【ありあまるごちそう】 2005年 世界が飢えていくメカニズム
『いのちの食べかた』と同じ、2005年に製作されたオーストリア映画。グローバル化が進み、食料をこれまでよりも安く大量に生産できるようになったのに、飢えに苦しむ人の数は、減るどころか増加傾向にあるという。先進国では大量の食糧が余っては捨てられ、一方で、貧しいの国々での飢餓は深刻さを増している。世界的な食糧の偏りが生まれる背景を、流通の視点から明らかにした食育ドキュメンタリー。『いのちの食べかた』で、わたしはなにを誓ったのだっけ。「いただきます」と感謝しながら、必要なぶんだけ食べること。無益な殺生はしないこと。 地元の新鮮な野菜と果物を選び、食べきれずに捨てるのをやめること――果たして守れたかといえば、、必要以上に食べること、食べきれずに捨てることは、守れなかった。もうほんとうに厳しく、地元の食材で料理して、旬のものを中心に頂く生活を徹底したくなった。たまーに手を伸ばしてしまったオージービーフや、中国産の蓮根や、そういうのももうやめよう。ふと『クワイエットルームにようこそ』という好きな作品を思い出していた。精神科病棟を舞台にしたコメディドラマなのだけれど、その中に脇役で蒼井優演じる拒食症の患者"ミキ"が登場する。"ミキ"は、遠い国の知らない人々の飢餓は、自分の頂く十分な食事にも責任があると、自責の念にとらわれて摂食障害になる役どころだった。その感じやすさ、わたしはすごいと思っていて、たしかに自分を責めるのはちょっと違っているけれど、せめてもう少しくらいは世界のどこかで止まらない飢餓の一端をじぶんの生活に結びつけてみなければなぁと反省する。節制した暮らしをすべきなんじゃないかって。ちょうど今年も終わるし、来年はもっと食生活を変えよう。監督・脚本・撮影 エルヴィン・ヴァーゲンホーファー(96min/WE FEED THE WORLD)