ホテルの薄い壁
ホテルの薄い壁のために隣室の物音に悩まされたことは何度かありますが、密か事( みそかごと )の音に悩まされた(?)のはたった一度だけ、それもシカゴのホテルでのことです。出張でシカゴのホテルに泊まったときのことです。夜も更けたのでベッドに横になっていますと、隣室にカップルが入ってきた様子。立派なホテルですのに、意外に壁が薄かったのか、夜更けで静かだった所為か、物音がよく聞こえてきます。その内、何となくベッドでのそれらしい音と息遣い。いや愚生、決して壁に耳を押し付けていた訳ではなく、時差のため眼が冴えてベッドで悶々としていただけです。それでも最後に、女性のくぐもったような小さな「Oh,Good!」の一声で、ホテルは元の静寂に戻りました。辺りをはばかる慎ましやかなカップルに好感を覚え、密かに祝福を送って、こちらも何とか眠りに就けました。ヤレヤレ、ご苦労様でした。「駅 STATION」という映画の中で、高倉健と倍賞千恵子が事に及んだ後、倍賞千恵子の「あの時の私の声大きかったでしょう?」という問いに対して、高倉健が首を振ったものの、小さく「樺太まで聞こえたよ」と独りごとを言ったのに比べれば、シカゴではとても静かなカップルで助かりました。本編へのコメントです。(ミンキエッティさん) この手の話になるとすぐ反応する私・・。ひょっとして同じホテルかも、「R・ルネサンス」ではありませんか?見かけ倒しだなぁ・・と思ったものでした。 (偏屈老人)ミンキエッティさん済みません、大きなホテルであったこと以外は、名前も、どの辺にあったかも含め全て忘却のかなたです。