「物語は書きたい時にしか書けない。物語は生きていますから」@「光る君へ」
昨日の大河「光る君へ」では一条天皇に献上する「源氏物難 33帖」の製本を手分けして行うシーンが流れ、装丁の美しさに見惚れました。そして中宮彰子が自ら紙の色を選ぶ事にも源氏物語に託す思いが伝わりました。 今朝のNHK「あさイチ」のテーマは「視聴者が光る君へで共感したセリフ」で、撮影に一日かけたという昨日の製本のシーンについても説明がありました。表紙にはは金、銀をあしらいそれぞれの帖の紙の色が全て違い33色であることなど、当時高級品だった紙を惜しげなく使った事に感動でした。 共感したセリフはまず道長の正妻「倫子」の女房である「赤染衛門」の「人の妻であっても心は己のもの」で打毬(だぎゅう)に興じる男たちの1人に恋心を持った時のセリフです。恋心だけではなく「己の心に正直でありたい」と気付かされたと視聴者からのメッセージもありました。次にまひろの実家の養育係の「いと」が理想の夫の条件として挙げた「私の言いう事を聞いてくれる人が一番尊い」には今も昔も変わらぬ思いが伝わります。 脚本家の大石静香氏が脚本を超えた名シーン&セリフとした挙げたのは、まひろが道長と結ばれた夜静かに涙を流すまひろに道長が「何故泣いているのだ」と尋ねた後「人は幸せでも泣くし、悲しくても泣くのよ。今は幸せで悲しい・・」です。夜空に浮かぶはかなげな月の様子と相まって、これはかなり奥深いです。最後にまひろを演じた吉高由里子さんが共感するセリフは「物語は書きたい時にしか書けない。物語は生きていますから」で、このセリフには1000年以上の時を経て愛され続ける「源氏物語」の真髄がある気がしました。 出演者の表情や衣装などに目を奪われる事が多く、私はあまりセリフに注目していなかったかなぁと気付かされ、これからはセリフにもしっかり耳を傾けてみようと思います。