うさぎ島学会(2)
少し前のことになってしまったが、これまた大久野島へ行って、目に付いたこと。うさぎ島学会(1)で書いたように、大久野島はウサギ好きの聖地なので、ウサギ好きが沢山のラビットフードや野菜、果物を奉納しにやってくることが、よくある。私が訪れたときにも、5~6名の、おそらく私より若いであろう女性たちが、カートに大量のラビットフードと飲料水のポリタンク、野菜を積んで桟橋に降り立った。あまりの量の多さに、一瞬うさぎのために食事を運んでくるボランティアなのかと思った。だがボランティアであるのなら、休暇村のカウンターでフードを買って与える宿泊客の多い土日を避けて訪れるだろう。ウサギが好きで可愛がるのはいいし、沢山のウサギに囲まれて幸せな時間を過ごすのもよい。ただ見ていて「ちょっとどうなのか」と思ったのは、あまりにも一度に一箇所に置いていくフードと野菜の量が多すぎることであった。私は家から持ち込んだラビットフードを少しずつ、島を歩きながらおねだりうさぎたちに与えて回っていたが、彼女たちが大量のフードと野菜を与え始めるのを見て、自分はそれ以上与えるのを止めてしまった。気温も上がっているから、食べ残された野菜クズはじきに傷むし、次の日になればはっきり言って生ゴミでしかない(うさぎはそれでもいつか食べるだろうが)。一部はグラウンドゴルフ場の芝生の上にも散乱してしまっている。夕方になって休暇村に宿泊している幼い子どもたちが、買ったフードを与えようと出てきても、「ご満悦」なうさぎが多く、いつもの勢いで集まってこない。さらに残念なことにその夜は雨が降った。山積みにされて食べ残されたラビットフードが、あちこちで濡れてふやけてしまっていた。日帰りした彼女らは、この様子を見ることも知ることもないのであろう。帰りの桟橋までのバスの中で、小学生くらいの兄弟が残って持ち帰るラビットフードをどっちが持つかでもめていた。小さいほうの一人は「まだあげたい」と半泣きである。私の荷物の中にも持ち帰るラビットフードが残っていた。それをどうしたかというと、実は今月子どもの自由研究がてらもう一度島に行き、リベンジしたのであった(笑)。