「日本の社員は患者より医師優先」ノバ本社社長
...っていうけど、なんだか違和感。日本の社員、ってひとくくりにして他人事みたいな言い方。自分の会社だよね?古館さんも言ってたよ。患者より医師優先?バカをお言いでない。製薬会社なんてのは、自分の会社の利益、自分のとこの製品のシェアを上げることが最優先でしょ。特に外資系は凄いえげつないよ。売上ノルマがきついから、処方権を持つ医者にすり寄るんでしょ。MR(薬剤情報提供者、要は製薬会社の営業)の全国売上ランキングで、最後のページに載っちゃったMRに「助けてください。クビになっちゃう」って泣きつかれたこともあるよ。もちろんどうしてあげようもないし、どうもしてあげなかったけど...結局彼は転職したっけ。私の勤務先、私のところへもMRよく来るけど。口では「いや、先生の患者様のお役に立てるのが一番」とか言うけど。本音を言えば抗精神病薬を全部自分のとこの薬で処方してもらいたい、SSRIなら全部自分のとこの○○から使って欲しい、でしょ?顔を見たこともない、私の背後にいる患者さんたちに思いを馳せることなんて、できないでしょ?だから健康な人の論理で、「うちの薬は△△より優れています」とか簡単に言えるのよ。薬を変えることって患者さんにとってすごく不安なことなのに(やたらにすぐ変えたがる患者さんもいます)。私は昔からえらい遜って、医者を持ち上げたこと言うこの薬屋さんの営業ってどうも苦手。慇懃無礼にしか見えなくて、裏表ありありで、嫌なのね。遜られれば遜られるほど、蔭では絶対こいつら私の悪口言ってるな、と被害的に思っちゃう。どっちかっていうと素に近くて、調べといてと頼んだこととか忘れても変に取り繕ったりしないような営業のほうが、信用できる。「先生は今回の診療報酬改定で、処方調整とか、いろいろ大変でいらっしゃいますか?」今年の診療報酬改定で、薬剤の種類に制限ができて、それを超えると薬剤料も減算になることになったから、どこの製薬会社も、自社製品が間引き対象にならないよう、必死の営業。まさに薬の椅子取りゲーム。私個人はトレンドに反し、もともと単剤処方が何がなんでも一番、というこだわりはない。一方でいざ制限がかかってみると、案外これに引っかかる自分の外来患者さん、2名しかいなかった。総量規制で、花粉症の薬とか、頭痛薬とか、整腸剤とか、降圧剤とか同時処方を頼んでくる患者さんで7種に引っかかった人はそこそこいた。これからは薬局で買ってちょうだい、とか、別に内科にかかれ、とか、別の日に診察に来い、とは言いにくいので、多分そのまま。製薬会社には「あー、私は大変じゃないよー、ほとんど変わんない」と答えて受け流してる。精神科なんで、表題のノバルティスはあんまり来ない。ノバルティスの営業を直接知ってるわけではないので、特定の製薬会社を指しているわけではありません。