晴れの日も雨の日も フィリピンの海の日常
気がついたら、魚達の顔を撮っていた。旅先でも景色を撮るよりもそこに暮らす人々の自然な表情が撮れると嬉しい。魚達は本音とタテマエがあまり存在していないと思うのでわりと自然な表情が撮れると思うのだが、やはりそこにはそれぞれ個性があり、辿ってきた歴史があり、趣がある。サメは重厚な潜水艦のようでちょっと自信ある気な表情を浮かべ油断ならない気配を漂わせる。油断ならないといえば、バラクーダも何を考えているかわからないちょっと危なげな、いっちゃってる風情平気でこいつは人を裏切るな、人を喰う態度ならぬ魚を食った態度な奴それとは一点してエイっていつでもハッピーな表情ニコニコマークのシンボルのようなやつ「俺人生楽しくてしょうがないんだけど」「いやー今日もいいことあってねー」と笑顔の後をひきながら高速で今日も海を駆け巡る。クイーンでエンジェルなフィッシュはクイーンにふさわしい堂々としたオーラを放つ只者ではない表情、只者ではないこの色使いこれはクイーンと言われたものにしかできないコーディネートこの黄色の鱗とカリビアンブルーの色のコントラストハードコアなトゲトゲがまさにクイーン!!「おひけいなすってー!!」メンチ切ってるヤドカリ、宿借りてるけど何か!「人様(魚様)に迷惑かけてはござんせん、少々でかい貝を使わせてもらってえますが大は小を兼ねるとござんしてー、生まれは葛飾柴又のーーー」そのつぶらな瞳は、輝く瞳は何を見つめているのだろう?その無邪気な唇は何を求めているのだろう?ただ口を開けてボーーーとしているだけにも見えますが、希望に満ちた、未来ある少年は前を向く!というようにも見える。見るものの心を写す、あなたは何を見たか!?実はこっち見てるよね?のぞいているよね?そして微妙に微笑んでいるその姿その微笑みはモナリザの微笑みにも似ている(冗談じゃなく、本当に似ていると思いませんか?)「フフフ、一緒に来る? ついて来るならそれはそれでまあいいけど」一匹一匹に個性があり、知れば知るほど愛おしくなってくる雨の日の日曜日のように、今日は静かに家にいよう行動範囲をいつもよりも狭め、小さな世界をじっくり楽しむ時も大切近所の彼ら、彼女達と今日はゆっくりと顔を向きあわせその趣ある表情を観察しよう。何か新しいこと、面白い発見があるかもしれない。もしかしたら、地上の雨の日でも、水中の透明度が悪い日でもそういう日が好きになるかもしれない。心の透明度を上げるのは自分自身