「最上のわざ」
上智大学学長も務められたヘルマン・ホイヴェルス神父(1890~1977)が、ドイツに帰国後、南ドイツの友人から贈られたという詩です。 この世の最上のわざは何? 楽しい心で年をとり、 働きたいけれども休み、 しゃべりたいけれども黙り、 失望しそうなときに希望し、 従順に、平静に、おのれの十字架をになう--。 若者が元気いっぱいで神の道をあゆむのを見ても、ねたまず、 人のために働くよりも、けんきょに人の世話になり、 弱って、もはや人のために役だたずとも、親切で柔和であること--。 老いの重荷は神の賜物。 古びた心に、これで最後のみがきをかける。まことのふるさとへ行くために--。 おのれをこの世につなぐくさりを少しずつはずしていくのは、真にえらい仕事--。 こうして何もできなくなれば、それをけんそんに承諾するのだ。 神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる。それは祈りだ--。 手は何もできない。けれども最後まで合掌できる。 愛するすべての人のうえに、神の恵みを求めるために--。 すべてをなし終えたら、臨終の床に神の声をきくだろう。 「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と--。愚生はもう、この世につなぐ鎖は余り残っていませんので、最後の祈りの仕事の段階でしょうか。もっと祈りませんと・・。