『ポビーとディンガン』
≪ポビーとディンガンもオパール採掘も実際には見えない「夢」なのかな≫ベストセラー小説の映画化作品。「フル・モンティ」の監督です。オーストラリアの田舎町。ここには、世界中からオパール採掘の夢を見て人々が集まって来る。ウィリアムソン一家のパパもそんな夢を見る一人だ。パパとママ、そしてアシュモルとケリーアンの4人は、ささやかだが幸せに暮らしていた。ただ一つ困っていたのは、ケリーアンにはポビーとディンガンと言う空想上の友達がいて、本物の友達が出来ず、学校にも馴染めない事だった。ある日、ケリーアンがポビーとディンガンが居なくなったと騒ぎ出した。そして、彼女は心配のあまり病気になってしまう。アシュモルは妹のため、街中に「たずね人」のビラを貼り、ポビーとディンガンを探すのだが…ファンタジー小説の映画化なので、嫌いな人は全然ダメな作品かもしれません。私は嫌いじゃないです。小さな子供って時々誰も居ないのに、壁の方をじっーと見つめたり、話しかけたりする子がいませんか?あなた自身、子供の頃は空想上の何かっていませんでしたか?コロボックルみたいな小さな人とか、妖精とか。まあ、コロボックルも妖精の一種なのかもしれませんが。私は子供の頃、「巨人の惑星」というテレビドラマが大好きだったのですが、もし小さな人が私の所に来たら、絶対に誰にも秘密にして机の中にかくまってあげる、って思っていましたね。ご飯やおやつをこっそり持って行って食べさようとか、お風呂は洗面器に少しだけお湯をはって入れてあげよう、時々外へ連れて行き遊ばせよう、なんて。テレビの影響もですが、本当にそういうものが居るんじゃないかと、結構真剣に思っていた事があったと記憶しています。(実際に見たことはありませんが)こういう思いをした事があるとケリーアンの心情はわかるのですが、ここまでくると精神的「大丈夫かなー?」と思ってしまいます。こういう事って線引きが難しいですから。もしも自分の子供がケリーアンみたいだったら、凄く心配になるでしょうから、やっぱり一応病院に連れて行くと思うのです。しかし、こういう場合はどんなに病院で治療を受けようが何をしようがきっとダメなのでしょう。探すしかないのでしょう。彼女を癒すのはポビーとディンガンを見つけることだとわかり、必死になって彼らを探す妹思いのアシュモルの一生懸命さがいいのです。そしてその姿が街の人たちの心も動かすのです。こういうことを言うと不思議がられてしまいそうですが、「空想上の」という言い方をずっとしていますが、本当に他の人の目には見えない何かを見ている場合もあるかもしれないのですよね。目に見えるもの以外は信じない、と言う人には馬鹿げた映画かもしれません。精神的に何か疾患があるのかも、と思うこと自体私はピュアな気持ちを忘れてしまっているのでしょうが、しかし、これは子供の頃を思い起こさせてくれる、純粋な気持ちにさせてくれる映画だと思います。アシュモルとケリーアン役の子達はほとんど演技の経験はなかったのだそうですが、かえってとても自然で良かったです。特にアシュモル役の子が可愛かった。ちょっと物足りない感じがなくもありませんが、ほのぼのとした心温まるお話です。OPAL DREAM (POBBY AND DINGAN)2005年オーストラリア/イギリス監督:ピーター・カッタネオ脚本:フィル・トレイル原作:ベン・ライス出演:クリスチャン・バイヤーズ、サフィア・ボイス、ヴィンス・コロシモ、ジャクリーン・マッケンジーDVD本