高額で売却されたゴッホの絵ベスト1は「医師ガシェの肖像」&アムステルダムの「ゴッホ美術館」の事。
シンガポールで開催中の「Van Gogh:The Immersive Experience(ゴッホ:没入型展覧会)」の展示パネルにゴッホの絵画で高額で売却されたベスト5の説明がありました。説明の最初に「Van Gogh is Rock Star of the Art World (ゴッホはアート界のロック・スター)」とあり中々粋な表現だなぁと思いました。 ベスト1の価格は82,500,000USドルでゴッホをオーヴェールで看取った「医師ガシェの肖像」ですが、このパネルに載せられていた絵は第5位61,765,000USドルの「Vase AuxMaerguerites Et Coquelicots(花瓶に挿したマーガレットとコクリコ)」でした。 フランス語でコクリコだとどんな花?と思いますが、日本語のひなげしであればアグネス・チャンの歌も浮かんできます。説明では1890年6月中旬作とあり亡くなる1ヶ月ほど前に描かれた絵です。ひなげしの絵ではモネの壮大な「アルジャントゥイユのひなげし」が有名なようですが、このゴッホのひなげしは彼の人生と重なって儚さのような物を感じます(フランス国旗の赤色はこのコクリコの色だそうです) 現在のレートだと5点とも80憶円以上の価値ですが、ゴッホの絵画の多くはゴッホの死後、弟のテオと妻のヨーの所蔵となり2人が亡くなった後は1人息子の「フィンセント、ヴァン・ゴッホ(1890-1978)が引き継いでいるため、個人蔵の絵というのは数としては少ないようです。 現在ゴッホの絵画の多くが保存されているアムステルダムの「ゴッホ美術館」を調べてみると、フィンセントが両親が亡くなった後(父テオはゴッホの死の翌年、母のヨーは1925年に亡くなっています)何とか叔父の作品をきちんとした形で保存したいという思いから72歳の時(1962年)に「ファン・ゴッホ財団」を設立しこれが元となり、1973年に国立の「ゴッホ美術館」の開館となったようです。美術館としては今年で50周年という未だ新しい美術館であることに驚きます。 そして「個人蔵のゴッホの絵の売却」で思い出したのがこの一枚です。2021年に競売にかけられた時は個人蔵の絵が売りに出るのは珍しいとネットの記事にあって昨年日記に書きました。 『2021年3月25日にゴッホの「モンマルトルの通りの光景」が1300万ユーロ(約17億円)で落札されました。個人蔵で100年以上美術館で公開されなかったこと、ゴッホが2年間弟のテオと共に暮らしたモンマルトル(南仏アルルに向かう前年の1887年作)で描いた絵が市場に出ることは珍しいということで話題になりました』 アート界のロック・スター的なゴッホの絵画は彼の人生が劇的に変わるアルル、サン・レミ、オーヴェールで描いた絵によりその価値の大きさが置かれているようです。