「聖書と算盤」
渋沢栄一は、日本一の艶福家と言われ、そのことは、実業界にもとどろき渡っていた。 彼は、何人もの女性を囲い、妻子のいる本宅に愛人との間にできた子供まで同居させていた。その子供の数は、20人とも言われ、その殆どが愛人との間に生まれている。 艶福家ぶりは晩年に至っても変わらず、なんと68歳のとき、子どもを授かり、「お恥ずかしい、若気の至りで、つい」 と、はげ上がった頭をなでたというエピソードが残っている。 栄一の後妻に入った兼子は、栄一の著作「論語と算盤」に因み、「父様も論語とはうまいものを見つけなさったよ。あれが聖書だったら、てんで教えが守れないものね」 と、夫婦以外のX行為を禁ずる聖書を引き合いに出して、皮肉っていたそうである。