ガラスの対抗馬(ランチア LC2)
ここのところずっと過去商品を使って再編集みたいな記事でお茶を濁してきたけれど、待望の新商品が入ってきた。もしかしたら3、4点が一気にドカンと入ってくるんじゃね?という心臓にも懐にも悪い予感は当たらなくて助かった。ショップが創業記念セールやってる間はなるべく多く入って来いなんて思ってたのに、セールが終わればお願いドカンはやめてねとはなんとも現金なもんだが、それはともかく早速アップである。スパーク1/43 ランチア LC21985年世界耐久選手権 スパ1000km 優勝#5 マウロ・バルディ / ボブ・ウォレク / リカルド・パトレーゼ グループCレースがスタートした当初、ポルシェ956の対抗馬と期待されたLC2。対抗馬と言えば聞こえはいいけど、数多のメーカーが鍔迫り合いをする中で抜け出したといった経緯じゃなくて、グループCマシン開発に際してLC1というそこそこの成績を収めた旧規定マシンがあったから完全ゼロスタートの他メーカーに先んじて実戦投入できたというだけの話。その素性は、一発の速さはあるものの信頼性が絶望的(世界耐久選手権にワークス参戦した3年間でリタイア率40%)というね。これが「耐久」選手権だってことをホントに理解してる?って感じのLC2だけれどマルティニ・ストライプ効果もあってどうにも憎めない。つか全然好きじゃん。12年も前に記事にしたイクソ製のルマン参戦車と。見ての通りノーズの造形とリアウイングの重さに違いがある。ユノディエールを考えたらなだらかにスラントしたノーズ形状のほうが空力的に有利なんじゃないか?と素人考えするんだが、何故かルマンはボテっとしたショートノーズなんだよね。夜間走行するのに大きなライトを装着したいからってことなのかな。ま、理由はどうあれ個人的にはスラントノーズのほうが好みではある。 世界耐久選手権では結局2勝しか出来なかったLC2の、1985年スパ1000kmは貴重なワン・オブ・ツーだけれど、このレースではトップ争いをする未完の大器ステファン・ベロフがオールージュで大クラッシュのち炎上して死亡。 シーサー(ドイツの下着メーカー)カラーに彩られたベロフ(とティエリー・ブーツェン)の駆るポルシェ956Bと。ベロフがジャッキー・イクス駆るロスマンズ962Cと絡まなければ、多分LC2優勝の目はなかったろうね。 ベロフが1984年のドイツツーリングカー選手権ノリスリンで勝ったイエーガーマイスター#1号車とシーサー#19号車は実は同一個体(シャシーナンバー#116)。ミニチャンプスとアイドロンで造形解釈が違ってアイドロン(#1)のほうが若干タッパが高い。ってなんだか最後はLC2じゃなくてベロフの記事になっちゃたね(笑)