【アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち】 2008年 珠玉の演奏に酔いしれる
昨秋は映画館でボランティアをしながら、BGMに流れているアルバム『CAFE DE LOS MAESTROS』を何度も聴いた。1940年代~50年代、アルゼンチンタンゴの黄金時代を築いた伝説のマエストロたちによって、レコーディングされたアルバム『CAFE DE LOS MAESTROS』。 情緒的でメランコリックなメロディは、直接魂に語りかけてくるようで、とても好きだった。 本作は、久しぶりに往年のメンバーが集い、そのレコーディングに臨む姿をフィルムに収めたドキュメンタリー。歳相応に肉づいたマエストロたちの愛嬌ある会話や、語る思い出の数々、タンゴへの愛。それぞれが情熱的な旋律とともに胸に響く。後半には、ブエノスアイレスのロン劇場で行われた、一夜限りのステージが収録されている。魂込めた演奏を聴いているうちに、体が勝手にリズムをとっている――そんなとても心地のよい素敵なドキュメンタリーになっている。製作総指揮を担当したは『モーターサイクル・ダイアリーズ』『パリ・ジュテーム』の監督ウォルター・サレス。『セントラル・ステーション』といい、この方の感性が好きだ。 監督 ミゲル・コアン 出演 オラシオ・サルガン レオポルド・フェデリコ マリアーノ・モーレス 他 (CAFE DE LOS MAESTOROS/92min)