交換ノート
娘が見慣れないノートを持っているので手に取ると、「ダメ!」とひったくられた。「別に中を見ようとは思わないけど、交換日記?」と尋ねると「違うけど、交換ノート」と言う。「誰としているの?」と何人か仲のよい子の名前を挙げたが、いずれも違っていて、「クラスで一番嫌いな子。『止めよう』って何度も書こうと思ったけど、書けない。」と言う。苦手な子が「交換ノートして」と持ってきて、断れなかったそうだ。家では自己主張のはっきりした娘だが、そこは使い分けているらしい。「それじゃさ、向こうが1日でノートをよこしても、こっちは3日とか、1週間とか、だんだん間を空けていけば、立ち消えになるかもよ。」まるで、別れたい男からのメールに対する返事の仕方を教えてるみたいだ(笑)。「そうだね」と言って娘は少しほっとしたような顔をしていた。ところが数日後、娘が寝る時間になっても、ノートを2冊床に広げて、「うーん...」と唸っている。「他の子とも始めたの?」「ううん、同じ子。」「同じ子と2冊?」「忘れた、忘れたと言って持っていかなかったら、今日もう1冊ノートを渡されてしまった。」...敵もさる者。なんと交換ノートが増殖するとは!娘は自分が休み時間に本を読んでいても外に引っ張り出されるし、自分はひとりで行きたいのに「トイレに一緒に行こう」とついてくるし、かなり苦痛になってきていると話す。ちょっと「いかにも女の子」という感じの相手のようだ。交換ノートの内容についても「クラスの素敵な男子ベスト3とか書いてあるよ!全部うるさい奴ばっかり!何を書いていいかわからない。好きなすしネタベスト3とか書けばいいの?かーちゃん。」とまだまだニュートラルな娘とは話題がかみ合わないらしい。とにかくノートを2冊書かず、1冊はそのまま返すように言った。2冊書いたら、毎日同時交換になってハマってしまう。夏休みでフェードアウトを狙っていたが、この分ではポストにノートが入っているだろうな...。そういう年頃だと思うので、交換ノートをするなとも言わないが、ちょっと相手の子にも空気を読んでもらいたいものだ。相手の子を悪く言うのも何なので、娘には交換ノートにあと2~3人自分の中のよい子を入れて、回ってくる頻度を減らし、自分たちの盛り上がりやすい話題に相手を引き込んだらどうかと伝えた。