した際に障子を貼り替える作業をやっている隊士たちが描かれるのだが、プロ顔負けの仕事をする永倉に対して、オダジョー斎藤の無器用だったこと。「あの人は剣以外のことは何もできない」そんなこと言われて拗ねる彼がすごくチャーミングでした。その他にもファンならば興奮できるシーン満載。ぜひ御自分の目で確認あれ。子供のようにはしゃぎながら語る三谷のコメントもうれしかった。■服部隆之との対談は終始リラックスした雰囲気。つくづくこのドラマにおける音楽の重要さを実感。SEを含めれば全49回で彼が作曲した楽曲は200を超えたという。ピアノ禁止令、オープニング、無国籍風音楽、5度の音楽、鴨のテーマ、打楽器的演奏、「流山」のラストなど、裏情報がたくさん。三谷・服部黄金コンビは「王様のレストラン」以来、本当に素晴らしい仕事をしてくれる。やはり多摩編で流れたあのウキウキするようなテーマが好きだ。もう一回サントラ聞き直そう。今度は第1話から目を瞑ってヘッドフォンで最初からこのドラマを聞いてみることにしよう。■そしてちょっと感動しちゃったのはノンクレジットオープニング。要するにキャスト名スタッフ名などのタイトルが何も入らないオープニングタイトルの映像です。あらためてじっくりと見慣れた映像を見直してみて走っていく隊士たちの背中にジーンときてしまった。これは字幕無しで洋画を見るような気分に近いですね。ぜひ一度ご覧になってください。■なんかDVD販売促進担当みたいになってしまいましたが、この特典メニューはやはりお徳です。この巻だけでも見る価値はありますよ。そしてあらためて本編の良さを再確認できるというオチになっているわけです。いやはやたいしたものです。PS■最終回の余波でこのDVDの他にも直前の「スマステ・処刑前夜スペシャル」、NHKの「どんとこい新選組!」、「恋するハニカミ・堺君篇」まで見てしまいました。ある意味、至福の休日でした。49話の振り返りはまたいずれ、そんなわけでこのカテゴリー、「まだまだ終わらない!」