☆いつも心に太陽を☆
就職難の為、通信技師のサッカレーはロンドンの下町にある中学校に教師として赴任する。さまざまな問題を抱えた不良生徒ばかりの学校で、サッカレーは最上級生のクラスを受け持つが、何かにつけて反抗する生徒たちにうんざりする。シドニー・ポワチエ主演の、不良生徒たちに根気強く接し、彼らを更正させ、自分もまた成長していくと言う所謂、青春ドラマです。日本でもよくある学園ものですが少し違うのは、白人の学校へ黒人の先生が赴任すると言う、日本では見られない設定。現在ではアメリカでもイギリスでもこういった設定は普通の事になってきているのでしょうが、1967年当時はきっと珍しかったと思われます。生徒たちも、そして周りの教師たちにもサッカレーに対して差別が感じられます。ただ、きっとアメリカにおけるそれとイギリスとではその大きさは違ったのではないでしょうか。アメリカ映画で描かれるような人種差別よりも、そこはくどくはなく、むしろまだ階級制度のにおいがするイギリスの、下層階級にある生徒たち自身の問題や、その環境と言うものの方がより濃く感じられました。生徒たちの行動も、元々彼らの持っているものではなく環境から来るものだと言う事が自分の経験上分かっているサッカレーは、まず生徒たちに規律とか自制心とかを教え込んでいきます。礼儀を守らせる事で責任感を持たせ、生徒たちは成長して行き、サッカレーを尊敬し始めます。この映画を初めて観たのは十代の頃、それから何十年もたっているのにいつの時代も生徒は問題を抱えていて、いつの時代も教師たちはそれについて悩んでいる。でも、この時代の先生に対しての反抗的な態度なんて現代に比べるとかわいいものなのですけどね。生徒たちの背景はそれほど詳しく描かれてはいないので、彼らの階級とかその暮らしぶりをある程度わかっていないとなんだか大味な印象がするかもしれません。しかし、やはりいつの時代も教師と生徒とのこういう話はグッとくるものがあります。特にサッカレーという人物が自分自身の過去は荒れた環境にありながら、黒人が白人の学校の教師と言う立場でありながら、生徒たちに節度を持たせる導きをしていくというところに、そして又本職の教師でなかった人がそういう風に導いていった事が見所だと思います。ルルの歌う主題歌も、当時のファッションもとってもステキだし、邦題がとてもいい。TO SIR, WITH LOVE1967年イギリス/アメリカ監督/脚本:ジェームズ・クラヴェル原作:E. R. ブレイスウエイスト音楽:ロン・グレイナー出演:シドニー・ポワチエ、クリスチャン・ロバーツ、ジュディ・ギーソン、ルル、スージー・ケンドール 他【 レコード・EP盤 】(中古) いつも心に太陽を/ ルル